生理イライラで暴言を吐いてしまう…PMS期の彼との向き合い方は?【お悩み相談室】

生理・PMS
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生理前になると感情が不安定になってしまい、彼に強く言い返してしまったという20代女性からのご相談です。
すぐに謝ったものの「自分勝手だ」と言われてしまい、もう傷つけたくない気持ちと、自分でもどうしたらいいか分からない葛藤があるよう。

PMSによる不安定な感情との向き合い方や、パートナーと気持ちを共有するためのヒントを臨床心理士がお届けします。

生理前で気持ちが不安定でイライラしている時に、彼の言葉に思わず強く返してしまい、「当たられてるみたいでしんどい」と言われましたすぐに謝ったのですが、「自分勝手だ」と言われてしまい、本当に反省しています。彼を傷つけたくなかったのに、結果的にそうなってしまって苦しいです。この時期は会わない方がいいのか、どう向き合えばいいのか分からなくなっています。私としては普通に戻りたい気持ちがあるけど、また傷つけてしまいそうで怖いです。生理前だからイライラしてしまうのはしょうがないと分かってもらいたいという気持ちもありますが、彼もつらいのが分かるので…どうしたら彼との関係を大切にしながら、自分の感情とも向き合えるのでしょうか

(20代、女性、ハンドルネーム:うた、職種:理・美容)


最初に

ご相談をお寄せいただき、ありがとうございます。

ここまで自分自身の感情と、彼の気持ちの両方に誠実に向き合おうとしているあなたに、まずは「本当によくがんばっていますね」とお伝えしたいです。

生理前のイライラや気分の浮き沈み――これは、誰かに説明するのも、理解してもらうのも、ほんとうに難しいものです。

自分でもコントロールできない感情がわき上がってきて、「私、なんでこんなに怒ってるの?」とあとから自己嫌悪に陥ることもしばしば。

そして、その矛先が、大切に思っている相手に向いてしまった時の後悔と自己否定といったら…もう、ぐったりですよね。

でも、あなたはすぐに謝っておられたし、彼の気持ちも理解しようとしている。

そもそも「こんなこと相談していいのかな」と思いながらも、こうして誰かに助けを求めるという行動を取れている。

そのこと自体が、あなたの誠実さや思いやりの深さの証です。

「普通に戻りたい」という言葉にも、あなたのやさしさと、今の状況を本当に大切に思っている気持ちがにじみ出ています。

どうか「もう私なんて…」と自分を責めすぎないでくださいね

会わない選択より”2人の関係を工夫する”

今回のような出来事があると、「この時期は会わないほうがいいのかも」と考えてしまうこともありますよね。

でも、すべてを「会わない」で済ませるのも、どこか寂しいし、根本的な解決にはならないかしれません。

もしかしたら、「イライラしている私=彼を傷つけてしまう存在」になってしまっているのかもしれません。

でも本当は、「イライラしてしまう私」と「それでも誰かを大切に思っている私」は、どちらもあなた自身です。


ですから、次のステップとしては、「この時期、自分がどうなるかを彼にも“説明”しておく」「感情の波がきているときの“取り扱い説明書”を一緒につくる」という方向にシフトしていけると良いかもしれません。

「イライラしてるから一緒にいられない」ではなく、「イライラしやすいから、こうしてもらえると助かるかも」「この行動は地雷なので避けてくれると助かる」など、2人で関係を“工夫する”という方向に進んでいけたら、あなたも彼も、楽になるのではないでしょうか

自分の“取り扱い説明書”を作りを

生理前のイライラや気分の落ち込みは、月経前症候群(PMS)の典型的な症状の一つです。

PMSは、ホルモンの変動によって引き起こされるとされており、精神的な不安定さや、イライラ、涙もろさ、さらには集中力の低下や無力感など、非常に多様な形で現れます(※)。

これを「しょうがないよね」で終わらせるのではなく、医師に相談することも大切です。

低用量ピルや漢方薬などの選択肢もあるかもしれません。

日常のストレスマネジメントとして、深呼吸や短時間の散歩、アロマ、簡単なヨガなど、自律神経を整える取り組みも試してみて頂きたいです。


また、「PMSのときの私は少し過敏になる」「この時期は“他人からの一言”にとくに反応しやすくなる」と“自分を観察”することも、感情と距離を取る第一歩になります。

さらに、パートナーとの関係においては、「この時期はこうなっちゃうことがあるけど、あなたと一緒に乗り越えたい」というメッセージを伝えることが大切です。

これは“我慢してくれ”というお願いではなく、“分かち合って一緒に工夫してほしい”という、前向きなコミュニケーションの一種です。


最後に

「私はダメな彼女なんじゃないか」と感じてしまうとき、覚えておいてほしいのは、あなたは今、“感情と人間関係の両方を大切にしたい”というすごく高度なバランスに挑戦しているということです。

あなたは決して「感情に流されてばかりの人間」なんかではありません。

むしろ、自分の気持ちと向き合おうとしている時点で、とても優しく、強い人です。

あなたの日々が少しでも、楽になりますように。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶「PMS・PMDDの診療と治療」ガイドライン:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf


<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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