生理が来なくて不安…早く来させる方法は?【お悩み相談室】

今回は、規則正しく生理がきていたのに、ここ数カ月予定通りに来なくて不安を抱えていらっしゃる20代女性からのご相談です。生理がきそうで来ない感じが続いていて、いつ生理がくるか心配されています。
生理がくるタイミングについて助産師がお答えします。
いつもは28日周期で生理が来ていたんですが、ここ3カ月くらいは2週間~1カ月くらい遅れています。来週、大好きなアーティストのライブがありそのために半年前からダイエットをしていたのが原因かもしれないと思い、ここ2カ月はダイエットを控えています。これまでの生理は規則正しく来ていたので心配なく予定を立てられていたのに…今月の生理も今週来る予定だったので来週のライブにかぶらない予定でしたが、このまま来なくてライブに被ってしまったら全力で楽しめるか不安です。下腹部にズンとした痛みが少しあったり、ニキビができたりしていていて生理が来そうな症状はあるのになんで生理が来ないんでしょうか。生理がきそうで来ない感じが1週間も続いていて、いつ生理がくるのかもどかしいです。早く生理を来させる方法はありますか。
(20代、女性、ハンドルネーム:豆苗、職種:IT・エンジニア)
ホルモン剤で生理を早めたり遅くしたりすることができる
ご相談いただき、ありがとうございます。
下腹部の痛みやニキビができたりと生理前の症状があるのに、生理が来そうで来ない感じが続いているのですね。
月経周期(生理初日から次の生理がくる前日までの日数)の乱れには、ダイエットを含め、様々な影響が考えられますが、月経周期の変化からダイエットが原因かもと思われ、現在は控えている、ということで安心しました。
もし、ダイエットが月経周期の乱れの原因となっていたのなら、ダイエットを控えられたことで、現在の月経周期がのびている状態にとどまったのだろうと思いますが、もし、そのまま更にダイエットを続け、体重・体脂肪が減り続けていたら、さらに排卵が難しくなっていたかもしれません。
排卵が起こっていて、かつ黄体機能不全など排卵後の状態に問題がない正常な場合、排卵後から生理がくるまでの期間は14日程度です。そのため、月経周期が長くなる場合は、28日周期の頃と比べ、排卵までに時間がかかっていると考えられます。
(卵子を包んでいる卵胞は、排卵後に黄体に変化し、その黄体から黄体ホルモンが分泌されます。この黄体ホルモンには、妊娠に向けて子宮内膜を整え、維持する働きがありますが、排卵がスムーズに起こらなかった場合やホルモンバランスの乱れ、卵巣機能の低下や病気・お薬など何らかの影響により、この黄体ホルモンが正常に分泌されない場合を、黄体機能不全とよびます)
下腹部痛やニキビなど排卵後から生理前にかけての症状が出始めてから、現在はどれくらい経っているかを数えてみて、14日近くになっていたら、そろそろ生理がくるかもしれません。
産婦人科では、経腟超音波検査で卵巣や子宮の状態を確認し、排卵前なのか、排卵後なのかといった月経周期のどのあたりなのかを推測することができます。そして、その状況と、生理を被らないようにしたい日程とを考慮して、ホルモン剤によって、生理を早めたり、遅らせたり、望ましい方法を選択できるよう相談することが可能です。
待ちに待った来週のライブをしっかりと楽しむために、生理を早める方が良いのか、遅らせる方が良いのか、今のご自身の状況に合わせた方法が選べるよう、産婦人科でご相談いただければと思います。
そして、ライブを楽しんだ後は、生理がまた28日周期に戻るように、4か月前頃と現在との違いを心と身体の面から振り返ってみていただきたいです。
体重・体脂肪率の変化と生理の関係
まず、体重・体脂肪率の変化と生理の関係です。
短期間で急激に体重を減らしたり、ダイエット目的で極端に食事量を減らしたり、バランスの偏った食事にすると、一時的な栄養失調の状態になります。命を守るために、脳の視床下部が働きを調整し、女性ホルモンが正常に分泌されなくなります。そのため、ホルモンバランスが崩れ、月経周期も乱れてしまいます。
逆に太り過ぎると、皮下脂肪から女性ホルモンが分泌され、卵巣機能が弱まり、月経不順になると考えられています。
このように女性は、月経・排卵の観点から、その方にとって最適な体重・体脂肪のバランスがあります。恐らく、ご自身にとっては、毎月定期的に生理が来ていた頃の体重・体脂肪率が、月経周期としてはバランスが良いのだと思います。
月経周期の乱れにはさまざまな影響がある
しかし、最初にお伝えしたように、月経周期の乱れには、ダイエットによる体重・体脂肪率の変化以外にも、環境の変化やストレス、そして他の病気が隠れていることもあります。
というのも、脳の視床下部ー下垂体ー卵巣ー子宮の全てがバランスよく調節・働くことで、女性は正常な月経周期になります。
この調節は、脳から卵巣ー子宮へと下へ向かう一方向だけでなく、卵巣で分泌された女性ホルモンのエストロゲンは、脳の視床下部・下垂体へ作用し、ホルモンの分泌を調節します。
そのため、脳の視床下部・下垂体・卵巣・子宮のそれぞれが、お互いに影響しながら、調節を行っているため、どの部分で問題が生じても、月経に影響を及ぼす可能性があります。
まずは今のご自身の状態を産婦人科の診察によって確認された上で、これを機に、ご自身にとっての最適なバランスを考え、必要に応じて改善策を考えていただければ嬉しいです。
大好きなアーティストに会うために努力されたと思います。思いっきりライブが楽しめますように!
回答者:助産師
小児科・産婦人科・泌尿器科での勤務経験から、生理やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、頻尿や尿漏れ、臓器脱など、その症状がご自分では問題があるものなのか判断し難い、また人に相談しにくいお悩みについて、あなたがどんなことで悩まれ、どうなりたいのかをしっかりとお聞きして、一緒に考えていきます。とても痛い、しんどい、とまでいかなくても、毎月もしくは毎日の『気になる』を緩和する方法を見つけ出せたらと思います。過去に生理やナプキンに関する調査研究をしており、皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。
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