感情的に彼や家族とぶつかる私…PMSの直し方なんてあるの?【お悩み相談室】
今回は、生理前にPMSやPMDDの症状で気分が落ち込み、家族や恋人との関係に悩む20代女性からご相談をいただきました。口調や表情がきつくなってしまい自己嫌悪に陥るとのこと。
この記事では、PMSやPMDDによる心の揺れとどう向き合うか、気持ちを保つ工夫や受診の活かし方について臨床心理士がアドバイスします。
毎月生理前になると、PMSやPMDDの影響で気分が落ち込み、人間関係にも悪影響が出てしまいます。
特に彼氏や家族とぶつかることが増え、自分でもどうしたらいいのか分からなくなっています。自分ではそんなつもりがなくても口調や顔がきつくなっているようで、それを指摘されるとかなり落ち込んでしまいます。
自分でもこの状態が続くのはまずいと思い、明日レディースクリニックを受診することにしました。ですが、まずは気持ちの持ち方や、うまく自分を保つ方法について知りたいです。
皆さんはこの辛い時期をどう乗り越えているのでしょうか?アドバイスをいただけたら嬉しいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:ちひろ、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
毎月、生理前の数日が近づいてくると、気分がどんより沈んだり、家族や恋人にイライラしたり、涙が出ないのに心は重い。
「これはPMS?それともPMDD?」と自問しても、答えは出ないまま、目の前には険悪な空気と自己嫌悪の山…。
「口調がきつい」「なんでそんな言い方するの?」と指摘されるたびに、
「ああ、またやってしまった…」と自己嫌悪に飲み込まれてしまう。
でもね、この悩みを「これはまずい」と自覚して、レディースクリニックに行こうと決めたこと。これは本当に、ものすごい一歩なんです。
ホルモンの影響って目に見えないし、「性格の問題じゃない?」と軽く扱われがちなのに、
こうして自分の変化をちゃんと捉えて、向き合おうとしているあなたは、本当に立派です。
きっとこれまで、「普通でいたい」「人に迷惑をかけたくない」と努力してきたんですよね。
そして「こんな自分は嫌だ」と、心の奥で何度も自分を責めてきたのだと思います。
まずはその分、たっぷりと、「よくここまでがんばってきたね」と自分を褒めてあげてください。
「揺れても沈まない私」を育てるチャンス
PMSやPMDDは、心と体の“地殻変動”のようなもの。
穏やかだった海が急に嵐になるような揺れを、月に一度、何年も経験している――ものすごく過酷ですよね。
そんな時に目指すのは、「何があっても揺れない私」ではなく、「揺れても沈まない私」「波を見て、舵を取れる私」かもしれません。
たとえば、次のような方針を立ててみるのはいかがでしょうか。
・自分の体調や気分の“波”を記録する
・感情が大きく揺れる時は、反応ではなく“待つ”を選択肢にもつ
・周囲には「今、ちょっと低気圧な時期です」とユーモアで伝える
イライラしたくてしている人なんて、いませんよね。
大事な人との関係を壊したい人だって、いないはずです。
だからこそ、「この時期だけは、私は別の惑星の住人だと思ってね」くらいの軽さで、
自分の心を守ってあげてもいいのです。
PMS・PMDDに揺れる心を守る5つのセルフケア
さて、心理士の立場から、PMSやPMDDでお困りの方におすすめしたい対処法を5つお伝えします。
1. 気分変化のカレンダーをつける(アプリも便利)
いつ、どんな気分になりやすいかを“見える化”しておくと、対策も立てやすくなります。
「そろそろ来るな」と予測できると、心の余裕も生まれます。
2. 感情の波に名前をつける
たとえば「黒い私」とか「トゲトゲさん」など、その感情に“別人格”として接することで、少し客観的になれます。
「今は黒い私が出てきたから、一人で休もう」と判断しやすくなります。
3. “本音を書くノート”と“外向けのノート”を分ける
「なんであんな言い方されたの?」という怒りや、「自分が嫌いだ」という落ち込みは、本音用ノートに遠慮なく書いてOK。
それをそのまま伝える必要はなく、書くことで十分放出できます。
4. 「やらないリスト」を作る
この時期は、“がんばること”よりも“休むこと”が最優先。
洗濯物をたたまない、メイクしない、SNS見ない、など、あえてやらないことで、自分を守るのもひとつの戦略です。
5. 婦人科での相談は正解!ピルや漢方という選択肢も
PMSやPMDDは、「気の持ちよう」ではどうにもならないこともあります。
低用量ピルや漢方薬などの医学的サポートが有効な場合もあります。
「私には治療の選択肢がある」と思えることが、心の支えになるかもしれません。
最後に
あなたは今、自分の心と体の「波」に、ちゃんと目を向けて、何とか穏やかに乗り切ろうとしています。
それは本当にすごいこと。
どうか、完璧を目指さず、“揺れても折れない私”を少しずつ育てていきましょう。
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