更年期障害がつらいのは「ダメ人間」だから?うつ症状や家族の悩みが重なる時期の心の守り方【お悩み相談室】
今回は、40代後半で更年期障害と向き合いながら、持病の治療や家族の変化(お子さんの結婚・進学)、将来の介護不安を抱える女性からのご相談です。
「更年期が重いのは自分がダメだから?」という深い自己否定感に寄り添い、症状の重さと人間性の関係について誤解を解きながら、山積みの課題に優先順位をつけ、自分を守るための立ち回り方を公認心理師がアドバイスします。
更年期障害が辛いです。49才 、生理はまだあります。もともと生理痛があるのとPMSも強いです。あと、II型双極性障害があり10数年治療してます。
環境は子供2人(24才・高3)上の子は県外で何とか働いてますが、お金に不安があります。最近、彼女が妊娠してしまい急遽結婚をする予定です。下はこの春県外へ進学し、まだまだお金がかかります。
夫は理解がありますが、県外に高齢の親がいるのでいずれ近いうちには何らか介護の影響がでると思います。私も県外に父一人で、女きょうだいだけなので不安です。
そんな中、義母は義父と離婚していて親の遺産で悠々自適。腹立たしいです。
更年期の記事を見てると、更年期障害の強い人はダメ人間みたいに感じます。
軽い人や無い人は人間ができてるみたいな‥やっぱりそうなんでしょうか?
(50代、女性、ハンドルネーム:ミスレモン、職種:医療・介護・福祉)
目次
最初に
ミスレモンさん、ご相談ありがとうございます。
読みながら、これはしんどい状況だと率直に感じました。
ミスレモンさんは、更年期の揺らぎに加えて、II型双極性障害の治療を続けながら、子どもたちの進学や結婚、経済的な不安、双方の親のことまで気にかけておられますね。
今のミスレモンさんは、人生の“課題詰め合わせセット”のような状態です。
しかもボリューム多め。おかわり不要です、と言いたくなるくらいです。
そんな中でしんどいと感じるのは、ごく自然なことです。
むしろ、それだけの状況で日々を回していること自体が、かなり頑張られていると思いますよ。
更年期がつらいのは「ダメ人間」だから、ではない
「更年期がつらい人はダメ人間なのでは」という感覚。
これはとても多くの方が抱くものですが、はっきりお伝えします。
それはまったく違います。
つらさの強さは「人間性」ではなく、「負荷の総量」と「体の状態」で決まります。
ミスレモンさんは今、明らかに“負荷が大きい時期”にいます。
更年期の症状は、ホルモンの変化だけでなく、ストレスや生活環境、もともとの体調などが重なって現れます。
つまり、「軽い人=強い人」「重い人=弱い人」ではありません。
例えるなら、同じ雨でも、屋根のある人と外に立っている人では感じ方が違う、ということです。
ミスレモンさんは今、いくつもの雨に同時に打たれている状態です。
パートナーへの「具体的な」SOS。気遣い合う関係から、役割を分担する“チーム”へ
ここで大切なのは、一人で全部抱えないことです。
まず、パートナーさんとの連携です。
すでに理解のある方とのことですが、「大丈夫?」と気遣われるだけでなく、「具体的に何を分担するか」まで一歩踏み込めると、負担はぐっと軽くなります。
たとえば、
・お金の見通しはパートナーさんと一緒に整理する
・親のことは「今考えること/まだ考えなくていいこと」を分ける
・家事や役割を“期間限定で軽くする”
「助けて」と言うのは勇気がいりますが、夫婦というチームの機能を高めるために重要な行動です。
困り切る前に使って欲しい支援資源とは
そしてもう一つ、外の力を借りるという視点も大切です。
支援資源は、「困りきってから使うもの」と思われがちですが、本来は“困りきる前に使うもの”です。
たとえば、
・地域の包括支援センター(親の介護についての相談窓口)
・自治体の女性相談やこころの相談窓口
・医療機関での更年期外来やメンタル相談
・家計相談やファイナンシャルプランナー
これらは特別な人が行く場所ではなく、生活を整えるために活用できる道具です。
また、すでに治療中とのことですので、主治医に「更年期の影響」や「生活の負荷」を具体的に共有することも大切です。
薬の調整だけでなく、生活全体の見立てを一緒にしてもらえることがあります。
優先順位をつけて「今やること」を絞ってみる
そして、忘れてほしくないことが一つあります。
それは、全部を同時に解決しなくていいということ。
子どものこと、親のこと、お金のこと——どれも大事ですが、優先順位をつけて“今やることを絞る”ことが、結果的にご自身の心を守ります。
義母への怒りも、とても自然な感情だと感じました。
ただ、その怒りを抱え続けると消耗してしまうので、「私は今、腹が立っているな」と一歩引いて眺めるだけでも十分な対処法です。
最後に
更年期は、“何かができなくなる時期”ではなく、“これからの生き方を調整する時期”。
全部を一人で背負わなくて大丈夫です。
パートナーさんと、そして社会の仕組みも少し使いながら、ミスレモンさんが抱えている荷物を、少し肩からおろしてあげてくださいね。
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