「最近しんどそうな上司…」男性の更年期っていつからいつまで？【お悩み相談室】

50代の上司が最近しんどそうで、「もしかして更年期？」と耳にしたという30代男性からのご相談です。
自分もそろそろ年齢的に不安を感じているとのこと。

今回は、男性更年期（LOH症候群）がいつから始まり、どんな症状が出るのか、そしてどう付き合っていけばいいのかについて、臨床心理士がわかりやすく解説します。

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最初に

uiuiさん、観察力が鋭いですね。
上司のちょっとした変化を「心配」と感じられるというのは、それだけ職場の人間関係を大切にしている証拠だと思います。

そして、「もしかして男性の更年期？」というワードを耳にして、自分にも起きるかもしれないと感じた――まさに、“気づき力”が高い方だと思いました。

更年期と聞くと、「女性の話でしょ？」と思う人がまだまだ多いのですが、実は男性にもちゃんとあります。しかも、誰にでも。

女性では“閉経”が近づくとホルモンが急に減るのに対し、男性は“ゆっくりじわじわ”下がるのが特徴です。
気づかないうちに、ちょっとずつ。
そしてある時「あれ？おかしいぞ？」と感じるのです。

男性更年期の始まり方

男性の更年期（正式にはLOH症候群＝加齢男性・性腺機能低下症候群）は、一般的に40代半ば〜50代にかけて始まる人が多いです。

ただし「明日から更年期スタートです！」というアラームは鳴りません。
人によっては30代後半から「ん？疲れやすい」「前ほどワクワクしない」「何かにムカッとしやすい」といったサインが少しずつ出てくることも。

主な症状をざっくりまとめると――

・心の症状：イライラ、気分の落ち込み、やる気の低下、集中力が続かない

・体の症状：発汗、疲れやすさ、肩こり、睡眠の質の低下、性欲の低下

・社会的影響：人間関係のトラブル、仕事のパフォーマンス低下

「こうやって並べると、まるで現代社会そのものじゃないか！」と思う方もいるかもしれませんが、違うのは“原因がホルモンの減少にある”という点です。

つまり、根性でなんとかする話ではなく、体の仕組みの問題。
頑張りすぎた人ほど、症状が出やすい傾向にあります。
上司がしんどそうに見えるのも、「仕事を抱え込みすぎた優しさの代償」かもしれませんね。

男性更年期はペース配分を変える“調整期”

では、どれくらい続くのか？

これも個人差があり、2〜5年ほどで落ち着く人もいれば、長く付き合う人もいます。
「長いマラソンの途中で、ペース配分を変える時期」と考えるとイメージしやすいかもしれません。


男性の更年期をやり過ごすコツは3つあります。

①生活習慣を整える

睡眠・食事・運動。この三本柱は、もはや古典的ですが、侮れません。
特に筋トレはテストステロンの分泌を刺激します。
プロテインよりも“自分の足で階段を上ること”の方が、よほど効きます。

②ストレスをためない

責任感の強い人ほど「まだ頑張れる」と自分をだましがち。
むしろ「今日はもう無理っす」と素直に休める人が回復も早いです。
上司がミスをしていたら、「お互い年季が入ってきましたね〜」と笑い合うくらいの空気があれば最高。

③専門医に相談する

もし症状が強くなってきたら、「泌尿器科」や「男性更年期外来」へ。
ホルモン値を調べ、必要に応じて治療を受けることができます。
病院に行くのは“気合が足りない”からではなく、“賢いメンテナンス”です。

最後に

男性更年期は、誰にでも起きる体の自然な変化です。

体にもリフレッシュのタイミングが必要です。
上司の姿を通して、自分の未来を早めに整える――それはとても賢い選択です。

どうかuiuiさんも、自分のメンテナンスが上手な40代を目指して、まずは生活の見直しから始めてみてください。

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