子宮筋腫で50代でも続く生理と貧血がつらい…更年期世代の気分をあげる方法は?【お悩み相談室】

更年期
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子宮筋腫と診断され、閉経を待っているものの、生理が続き貧血がひどく、日常生活に支障を感じているというご相談者様。体力の低下や気分の落ち込みもあり、今後の過ごし方に不安を感じているようです。

同世代の方はどのように乗り越えているのか、また、貧血の改善や気持ちを前向きにするための方法について、臨床心理士がアドバイスします。

閉経しなくて貧血がひどく困っています
子宮筋腫と診断されましたが、閉経近い年齢の為、今のところ手術は免れております。なるべく手術はしたくないです。婦人科で薬を飲んだり、お腹に注射をして生理をとめる治療をしましたが、一時的に生理は止まったものの、治療をやめた今では生理もほぼ毎月あり、貧血が治りません。生理がくると日常生活が更にしんどくなります。50代でこんなに色々な事を諦める生活になるとは、若い頃には思いませんでした。
テレビで同世代や、それ以上の年齢の方がお元気に活躍されているのを拝見すると、体力のない自分と比べてしまい、どうしても気分が落ち込んでしまいます。同世代の方は毎日どのように気分を上げているのでしょうか?50代でこの体調の悪さなのに、人生100年時代なんてうんざりしてしまいます。


(50代、女性、ハンドルネーム:satsu6、職種:主婦)


最初に

こんにちは。まずはこのコラムを開いてくださったあなたに、心から「よくここまでがんばってこられましたね」とお伝えしたいです。

貧血で毎日がしんどい。治療をしても一時的で、また生理が戻ってきてしまう。そして、そのたびに心も体もすり減ってしまう。そんな日々をくぐり抜けながらも、「手術は避けたい」「でも、このままではつらい」と、揺れる思いを抱えていらっしゃるのですね。

50代になって、体が思うように動かない。若い頃に想像していた「人生の後半」と、あまりにも違う現実に、ため息がこぼれてしまうこともあるでしょう。

テレビで元気そうな同世代の方を見て、「どうして自分は…」と落ち込んでしまうお気持ちも、とてもよく伝わってきました。でも、誰もがカメラの外では見せない苦労や痛みを抱えているものです。あなたが感じている不調や気分の沈み込みは、決してあなただけのものではありません

病院に通いながら、注射をして、薬を飲みながら、毎日を回している。これって、口で言うよりずっと大変なこと。しかも、それを“当たり前のこと”として淡々と続けているあなたは、本当にすごいと思います。

どうか、これだけのことをやり抜いてきた自分自身を、褒めてあげてくださいね。体がつらいと、心も折れやすくなります。けれど、今日もあなたは諦めずに日常を生きている。そのこと自体が、立派な力なのです。

「今より少しだけラクになる」ことを目指してもいいかもしれません

今あなたが感じている「元気なはずの50代がこんなにしんどいなんて」という思い――それは、まさに“現代の女性のリアルな声”です。

人生100年時代なんて聞くと、先が長すぎて途方もなく感じてしまいますよね。でも、未来の全部を一気にどうにかしようとせず、「明日が、ほんの少しだけラクに過ごせたらそれでいい」と考えることも、実はとても健やかなスタンスです。

例えば、

・「今日は何を食べようか」ではなく「何がラクに食べられるか」でメニューを決める

・「元気を出そう」ではなく「疲れているから静かに過ごそう」と思える自分でいる

・「きちんとしなきゃ」ではなく「手を抜いてもいい」と自分に言える日をつくる

そんな風に、「今の自分」に合った過ごし方を選んでみると、心が少しだけほどけるかもしれません。

不調な自分を責めない「こころの整え方」

体のつらさが続くとき、いちばんしんどくなるのは、「こんな自分じゃダメなんじゃないか」という心の声かもしれません。

不安や落ち込みが出やすいときほど、誰よりも自分に厳しい言葉をかけてしまう――そんな経験、ありませんか?

でも、どんなに疲れていても、家のことや人との関わりは待ってくれません。だからつい、自分の「休みたい」という気持ちにフタをして、がんばりすぎてしまうのです。

そんなときに、ぜひ取り入れてほしい“こころの整え方”があります。

 1. 「今日できたこと」を見つけてあげる

たとえば「洗濯物を取り込んだ」「ごはんを温めた」――

ほんの小さなことでも、“できなかったこと”ではなく、“できたこと”に目を向けてみてください。

それだけで、自分への否定感が少しずつ和らいでいきます。

2. 「ひとりで抱え込まない」練習

誰かに「つらい」と言うのは、弱音ではなく“勇気”です。

愚痴を言える人がいなければ、紙に書いてみるだけでも構いません。

「言葉にする」ことは、自分をケアする第一歩になります。

 3. 「元気に見える他人」と比べない

テレビやSNSに映る“元気そうな同世代”は、人生の一場面にすぎません。

表に出ない部分で、体や心に悩みを抱えている人は、あなたが思っている以上に多いのです。

最後に

あなたは「劣っている」のではなく、「よく見せようと無理していない」だけ。

それは、誠実に人生を生きている証拠です。

あなたはもう、じゅうぶん頑張っています。

今日という1日が、少しでもあなたにとってやさしい日でありますように。

いつでも、あなたの心の味方がここにいます。


<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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