PMSと貧血で育児も限界…産後の生理と向き合う方法【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、産後の生理が再開し産前よりも症状がつらく、初めての育児と再開したつらい生理に心が追いつかず何もかもうまくいかない、というお悩みを抱えた30代女性からの相談です。仕事復帰にあたり、改善方法やいい付き合い方が知りたいとお考えのようです。

生理を軽くするヒントや、より良い付き合い方について助産師がお答えします。

産後、生理が再開したのですが産前よりかなり重くなってしまいました今までなかったPMSも出てきてしまい、出血量も倍くらい増えて貧血で立ってることがやっとです…育児もままならず、子どもにも申し訳ないなと思いつめてしまいます。初めての育児と再開した重い生理に心がついていかず、何もかもうまくいきません。夫が私の体調に合わせて在宅ワークに切り替えてくれることもありますが、その優しさに甘えている自分が情けないです。あと数か月で仕事に復帰することを考えると、今のうちに生理を軽くしたり、生理と上手に付き合う方法があれば実践したいなと思っています。何かいい方法があれば教えてください。

(30代、女性、ハンドルネーム:かすみ草、職種:事務・オフィスワーク)


甘えではなく協力し合っていると捉えて休むことも大切

ご質問ありがとうございます。 

月経量が多く、貧血症状もでているとのこと。おそらく過多月経と思われます。 

過多月経は生理の出血が異常に多い状態です。 

貧血で体調がすぐれない中でも、初めての育児に奮闘されておられる様子が想像できました。初めての育児というだけでも不安やストレス、疲れもありますが、それに加えて、立っているのもやっとなほどの体調だと、ご自身のやりたい気持ちに対して、心身が追い付かないのも当然だと思います。体調がすぐれないと、それだけで気持ちも前向きにはなりにくいと思います。 

まずは、ご主人に「甘えている」のではなく、「協力し合っている」と捉えて、しんどい時はゆっくり休みましょう。ご自分を情けないなどとは思わないでくださいね。 また数か月後から仕事復帰されるとのこと。今よりもハードになることが予想されますので、今のうちから体調を整えられるよう病院受診を検討いただければと思います

過多月経の原因

過多月経の原因としては大きくわけて3つあります。 

1.器質性疾患 

子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの良性疾患や、子宮頸がん、子宮体癌など悪性疾患があり、子宮の形や大きさなどの異常に関係する病気を器質性疾患といいます。こちらは30代以降で増える傾向があり、内診・超音波検査・子宮鏡検査・子宮がん検診などで診断されます。 

  

2.機能性疾患 

黄体機能不全などのホルモン分泌の異常によるもので、10~20歳代や閉経前の40歳代など、ホルモンバランスが乱れやすい年代にみられることが多いです。 

3.内科的疾患 

出血が止まりにくくなる血液疾患の場合は、過多月経につながる可能性があります。 

過多月経をそのままにしておくと、貧血が進み、突然倒れたり、大量出血が起こる可能性があります病院受診のタイミングが遅れると、不調では収まらず命の危険にかかわる場合もあります。 

発生頻度は低くても、がんや血液疾患が隠れている可能性もあり、早めに産婦人科を受診され、原因に応じた治療を受けられることをお勧めします。 

ご自身の希望を伝えて、ご自身に合った治療を

過多月経の治療には、良性の器質性疾患や機能性疾患の場合は、内服のホルモン剤や注射剤、子宮内に留置することで持続的に女性ホルモンを分泌する子宮内プロゲステロン放出システム(LNG-IUS)という装置の挿入などがありますが、がんや血液疾患などが過多月経の原因となっている場合には、その疾患に合わせた治療をおこないます。 

 現在のご自身の状況や今後の妊娠希望などにより、どのような治療が選択肢となるかは異なりますので、ご自身の希望を伝えた上で、ご自身にあった治療を主治医の先生とご相談ください。 

生理とうまく付き合える方法を見つける

ご自身の体調が優れない中でも、仕事復帰に向けて生理とうまく付き合う方法はないか、と検討されていることは、とても素晴らしいな、と感じました。初めての育児をされる中で、どうしてもご自身よりもお子さまを優先してしまいがちな部分もあると思いますが、お母さんが元気で過ごすことがお子さまにとっても何よりの安心につながると思います。

まずは、貧血症状の改善に向けて、産婦人科でご相談いただき、今よりも生理とうまく付き合える方法が見つかるよう応援しています


 ただ、とても頑張り屋さんだと思うので、ご主人の協力を得ながら、ご自身がゆっくり休む、労わることも忘れないでくださいね。


回答者:助産師

小児科・産婦人科・泌尿器科での勤務経験から、生理やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、頻尿や尿漏れ、臓器脱など、その症状がご自分では問題があるものなのか判断し難い、また人に相談しにくいお悩みについて、あなたがどんなことで悩まれ、どうなりたいのかをしっかりとお聞きして、一緒に考えていきます。とても痛い、しんどい、とまでいかなくても、毎月もしくは毎日の『気になる』を緩和する方法を見つけ出せたらと思います。過去に生理やナプキンに関する調査研究をしており、皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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