年齢のせい?男性更年期かも?眠りが浅く疲れやすさに悩んでいます【お悩み相談室】
今回は「眠りが浅くなり、日中も疲れやすくなった」という40代男性からのご相談です。
年齢のせいか、更年期なのか、それとも別の要因なのか…。誰に相談していいのか分からないとのこと。
眠りと疲労感にどう向き合えばよいのか、受診のポイントも含めて助産師が解説します。
ここ最近、眠りが浅くなってきました。年齢的にも仕方ないと思いつつ、疲れやすさもあり、正直、身体の面でもこれまでと違うなと感じる部分があります。
とはいえ、こういうことって仕事仲間にも家族にも話しづらく、誰にどう相談すればいいのか分かりません。
男性更年期という言葉は耳にしたことがありますが、自分に当てはまるのかも判断できず、病院に行くのもためらっています。
同じような経験をしている男性はいると思うんですが、みんなどうしてるんでしょうか。
自分ひとりじゃないと思いたくて、少し勇気を出して投稿しました。
(40代、男性、ハンドルネーム:勇気120%、職種:営業)
最初に
最近、眠りが浅くなってきて、朝起きてもすっきりしないのですね。
日中も疲れやすくなり、「これまでと違うな」と感じ、年齢的に仕方がないのかもしれないと思いながらも、不安が残っている状態とのこと。
心配かけるほどのことでもないと思うと、周りに相談もすることができず、ましてや病院に行くことにもためらいがあって、今まさに、どうしたらよいのか分からないという状況で、勇気を出して声をあげてくださったのかと思います。
体調の変化を感じても「年のせいかな」と片付けてしまいがちですが、内心では「これって大丈夫なんだろうか」と不安を抱える方は多いものです。
まずは不安を言葉にしただけでも、とても大きな一歩だったかと思います。
男性更年期?それとも生活習慣?まず知ることから
あなたが望んでいるのは、夜しっかり眠れるようになって、朝に「休めた」と感じられること。
そして日中に疲れを引きずらず過ごせることではないでしょうか。
そうした状態を目指すためには、「年齢のせい」だけに原因を求めるのではなく、幅広い視点を持ってみることがいいかもしれません。
たとえば、
睡眠自体の質に関わる生活習慣やストレスの影響もあれば、
ホルモンの変化が影響することもありますし、
睡眠時無呼吸症候群のような医学的な要因が隠れている場合もあります。
だからこそ、
「自分はどの可能性が近いのか」を知ることが、まずは大切になってくるかと思います。
そして、受診のハードルを下げる工夫もあります。
「男性更年期外来」だけが相談先ではなく、内科や睡眠外来なども入り口になりますし、症状の経過をメモして持っていけば、よりスムーズに相談ができるかと思いますよ。
男性更年期と呼ばれるLOH症候群とは
男性の体は40代以降から少しずつテストステロンというホルモンが減っていきます。
その影響で、疲れやすさや意欲の低下、睡眠の質の悪化などが現れることがあり、医学的には「加齢性腺機能低下症(LOH症候群)」と呼ばれています(※1)。
ただし全ての方がそうなるわけではなく、似た症状が別の理由で起きていることも少なくありません。
だからこそ、「ホルモンだけの問題」と決めつけず、他の病気や要因も一緒に調べることが大切です。
睡眠の質を上げるために今日からできること
眠りが浅い背景には、生活リズムや環境も大きく関わります。
就寝前のスマートフォン使用を減らすこと、
寝室を暗く静かに整えること、
毎日同じ時間に寝起きすることは、効果が期待できる習慣です。
寝る前にストレッチや深呼吸を取り入れるのも、心身をリラックスさせる助けになります。
受診を検討するポイント
一方で、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺の病気など、検査が必要になる場合もあります。
もし日中の強い眠気や、いびき・呼吸停止の指摘があれば、専門的な診断を受けることを強くおすすめします。
受診を考えるときは、まず一般内科で血液検査をしてもらうのもよい方法です。
そこでホルモンや甲状腺の値を測ったり、必要に応じて睡眠検査につないでもらったりします。
診断がつけば、生活習慣の見直し、必要に応じた薬物治療やホルモン補充療法など、いくつかの選択肢が見えてきます。
最後に
眠りや疲労感の問題は「ちょっとしたこと」と思いがちですが、放っておくと心身のバランスに長く影響します。
だからこそ、小さな不安のうちに相談してみることが、生活を取り戻す近道になりますよ。
ぜひ、検討されてみてくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
一般社団法人 日本内分泌学会
▶男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群):https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=71※1
神奈川県公式サイト
▶「男性の更年期障害」:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/menopause2025.html
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