同僚の妊娠報告がつらい。仕事場のストレスが妊活に影響しそうです【お悩み相談室】
今回は、不妊治療を始めて1年、職場の同僚の妊娠や「すぐに授かった」という話に深く傷ついている20代女性からのご相談です。
治療を隠しているからこそ距離を置ききれず、かつては楽しかった職場が苦痛な場所に変わってしまったとのこと。
「祝えない自分」に悩む心理背景と、ストレスを軽減するための具体的な向き合い方について公認心理師がアドバイスします。
不妊治療を始めてもうすぐ1年が経ちます。
職場の同僚が妊娠したようで、体調の変化や「欲しいと思ってすぐにできた」などの話を毎日私にします。
笑顔で同僚の話を聞けない自分がだんだん嫌になってきたので、その同僚とはなるべく距離を置くようにしています。
しかし私が不妊治療していることを、その同僚は知らないので、上手く距離を置ききれず、毎日の仕事が辛いです。
職場では治療のことを考えず、楽しく動けていたのに、と悲しくなってきました。
色んなことに敏感になっている自分が悪いというのは分かっていますが、職場でのストレスを減らすにはどうしたら良いでしょうか。
このストレスが妊活にも影響しそうでそれも辛いです。
(20代、女性、ハンドルネーム:まーり、職種:教育・保育・カルチャー)
目次
最初に
ご相談ありがとうございます。
周囲に不妊治療のことを話さないことで、治療のことを忘れられる空間だったのに、同僚の妊娠でそのバランスも崩れてきてしまったのですね。
あなたがこれまで、自身の中で必死にバランスを保とうと頑張ってきたことが伝わってきました。
職場で治療のことを言わないことで、周囲から見れば「普通の人」(特別な治療をしていない人)と見られることに、心の逃げ道を用意してあげていたのではないでしょうか。
治療の嫌なことを忘れて、ただ普通にみんなと同じように仕事をして、他愛の無い会話をすることが、あなたにとっての救いだったのではないかと思います。
そんな日々が、同僚の妊娠という出来事でとても揺らぎましたよね。
揺らいで当然のことと思います。
どうか祝えない自分を責めたりなどせず、ご自身を労ってあげてくださいね。
「他人の幸せ」を喜べないのは当然の反応
不妊治療の苦しいところはたくさんありますが、他者の幸せを喜べないことに罪悪感を持ってしまうということが良くあります。
これまで生きてきて、大抵のことは努力で何とかなってきた方が多い中で、不妊治療というのは努力だけでは何とかなるものではない難しさがあります。
人は自分の人生が思い通りにいかないと、とても苦しさを感じます。
不妊治療はまさに、先が見えない不安だったり、どんなに頑張っても結果にすぐ結び付かなかったり、振り出しに戻ったりと、様々な挫折経験を伴います。
そんな中、他の人の妊娠話を聞けば「なんであの人は出来て、私は出来ないの?」と苦しくなるのは当然ですよね。
「今精一杯頑張っているあなた」を労ってほしい
「自分が欲しいもの」を手にしている人を見ると、どうしても比較してしまいますし、不妊治療というものは「努力したら必ず報われる」というものではないからこそ余計に苦しく、悩むものです。
大切なのは、「祝えない自分」を責めるのではなく、「今精一杯頑張っている自分」を労ってあげることです。
「今、私はとても頑張っているんだな。だから、他の人の妊娠に笑顔で応えることはしんどいんだ。」
と自分の心に気付けるだけで、少し楽になるかもしれません。
職場に「伝える・伝えない」。今のあなたにとって居心地が良いのはどっち?
職場という毎日通う場所がストレスの場所になるのは辛いですよね。
これまで、不妊治療のことを話さないことで居心地の良い場所だった職場が、今は不妊治療のことを伝えていないことで、居心地の悪い職場になっていませんか?
不妊治療をしている方の、約半数弱は治療のことを職場に伝えていないという研究結果があります。(※)
不妊治療というデリケートな話、もちろん伝えたくないという気持ちも分かりますが、もしかするとあなたにとって、伝えることで得られるメリットもあるかもしれません。
例えば、
・通院のためのスケジュール調整がしやすくなる
・急な休みに対する対応が柔軟になる
・周囲の心理的な配慮が得られる
などです。
しかし一方で、不妊治療をよく知らない人や、理解のない人、心無い事を言う人もいるかもしれません。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、今後誰にどこまで伝えるのかを考えるのも一つの手段かと思います。
1人で抱え込まないために職場以外にも「心の逃げ道」を
また、職場とは別に、不妊治療について相談できる人を見つけておくことも心の安定に必要かと思います。
パートナーさんや、ご親族、仲の良い友人でも良いですし、不妊治療に詳しい心の専門家などを頼るのも良いかもしれません。
大切なのは、1人で抱え込まないことですよ。
最後に
不妊治療という終わりが見えないもの。
誰だって不安になったり、焦ったりするものです。
様々な感情を抱えるのは、それだけあなたが真剣に治療と向き合っている証なのですから。
あなたのこれからを、ずっと応援しております。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
厚生労働省
▶不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック:https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001073887.pdf
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