更年期に入ってから下痢が続く…原因と対策は？【お悩み相談室】

更年期に入ってからお腹の調子が安定せず、外出や運動にも不安を感じているという50代女性からのご相談です。
緊張したり出かける前に急にお腹がゴロゴロしてしまうこともあり、生活に支障を感じているとのこと。

今回は、更年期に起こる腸のトラブルと、無理なくできる対策について看護師がアドバイスします。

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最初に

麦茶の午後さん　ご相談ありがとうございます。

更年期に入ったあたりから、お腹の調子が安定せず、外出することにも不安を感じておられるのですね。

胃腸に良いように、と食事にも気を付けておられるようですが、それでも体調や天候に関係なく下痢になる時があるとのこと。
思うように行動できず、気分転換も難しい様子がわかりました。

今回は、更年期による消化器症状と、それ以外の消化器症状の原因についてお伝えし、麦茶の午後さんがどんな対策ができるか考えるきっかけになれば幸いです。

更年期障害の原因と症状を改めて整理

更年期障害の主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していくことと考えられています。
それに加え、加齢による身体の変化や、精神的・心理的な要因、家庭や職場などでの立場など社会的要因など様々な要因が影響し、更年期障害を発症すると言われています。

更年期症状として、ホットフラッシュやイライラ、情緒不安定などはよく知られていますが、
実はそれ以外にも疲れやすさや肩こり・腰痛・関節痛などの運動・神経系症状や、
皮膚や粘膜のうるおい低下・乾燥などの皮膚・分泌系の症状、
吐き気や下痢・便秘、胃部不快感などの消化器系症状、
性交痛や膣炎、頻尿、尿道炎など泌尿器・生殖器症状など様々な症状があり、
どの症状がどの程度あらわれるのかは個人によって差があります。

自律神経の乱れが腸に与える影響とは

現在、麦茶の午後さんは、この一つと考えられる下痢で悩まれていますが、
エストロゲンの急激な分泌減少に伴い、自律神経のバランスが乱れると、
消化器系の機能が低下し、吐き気や下痢などの症状があらわれます。

そのため、この不調への対処としては、

自律神経のバランスを整えるために、
基本的には規則正しい生活とバランスのとれた食事、
適度な運動と質の良い睡眠が効果的と考えられます。

すでに食事についてはご自身で考え対応されていることから、
栄養バランスを考えながら継続して取り組んでいただければと思います。


気になるのは「特に緊張したり、外出前になると急にお腹がゴロゴロしてきて」と
精神的ストレスがかかると胃腸の調子が乱れやすいという部分です。

こちらについては、麦茶の午後さんが、
どのような時に緊張したり、お腹がゴロゴロとしているのか、振り返ってみてください。

そして、そのような場面が避けられるのか、負担を軽減する方法はないのかを考えてみましょう。

また、そのような場面ではご自身に負担がかかっていることを理解し、
その後はゆったりと過ごしたり、ご自分が楽しいと思えることをやったり、
ご自身を労わってあげてください。

ぬるめのお湯にゆったりと浸かることは、心身を休ませる働きのある副交感神経を優位にさせる簡単な方法なのでお勧めですよ。

早めの消化器内科受診も選択肢に

ただ、慢性的な下痢という症状は、更年期症状以外にも過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎、クローン病など炎症性腸疾患、感染症や極度のストレスなどが原因の場合もあります。

麦茶の午後さんは、既に日常生活の中で外に出ることが不安になるなど支障をきたしている状況ですので、消化器内科を受診して症状について相談された方が良いかと思います。

最後に

悩まれている下痢が更年期症状としてのものであれば、
先ほどお伝えしたように、規則正しい生活や質の良い睡眠を心がけていただき、ご自身を労わる時間、楽しめる時間を積極的にとってみてください。

また、何らかの疾患が原因によるものであれば、その原因に合わせた対応・対処について、
担当医師から説明されると思いますので、無理せず可能な範囲でその対処を取り入れていただければと思います。

麦茶の午後さんのお腹の調子が改善され、以前のように外出や運動を楽しめるようになることを願っています。

＜参考文献・出典＞

公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について：https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/

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