妊活中に膀胱炎やカンジダ膣炎に…妊娠していた場合、赤ちゃんへの影響は?【お悩み相談室】

妊活・不妊
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妊活中に膀胱炎やカンジダ膣炎を発症し、治療を受けたという30代女性からのご相談です。
抗生物質の服用や感染が妊娠初期の赤ちゃんに影響しないか不安とのこと。再発や今後の妊活への影響も心配されています。

今回は、妊娠初期における薬の影響、感染症との付き合い方、再発を防ぐためのケアについて、助産師がアドバイスします。

膀胱炎やカンジダ膣炎になった状態で妊娠した場合、赤ちゃんに影響はありますか?
排卵日に合わせてタイミング法をとっていたのですが、途中で膀胱炎を発症してしまい、泌尿器科で抗生物質を処方されて治療を受けました。
治ったと診断されたのでタイミングを再開したところ、数日後に夫が亀頭包皮炎のような症状(赤み・腫れ)を訴え、さらに私自身にもカンジダ膣炎っぽいかゆみやおりもののが出るようになりました。

妊活中なので、もし妊娠していた場合、これらの感染や薬が胎児に影響しないか心配でたまりません。
とにかく夫婦それぞれ婦人科と泌尿器科に行こうと思いますが、再発しやすいとも聞きますし、今後の再発や性交痛も不安です。
妊活に不安を感じてしまったんですが、また安心して妊活ができるようになるでしょうか。

(30代、女性、ハンドルネーム:炭酸ぴーち、職種:販売・サービス)


最初に

妊活中に膀胱炎やカンジダ膣炎が起こってしまうと、「赤ちゃんに影響があるのでは」と心配になってしまいますよね。
ましてやせっかく排卵日に合わせてタイミングを取っていたところで症状が出たとなると、「大丈夫だったのかな」と不安が募るのも無理のないことです。

また、パートナーにも炎症のような症状が出てしまったとのこと、ふたりで心身ともに負担を感じていらっしゃるのが伝わってきます。

妊活というのは、体調管理も心のバランスも大切な時期ですから、「安心して次に進めるのか」という思いが強くなることが多いかと思います

感染症の治療を受けたあとにタイミングを再開して妊娠の可能性がある場合、薬や感染の影響がどの程度なのか、正確に知っておきたいという気持ち、とても理解できますよ。
順番に整理していきましょう。

妊活中の感染症は珍しくない。服薬をメモして

今回のようなケースでは、「感染や治療の影響をきちんと知ること」と「再発しにくい身体づくりをしていくこと」の両面から整えていけると良いかもしれません。

一時的な感染は珍しくなく、膀胱炎やカンジダ膣炎の多くは適切な治療を受ければ完治します。
ですが、治ったと思っても菌や真菌(カビの一種)が少し残っていたり、感染を繰り返すこともあるので、今回のようにお互いに受診することはとても良い判断だと思います。


また、「妊娠していた場合の影響」は、感染そのものよりも「薬の時期」と「種類」が重要なポイントになります。
ですから、どんな抗生物質が使われたのか、いつまで服薬したのかを診療時に医師に伝えられると安心です。
もし妊娠が成立していたとしても、初期に使われる一般的な膀胱炎の抗菌薬やカンジダの治療薬は、妊娠への影響がないとされるものが多いですよ。

まずは現時点の体調を整え、婦人科で検査を受け、今の膣内環境を確認することで、「もう一度妊活を再開して大丈夫」と実感できると良いかもしれませんね。

妊娠初期の薬の影響を理解する

妊娠初期の、受精卵がまだ母体と血液を共有していない時期には、薬の影響を直接受けにくい、と言われています。
ですので、軽度の感染や膀胱炎があっても、多くの場合は胎児に影響しません

また、膀胱炎で処方される抗菌薬には「セフェム系(例:セファレキシンなど)」や「ペニシリン系(例:アモキシシリンなど)」があり、これらは妊娠中でも比較的安全とされている薬です(※)。
一方、ニューキノロン系(例:レボフロキサシンなど)は妊娠中には避けるべき薬に分類されますので、どの薬を使用したかを確認することが大切です。

再発を防ぐには“夫婦での治療”が大切

カンジダ膣炎に関しては、膣内に常在しているカビの一種が増えることで起こります。
妊活や妊娠初期にはホルモンの影響で発症しやすくなりますが、カンジダ膣炎も胎児への直接的な影響はありません

ただし、治療せず放置すると炎症が強まり、性交時の痛みや感染の再発を繰り返すことがあります。
妊活を続けていくためにも、婦人科でカンジダや他の性感染症を含めた検査を受け、おりものの状態や膣内環境を整えていくことが大切です。

パートナーも泌尿器科で治療を受け、再感染を防ぐことが必要ですね。
ふたりで同時に治療し、完治の確認が取れた段階で妊活を再開できると安心です。

安心して妊活を続けるために

「また安心して妊活ができるようになるでしょうか」とのことですが、はい、なれますよ

感染症は誰にでも起こりうることですし、適切な治療とセルフケアで十分に回復できます。
体調が落ち着いたら、軽いストレッチや温かい飲み物などで血流を整え、ストレスをためないことも再発予防の一つです。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶妊娠と薬:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/ninshin_00001.html

<本記事の回答者>

助産師として大学病院や自治体など多様な現場で経験を積み、妊娠・出産・育児から更年期まで、女性のライフステージ全体をサポートしています。誰にも相談しづらいお悩みも、どうぞお気軽にご相談ください。


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