生理前のイライラとチョコ欲求の付き合い方【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、生理前のイライラやチョコの過剰な欲求に悩む10代女性からのご相談です。
「生理中はチョコを控えるべき」と言われるけれど、我慢するとイライラが増してしまうとのこと。

この記事では、チョコレート欲の原因や対処法、心と体を整えるポイントを管理栄養士がわかりやすく解説します。

生理前、イライラして無性にチョコを食べたくなります
母から「生理前や生理中にチョコを食べないほうがいい」と言われたのですが、食べないようにしようと思うとさらにイライラが増します・・・。
チョコを食べると出血量が増えるとかも聞いたことがあります。
チョコを食べたい欲求をどうしたら抑えられるか教えてください。

(10代、女性、ハンドルネーム:チョコ大好き、職種:飲食)


最初に

ご相談いただきありがとうございます。

生理前になると、なぜかイライラして落ち着かないし、無性にチョコが食べたくなる…。

そのたびに「ダメだよ」「我慢しないと」って自分に言い聞かせているけど、結局イライラが倍増してしまって、もっとツラくなってしまう…。

そんな自分の気持ちと、周りからの「生理中はチョコを食べない方がいい」という言葉の間で、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。そんな葛藤を感じているのですね。

まず、ここまで自分の心と向き合って、気持ちを言葉にしてくださったことに拍手を送りたいです。

私たちは、月に一度、心と体のコントロールが難しくなる時期を抱えながらも、仕事や家庭のことをこなして日々を過ごしています。

それだけでも本当に立派なことだと思います。

「チョコが食べたい」って思うことは、決して悪いことではありません

それは、心や体からの大切なサイン。

それに気づいて、真剣に向き合おうとしているあなたは、とても丁寧に自分を大切にしようとしている証です。

我慢の連続ではなく、自分と上手に付き合っていける方法を、いっしょに見つけていきましょうね。

チョコ欲は「心身のバランスを取ろうとしている証」

イライラや甘いものの欲求に振り回されると、「また食べちゃった」「やっぱり私、意志が弱いのかな」って思ってしまうこと、ありませんか?

でも実は、生理前のチョコ欲は「心と体が乱れている証拠」ではなく、「バランスを取り戻そうと頑張っている証拠」なんです。

まずは、「チョコをやめなきゃ」ではなく、

「どうしたら心と体が整いやすくなるか?」

「チョコとどう付き合えば、罪悪感なく過ごせるか?」

という視点を持てると、ずっとラクになります。

そのために、こんな方向性がヒントになるかもしれません:

  • どうしてチョコを食べたくなるのか?(ホルモンと栄養素の関係を知る)
  • チョコを“食べる”ことが悪なのではなく、量と質がポイントになる
  • 心が満たされる、代替の行動や間食を見つけておく
  • 生理前の自分を責めない、ケア視点のセルフマネジメント

食べることを我慢するのではなく、整えていく。

その方が、長い目で見ても心と体がラクになっていきます。

チョコ欲のメカニズムと対処法

では、ここからは管理栄養士の視点で、なぜ生理前にチョコが欲しくなるのか、そしてその対策として何ができるのかをわかりやすくお伝えします。

◆ 生理前にチョコが欲しくなる理由

  • 生理前(黄体期)は「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増え、情緒不安定や疲れ、食欲増加が起こりやすい時期
  • 血糖値の変動も起こりやすく、甘いもので一時的に「安心感」を得ようとする自然な反応
  • カカオには「マグネシウム」や「テオブロミン(気分を落ち着ける成分)」が含まれているため、体が必要としている可能性も


◆ 「食べない方がいい」という話の真偽

「生理中のチョコで出血量が増える」という説には科学的根拠はありません

ただし、チョコに含まれる糖分・脂肪分の過剰摂取は、血糖コントロールを乱しやすく、結果的にPMSを悪化させる可能性があります

◆ チョコ欲との付き合い方

以下のような工夫で、“我慢”ではなく“選択”でチョコと付き合ってみましょう。

① 「質」を見直す
  • カカオ70%以上の高カカオチョコレートを選ぶ
  • 白砂糖の少ないオーガニックチョコやココアにシフト
  • チョコ風味のプロテインバーやカカオ入りナッツも満足感あり

② 「タイミングと量」を決める
  • 午後のおやつに1〜2粒だけ、ゆっくり味わう時間をつくる
  • 「何かを我慢したごほうび」としてではなく、「心の安定のための時間」として楽しむ

③ 「代替甘味」も活用
  • 甘栗、干し芋、焼き芋、冷凍バナナなど自然な甘さを取り入れる
  • 豆乳+ココア+きな粉で作る“ホットドリンク”もおすすめ

④ 「根本から整える栄養素」も意識
  • マグネシウム(ナッツ、海藻、豆類)
  • ビタミンB6(バナナ、鶏むね肉、まぐろ、さつまいも)
  • 鉄・たんぱく質(貧血気味の人は特に注意)


最後に

生理前のチョコ欲やイライラに悩むのは、あなた一人ではありません。

でも、それを「仕方ない」とあきらめず、こうして向き合おうとしているあなたは、もうすでに自分の心と体に優しくなろうと進んでいます。

「我慢」ではなく「選択」する力を、少しずつ手にしていきましょう

その積み重ねが、きっと月経周期をもっとラクにしてくれますよ。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶知って対策PMS(月経前症候群)https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/content/contents/002047354.pdf

<本記事の回答者>

山本瑠美

管理栄養士

所属:株式会社ファミワン

保育園、老人ホーム、病院での勤務経験を活かし、0歳~高齢者の食を支援しています。食事は「生きる土台」、大切さはわかっていても、乱れたり習慣を変えることが難しい場合も。まずは完璧を目指すのではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合わせた提案を心がけています。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えします。


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