夫に「あたりが強くなった」と言われた私の悩み、夫婦間のコミュニケーション改善法は?【お悩み相談室】

更年期
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今回は、夫から「最近あたりが強くなった」と指摘され、自分では冷たくしているつもりはないのにと戸惑っている方からのご相談です。

夫婦間のバランスを保ちながら、冷たさを感じさせずに思いを伝える方法や、イライラとの向き合い方について臨床心理士がお答えします。

はじめまして。先日、夫から「あたりが強くなった」と言われました。自分ではあたりを強くしている意識はなく、どういうことか聞いたところ、最近の私の話し方に威圧感があるというか、常に怒り口調でしんどくなるとのことです。夫が言うには、「ゴミを出してきて」という言い方ひとつとっても昔と違って冷たいらしいです。確かに更年期なのかイライラすることは増えたのですが、夫へはただ事実やして欲しい事を伝えているだけでわざと冷たくしているつもりはありませんでした。お互い年齢を重ねてきたので、夫のことも労わりたい気持ちはあるのですが、優しく伝えようと意識すると「なぜ私が気を遣わないといけないのか?夫がやるべきことをやっていないだけなのに」と反対にムカついてしまい余計に冷たく言い放ってしまいそうになります。夫婦間の良いバランスを保ちながら、お互いを労わる方法や考え方があれば教えていただけないでしょうか?

(60代、女性、ハンドルネーム:おしどり、職種:主婦)


夫婦ともに更年期と向き合う時期。お互いを労わることで夫婦関係をより良くする

おしどりさん、はじめまして。このたびは、お悩みをお寄せいただきありがとうございます。

夫婦間のやりとりについて、「夫から『あたりが強くなった』と言われた」という状況に対し、戸惑いや苛立ち、そして何とか改善したいというお気持ちが伝わってきます。このような感情は、更年期によるホルモンの変化や、長年の生活の中での役割分担や期待のずれが影響していることがよくあります。

さらに、パートナーさん自身も更年期世代に入る年齢である可能性があります。この時期は、身体や心の変化により、相手の言葉や態度に敏感になったり、傷つきやすくなったりすることがあります。こうした背景を踏まえながら、お互いを労わりつつ、夫婦関係をより良くするための具体的なアプローチについてお話しします。

まず、最近のご自身の感情の変化について振り返ってみましょう。「イライラすることが増えた」という気づきはとても重要です。これをただ「悪いこと」と捉えるのではなく、心と体が発しているサインだと考えてみてください

日々の感情をノートやアプリに書き留めてみましょう。何に対してイライラしたのか、その後どう感じたのかを記録することで、自分のパターンや原因を客観的に把握できます

また、更年期のホルモン変化や日常の疲労が背景にある場合、医師や専門家に相談することで適切な対策を取ることができます。例えば、ホルモンバランスを整えるための治療やサプリメント、適度な運動やリラクゼーション法を取り入れるとよいでしょう。

夫婦間のコミュニケーションは言葉だけでなく伝え方やタイミングが重要

夫婦間のコミュニケーションは、言葉の内容だけでなく、伝え方やタイミングが重要です。「ゴミを出してきて」という一言にも、冷たく聞こえる場合と、柔らかく受け取れる場合があります。具体的にはこんな工夫ができるかもしれません。

1.アイ・メッセージというテクニックを使う

「あなたが〇〇していない」「〇〇してよ」という言い方ではなく、「私は〇〇してもらえると助かる」というように、自分の気持ちや希望を主語にして伝えましょう。これにより、相手は批判されていると感じにくくなります

  例:「ゴミを出してほしい」ではなく、「私はゴミを出してもらえると助かるな」と伝える。

2.感謝を添える

何かをお願いする際に、「いつも〇〇してくれてありがとう」といった感謝の言葉を添えることで、相手が協力的になる可能性が高まります。どうしてこんなことで感謝しなきゃいけないの?と思う場面もあるかもしれませんが、意識して繰り返すことで徐々にくせのように「ありがとう」が言えるようになってきます。

3.タイミングを選ぶ

急いでいるときやお互いに疲れているときに話すのではなく、リラックスした時間を選んで伝えると、より効果的です。また、何気ない雑談であっても比較的余裕のある時間にお互いの顔を見て話せると良いですね。

夫婦は人生のチーム。更年期を共に乗り越えるためにはお互いを理解する姿勢が大切

お互い更年期に入り、次の人生のステージが見えてきたこの時期。夫婦生活の中で暗黙の裡に決まっていた家事や日常のタスクについて、「どちらが何をするべきか」を明確にし、改めて確認してみるのも良いかもしれません。「やってくれて当然」と感じると、感謝の気持ちが薄れてしまいます。役割を話し合うことで、不満が減り、お互いが納得できる状況を作れます。

また、月に一度でもよいので、夫婦間のコミュニケーションや家事の分担について振り返りの時間を設けましょう。その際、感謝の言葉や、改善したい点をお互いに伝えるとよいでしょう

夫婦関係を良くするためには、まずご自身が心身ともに健康であることも大切です。 おしどりさんが「私ばかり頑張っている」と感じるとき、それは「もっと自分を大切にして」と心が訴えているサインかもしれません手抜きしてもよい部分を見つけ、全てを完璧にこなそうとするのはやめましょう。ヨガや瞑想、趣味の時間を作るなど、自分自身を癒す時間を意識的に確保してくださいね

カップルのコミュニケーションは、長い時間をかけて築かれるものです一方で、日常の小さな工夫や意識で、大きく改善することもあります。

今回のご相談に対して、すでに「夫を労わりたい」というお気持ちを持っていらっしゃることが、とても素晴らしいと思いました。その気持ちを大切に、少しずつお互いに優しく接する練習をしていくと、良い変化が見えてくるでしょう。

パートナーさん自身も、もしかすると更年期の影響で心が揺れやすい状態にあるかもしれません。そのため、相手の立場や気持ちを理解しようとする姿勢が、お互いをさらに近づける鍵になるでしょう

どうぞ、ご自身を責めすぎずに、お互いを思いやる気持ちを育てていってください。応援しています。

回答者:臨床心理士、がん・生殖医療専門心理士

生理・PMS・更年期・妊娠・出産・女性特有のがんなど、女性の健康課題やライフイベントに関するご相談を専門にしています。セックスレスや性交痛、パートナーとのコミュニケーションなど、性のお悩みについてもカウンセリングを担当しています。女性特有の心と身体の問題、なかなか人には話せないプライベートなお困りがあれば、是非お気軽にご質問ください。


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