生理痛・PMS対策にミレーナは効果的かどうか?【お悩み相談室】

生理・PMS
記事をシェア

今回は、生理痛やPMSに悩んでいて、ミレーナが気になっているが、良い情報も悪い情報も耳に入り、自分では決めきれないという30代女性からのご相談です。

ミレーナで期待される効果や注意点、セルフケアの工夫について看護師よりお伝えします。

下腹部の痛みや吐き気、イライラといったPMSの症状で困っています。婦人科で相談したときにミレーナの話が出て、避妊以外にも生理痛や経血量の軽減に効果があると聞きました。

ただ、痛みや血の量は改善されてもPMSに効果があるのかはよくわからないってネットでの意見は賛否両論でした。副作用や体調の変化も人によって違うみたいで、私がミレーナに合うタイプなのか心配です。

月の不調日を少しでも減らしたいけど、正直入れるのが怖い。ミレーナを入れる決断が正しいのか、自分だけでは決めきれません

(30代、女性、ハンドルネーム:ホットミルク、職種:販売・サービス)


最初に

下腹部の痛みや吐き気、イライラなど、PMSのつらさが続いているのですね。
月の半分近くを不調に振り回されるように感じると、心も体も疲れてしまいますね。

「少しでも楽になりたい」という気持ちはとても自然なことです。
婦人科でミレーナを提案されたものの、ネットで調べると良い意見も不安な意見もあって迷ってしまいますよね。
体に入れるものだからこそ怖さもあり、自分ひとりで決めるのは心細いものです。
ここで少しでも安心して、自分に合った答えを選べるようになればと思います。

治療を考えるときに整理したいポイント

PMSの症状は人によって出方も強さも違います。
そのため「必ず効く方法」というものはなく、自分に合う方法を探すことが大切です。
「生理痛や出血量を減らしたいのか」「気分の落ち込みを和らげたいのか」など、まずは改善したい症状を整理してみると、医師との話し合いがしやすくなります。

また、副作用への不安も自然なことですが、「合わなければ外せる」と知っておくと、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
治療は一度決めたら終わりではなく、合わなければ見直すことができるものだと考えて大丈夫です。
どんなときも「自分に合うかどうかを試してみる」という柔らかい姿勢で向き合っていいのです。

ミレーナで期待できる効果と気をつけたいこと

ミレーナは小さなT字型の器具を子宮に入れて使います。
そこから少しずつ「黄体ホルモン」という体の中でも作られる成分が出て、子宮の内側を薄くし、出血量を減らしたり生理痛をやわらげたりします※1。
避妊効果も高く、最長で5年間続けられます※2。

体の症状については、ミレーナで改善を感じる方が多い一方、気分の落ち込みやイライラといった心の症状には個人差があります
「気持ちが安定した」と感じる人もいれば、「あまり変わらなかった」と感じる人もいます。
そのため、体の不調をやわらげる方法としては効果的ですが、気分の症状は別の工夫を組み合わせることが大切です。

気分の波の受け止め方

気分が沈んでしまうときは、「これはホルモンの影響だから自然なこと」とまず受け止めてみてください。
そのうえで、朝の光を浴びて体のリズムを整える、軽く体を伸ばす、深呼吸をする、あたたかい飲み物をゆっくり味わうなど、身近にできる工夫を取り入れてみましょう

自分をゆるっと休ませる時間をつくることもとても大切です。
信頼できる人に気持ちを話すのも安心につながりますし、つらいときには婦人科で気分のことも相談してみてください。
漢方薬やサプリを取り入れるのも助けになります。
「気分の波も工夫しながら整えていける」と思えるだけで、少し心が軽くなるはずです。

生活全体のセルフケアの工夫

さらに、生活全体を整えることもPMS対策の一つです。
栄養バランスの良い食事を意識する、夜はスマホを早めに手放して睡眠の質を高める、ぬるめのお風呂にゆっくり入るなど、小さな工夫が積み重なって心と体の回復力を高めてくれます。

アロマやハーブティーを取り入れるとリラックスしやすくなる人もいますし、軽いヨガやストレッチで体を温めることも効果的です。
こうしたセルフケアを合わせて取り入れることで、PMSのつらさを和らげる助けになるでしょう。

「合わなければ見直せる」安心感を持って

そして大切なのは、ミレーナでの治療を始めても「合わなければ外せる」と知っておくことです。
我慢する必要はなく、医師と相談しながら自分に合う方法を少しずつ探していけばいいのです。

これまで不調と向き合いながら頑張ってきたご自身を、どうか労わってください。
その積み重ねは確かな力になっています。

最後に

最後は、ご自身が納得できる答えにたどり着くまで時間をかけてもかまいません。
迷う気持ちも自然なことなので、焦らず少しずつ選んでいきましょう。

医師に「私が一番つらいのはここです」と伝えることで安心につながり、自分らしく次の一歩を踏み出せると思います。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

バイエル薬品株式会社
▶「ミレーナ®52mg」公式サイト :https://betterl.bayer.jp/whc/mirena/mirena※1
▶「ミレーナ®52mg」MRN200701 添付文書:https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2021-01/MRN200701.pdf ※2 

<本記事の回答者>

加藤早紀

看護師/体外受精コーデイネーター

所属:株式会社ファミワン

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を望む方に寄り添いサポートしています。看護師や体外受精コーディネーターとしての経験をもとに、治療の選択やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで総合的にご提案。あなたの妊活が前向きなものになるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 生理・PMS > 生理痛・PMS対策にミレーナは効果的かどうか?【お悩み相談室】