「また壊れてしまうのでは」再婚後の妊活に踏み出せない【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は、前の結婚で妊活をきっかけに関係がうまくいかなくなった経験から、再婚後も妊活の話題に不安を抱える30代女性からのご相談です。
穏やかな今の関係を大切にしたい一方で、気持ちをどう伝えればよいのか悩んでいるようです。

不安との向き合い方、パートナーとのコミュニケーション方法について公認心理師・臨床心理士がお答えします。

37歳、再婚して2年が経ちました。前の結婚では妊活をきっかけに夫婦関係がうまくいかなくなり、最終的に離婚しました。
今の夫とは穏やかに暮らせていて、子どもを持つことも選択肢のひとつとして話してはいるのですが、どうしても「また壊れてしまうのでは」という不安が消えません。
何から話せばいいのか、どう気持ちを伝えればいいのかもわからず、ずっと心にしまったままです。
この気持ちとどう付き合っていけばいいのでしょうか。

(30代、女性、ハンドルネーム:みお、職種:教育・保育・カルチャー)


最初に

再婚して2年。穏やかな日々を取り戻しながらも、
心のどこかにずっと小さな痛みが残っているのですね。
前の結婚で、妊活がきっかけとなって夫婦関係が崩れてしまった。
あのときの緊張、寂しさ、傷つき、そして“壊れていくのを止められなかった自分”への後悔……。

その経験があるからこそ、今の優しいパートナーさんとの時間を大切に思うほど、“もしまた同じことが起きたらどうしよう”という不安が再び顔を出してしまうのですね。
それは、とても自然なことだと思います。

穏やかに暮らしていても、心の中ではまだ前の経験の続きが再生されてしまう。

「何から話せばいいのかわからない」
「どこまで伝えていいのかわからない」

そんな迷いを抱えながら、ずっとひとりで抱えてこられたんですね。

みおさん、本当によくここまでたどり着きましたね
ひとりで心の中にしまってきたその気持ちは、決して軽いものではなかったはずです。

一歩踏み出せないのは、慎重さと優しさ

まず、みおさんのお気持ちは、次の一歩が踏めない弱さではなく、
いちど壊れた経験がある人だからこその慎重さと優しさだと感じました。
前の結婚で傷ついた人の多くは、次の関係でも似た場面に差し掛かったとき、体が先にこわばったり、心がざわついたりします。
これは正常な反応です。

妊活というテーマは、ただ子どもを望むかどうかという話だけではなく、

・協力の仕方
・努力の負担
・プレッシャー
・身体的・精神的なストレス

など、夫婦の生活をどのように変えていくか、という話題です。
だからこそ、みおさんがためらうのはとても理解できます。

不安を持ったまま話せる方法を探す

ではどう向き合うか。

不安が消えてから話そうではなく、不安を持ったまま話せる方法を探すという発想が、少しラクになるかもしれません。
そのときのコツは、答えを出すための話し合いではなく、気持ちを共有するための会話にすること。


たとえば、こんな切り出し方なら、みおさんの不安をそのままの形で伝えることができます。


「前の結婚のことで、まだちょっと怖さが残っていてね……
あなたを信頼しているけれど、その話題になると心がざわついてしまうんだ」



「どうしても、昔のことを思い出してしまう瞬間があって。でも一緒に考えられたらうれしいな」


これなら、“あなたを信じていない”のではなく、“私の心の傷跡の話をしている”というメッセージになります。

パートナーと一緒にできること

心理学的に言えば、過去の関係で傷ついた経験は、現在の関係にも影響を及ぼします
でも、これは“今の関係も壊れる”という予言ではありません。
むしろ、パートナーと一緒に向き合うことで“前の傷を癒せるチャンス”になることが多いのです。

そのためにできることをいくつか挙げてみますね。

1.ひとりで抱えず、少しずつ言葉にしていく
話す内容は100%でなくていいんです。
3%くらいから始めて、少しずつ広げていくイメージで。

2.妊活の話=すぐ決断ではなくていい
「話す=今すぐ動く」ではありません。
話す=お互いの気持ちを知る」でもう十分。

3.不安は悪者ではなく、自分と相手の心を守ろうとするサイン
「また壊れたくない」という思いは、愛情の裏返しです。

4.カップルで相談できる外部資源を知っておく
カップルカウンセリング・自治体の家族相談・心理相談など。
必要なら頼れる場所がある」というだけで、不安は半分になります。

最後に

みおさんは、過去の経験があるからこそ、今回の関係では同じ轍を踏まないようにと丁寧に歩こうとしておられますね。
それは恐れではなく、愛の形です。

どうか、今のパートナーさんとの関係が「前とは違う」という安心を、少しずつ増やしていけますように。
もしよければ、また一緒に気持ちの整理を手伝わせてくださいね。


<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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