強い眠気に耐えられない生理期間、どう過ごせばいい?【お悩み相談室】

今回は、生理の前後に強い眠気があり、仕事中に集中できず職場で不安を感じている20代女性からのご相談です。自分なりに工夫しても改善せず、肩身が狭く感じて悩んでいるそうです。
眠気の背景にある体の仕組みと、無理なくできる工夫について、看護師がアドバイスします。
生理の前後になると、どうしても強い眠気に襲われます。特に仕事中は耐えられないほどで、集中力も落ちるし、周りの目も気になってつらいです。自分なりに早めに寝たり、カフェインを控えたりしていますが、あまり改善されず悩んでいます。「また眠そうにしてる」って思われてるんじゃないかと不安で、職場でも肩身が狭いです。この時期、どう過ごしたらよいかアドバイスがほしいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:ゆみ、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
生理の前後の強い眠気の中で働き続けるのは、本当につらく大変なことですよね。
生理の前後になると眠気が強まり、仕事中の集中力が落ちる。
早めに寝る、カフェインを控えるなど工夫しても思うように変わらない。
さらに「また眠そうにしてると思われているかも」という不安が重なり、職場で肩身が狭く感じてしまう…
それは、とてもつらいことです。
眠気は体が発しているサインのひとつで、自分でコントロールしづらい症状です。
にもかかわらず、「努力不足に見られてしまうかも」という周囲の目を気にしながら働くのは、本当に疲れることです。
そんな中でも毎日を回し続けていること自体が、あなたの確かな力です。
無理だと感じる自分を責めず、まずは自分に「よくやってるよ」と声をかけてあげてください。
眠気と「うまく付き合う」視点を持つ
この時期を少しでも楽に過ごすためには、「眠気をゼロにする」ことよりも、「眠気とうまく付き合いながら生活リズムを守る」ことを意識してみるのも一つの方法です。
例えば、
- 体のリズムを知る:
いつ眠気が強くなるかを記録し、仕事の予定や作業内容を調整できるようにする。 - 周囲にさりげなく共有する:
詳しい事情を話さずとも、「この時期は少し疲れやすくて…」と軽く伝えておくと、自分を責めにくくなる。 - 短時間でのリフレッシュを工夫する:
深呼吸や軽いストレッチ、5分程度の目の休憩など、眠気の波をやわらげる方法を持っておく。
こうした視点を持つことで、「眠くならないように頑張る」から「眠気とうまくやりくりする」方向にシフトでき、気持ちの余裕が少し広がるかもしれません。
生理前後に眠気が強まるのはホルモンの影響
生理前後の眠気は、黄体期に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンの影響が大きいとされています。
このホルモンには体温を上げ、体を休ませようとする作用があり、その結果として強い眠気を感じやすくなります(※1)。
また、排卵後〜生理前の時期は基礎体温が高くなり、夜間の睡眠が浅くなることも日中の眠気につながります。
眠気対策に役立つ生活習慣とちょっとした工夫
対策としては、
- 朝の光を浴びる:
体内時計を整え、日中の覚醒を促します。
- 軽い運動を取り入れる:
特に昼休みや午後の始まりに、軽いウォーキングやストレッチで血流を促す。 - 昼寝は15〜20分以内に:
長く眠ると逆にだるさが残るため、短時間で切り上げる。 - 鉄分やビタミンB群の摂取:
貧血や代謝の低下が眠気を強めることもあるため、食事で補う。 - 眠気が強く生活に支障がある場合は婦人科で相談:
PMS(月経前症候群)の一症状として、漢方やホルモン療法で軽減できることがあります。
最後に
「眠気は意志が弱いせいではなく、体の仕組みが関わっているもの」と知っておくことは、自分を責めないためにも大切です。
つらい時期を“やり過ごす”ではなく、“少しでも心地よく過ごす”ための工夫を、自分に合う形で見つけていきましょう。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産科婦人科学会
月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/※1
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