昔はすぐ痩せたのに!更年期ダイエットの壁を感じています【お悩み相談室】

更年期に入ってから体重が落ちにくくなり、むくみやぽっこりお腹が気になるという50代女性からのご相談です。食事や運動にも気をつけているのに成果が出ないことに悩まれているようです。
更年期に体重が落ちにくい原因や更年期ダイエットについて管理栄養士がお答えします。
更年期に入ってから、明らかに痩せにくくなりました。少しずつ太っていき、気づけば標準体重より10キロオーバー。最低でも5キロは落としたいと思っています。健康診断で中性脂肪の値が高めだったのもショックで、日中の甘いお菓子は控えるようにしています。ただ、パンが大好きで、朝のバタートーストだけはやめられません。同年代でスリムな人を見ると、自分のぽっこり下腹やむくみがちの足首が余計に気になります。昔は少し食べる量を減らせばすぐに効果が出たのに、今は食事制限に加えて有酸素運動としてウォーキングもしているのに全然痩せません。同じように更年期を迎えた方たちは、どんな工夫でダイエットしているのか知りたいです。
(50代、女性、ハンドルネーム:パン好きみーこ、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
ご相談いただきありがとうございます。
更年期を迎えてから体重が落ちにくくなったという悩みは、非常に多くの女性に共通するものです。
ダイエットの考え方と、実際に更年期世代の方が成功している工夫をお伝えさせていただきます。
更年期太りのメカニズムと注意点
更年期に体重が増えやすくなるのは、単なる「年齢のせい」ではなく、女性ホルモン(エストロゲン)減少による代謝の変化が大きく関係しています。
エストロゲンには脂肪の蓄積を抑えたり、筋肉量を維持したりする働きがありますが、減少すると次のような影響が出ます。
・基礎代謝が低下し、今までと同じ食事量でも太りやすくなる
・内臓脂肪型肥満(ぽっこりお腹)になりやすい
・血中の中性脂肪やLDLコレステロールが上昇
・むくみや冷えが起こりやすい
これらのことからも、痩せにくいと思われる方が増えるかもしれません。
更年期女性のダイエットで注意が必要な内容として、
・食事を大幅に減らしてしまう
・炭水化物を極端に抜く
・毎日ウォーキングだけしている
という方法です。
これらは一時的に体重が落ちたとしても、筋肉量が落ち、代謝がさらに下がるという悪循環を招くことがあります。
また、無理な制限はストレスを生み、ドカ食いやリバウンドの原因にもなります。
更年期女性が意識したいダイエット習慣
更年期女性が意識したいポイントを3つ挙げさせていただきます。
① 「代謝を上げる栄養素」を意識する
・たんぱく質:筋肉を守るために不可欠。1日50〜60gを目安に。
・鉄・マグネシウム・ビタミンB群:代謝をサポート。特に貧血ぎみの方は鉄を意識。
・発酵食品・食物繊維:腸内環境を整え、脂肪蓄積を防ぐ。
② 「食べて痩せる」スタイルに切り替える
朝トーストの方も、パンを変えるだけでも効果大です。
例えば、
・全粒粉やライ麦パン+アボカドや卵のトッピング
・甘くないピーナッツバター+シナモン+ナッツ
・バターの量を控えて、オリーブオイルや発酵バターにする
我慢しすぎず「満足感があり、血糖値が急上昇しない組み合わせ」がポイントとなります。
③ ウォーキング+簡単な筋トレで基礎代謝を維持
更年期以降は、筋肉量が落ちやすいため、ウォーキングだけでは不十分なこともあります。1日5〜10分の「スクワット」「かかと上げ」「腹式呼吸」など、簡単な筋トレを日常に取り入れるだけで、代謝が変わってきます。
その他工夫できることとしては以下のようなものです。
・甘いものが欲しい時はドライフルーツ+ナッツや、70%以上の高カカオチョコを選択
・湯船に浸かって、むくみケアとリラックスする時間を確保
最後に
更年期は「老化の始まり」ではなく、「これからの体を整えるタイミング」です。数字だけを追うのではなく、「疲れにくくなった」「むくみが減った」「肌が明るくなった」といった小さな変化を大切にしてください。
無理なく続けられる、あなたに合ったスタイルを見つけることが、リバウンドしない・美しく健康なダイエット成功の鍵となります。
<参考文献・出典>
「厚生労働省事業」ヘルスケアラボ 東京大学産婦人科学講座監修
▶更年期に多い症状と病気:https://w-health.jp/climacterium_trouble/
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