生理中の体重増加と心の浮き沈みがつらい【お悩み相談室】

今回は、生理中に体重が増え、気持ちが落ち込みやすくなることに悩む20代の女性からのご相談です。便秘や食欲のコントロールが難しく、「自分が自分でないように感じてしまう」といった思いにもつながっているようです。
毎月続く生理不調とどう向き合えばよいのか、心と体をいたわる具体的な対策について看護師がお伝えします。
生理中に2kgも太ってしまって、正直めちゃくちゃ落ち込んでます…。たぶん暴食と便秘のせいだと思うんですが、水もちゃんと飲んでるのに便秘はひどいし、お腹すいてないのに口が寂しくて食べちゃうし、自分でも嫌になります。生理が終われば戻るってよく言うし実際に生理が終わって数日で体重も戻るんです、でもその間の体重とか気持ちの浮き沈みがつらすぎて…。生理中は自分が自分じゃないみたいに泣いてしまうしイライラしちゃうし、やたら食べるし…もうどうしたらいいのか分かりません。まだ20代だからあと20年程生理と付き合っていかなきゃいけないという絶望感もあって…同じような経験をされている方はいるのでしょうか。どう乗り越えていけばいいのかアドバイスお願いします。
(20代、女性、ハンドルネーム:どら焼き、職種:教育・保育・カルチャー)
目次
最初に
生理中に体重が増えると、気分が沈んでしまう方は多いものです。
便秘や「なんとなく食べてしまう」ことも重なり、自分に対して嫌な気持ちを抱いてしまうこともあるでしょう。
生理が終われば戻ると分かっていても、心の浮き沈みやイライラ、涙もろさを感じると、「自分が自分でないように思える」と悩まれる方も少なくありません。
「この状態が毎月続くのか」と考えると、不安を抱いてしまうのも自然なことです。
でも、同じような思いをしている方はたくさんいて、自分に合った対処法を見つけながら、少しずつ楽になっている方もいます。
こうして気持ちを言葉にされたこと、それがとても大切な一歩なのです。
生理中の「少し気持ちが楽になる」ために大切なこと
生理中の不調に対して、「こうなれたらいいかも」と思えるイメージを持ってみるのは一つの助けになります。
たとえば、以下のような対策があります
- 体重が増えても“今はそういう時期”と受け流すこと:一時的な変化だと理解することで、自分を責める気持ちが和らぎます。
- 食べたくなったときに“安心できる選択肢”を用意すること:ナッツや温かい飲み物など、あらかじめ準備しておくと安心感につながります。
- 体調の変化に対応できるちょっとした工夫を知っておくこと:体を温めたり、生活リズムを整えたりすることで心身の負担を軽減できます。
このような対策を持っていると、心や体がきつくなる前に気づき、早めに対応することができるようになります。
少しずつ「自分にとっての心地よさ」を見つけていけるといいですね。
生理不調と上手に付き合うための工夫
1. 体重変動とむくみについて
生理前後には女性ホルモンの変動により、体内に水分をため込みやすくなります。
特にプロゲステロンの分泌が増えると、腸の動きが鈍くなったり、体内のナトリウムが保持されやすくなったりして、むくみや体重の増加につながることがあります※1。
■ 日常生活でできるむくみ対策
- 塩分を控える:加工食品や外食、スナック菓子などの摂取を控えめにする
- カリウムを多く含む食品(バナナ、アボカド、きゅうり、豆類など)を意識的に摂取する
- 軽いストレッチやウォーキングで血流を促進する
- 足のむくみが気になるときは、着圧ソックスの活用や足を高くして休むのも有効的
- ぬるめのお風呂に15〜20分ゆっくり浸かる
こうした対策を取り入れることで、むくみによる不快感や体重変化に対する不安を少し軽減できる可能性があります。
2. 心のゆらぎと栄養
生理前の時期にイライラや不安感が強まる背景には、ホルモンバランスの変化だけでなく、ビタミンやミネラルの不足も関係するといわれています。
■ 情緒の安定を助ける栄養素
- ビタミンB6:セロトニンやドーパミンなど、気分を調整する神経伝達物質の生成を助けます(バナナ、まぐろ、鶏むね肉など)
- マグネシウム:神経の興奮を抑え、筋肉の緊張やストレス反応を和らげる働きがあります(アーモンド、納豆、ひじきなど)※2
また、鉄分が不足していると疲れやすさや抑うつ感につながることもあります。
女性は月経によって鉄を失いやすいため、レバーや赤身の肉、ほうれん草なども意識的に取り入れてみましょう。
3. 生理との付き合い方の工夫
生理を「毎月やってくる不快な出来事」としてではなく、「自分の体のリズムの一部」として見つめ直すことも、心の安定に繋がることがあります。
- 生理前後の自分の傾向(体重、気分、睡眠、食欲など)を記録してみる
- 体調に合わせて無理をしない予定の立て方を意識する
- 「今日は休む日」と割り切って、自分にやさしくする日をつくる
- 不調が強いときは、低用量ピルや漢方など医療機関での相談も検討する
自分の状態を把握し、少しでも快適に過ごす方法を見つけていくことが、生理と長く付き合っていくための大切なステップです。
最後に
毎月訪れる生理の時期を、少しでも穏やかに、自分らしく過ごすために。
小さな工夫や理解が、少しずつ心と体の安心につながっていきます。
どうかご自身のペースを大切にしながら、無理なくできることから取り組んでみてください。
少しでも心地よく毎日を過ごせますように応援しています。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
中外医学社
▶月経前症候群の診断と治療は?:https://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse1225.pdf※1
大塚製薬
▶ビタミンB6について:https://www.otsuka.co.jp/college/nutrients/vitamin-b6.html※2
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