生理中の片頭痛で食欲ゼロ…薬を飲む前にどれくらい食べたら胃を守れる?痛む前の「先回り服用」の正しい知識を教えて【薬剤師監修:お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、生理痛と片頭痛の併発に悩み、市販のプロピオン酸系鎮痛薬を服用している30代女性からのご相談です。
「毎月の先回り服用による副作用」や、「服用時の空腹防止に必要な飲食量など」について知りたいと願っていらっしゃいます。

症状がない状態での予防的服用のリスクや、月15日以上の使用で起こる「薬物乱用頭痛」を解説。鎮痛剤の正しい服用タイミング、月経関連片頭痛の可能性、さらに食欲不振時の胃粘膜の保護にはアイスやゼリーといった食べられるものでも問題ないことなどについて、薬剤師がお答えします。

私は片頭痛持ちです。毎月の生理痛と頭痛が重なると辛いため、市販の鎮痛薬(プロピオン酸系)を飲んでいます。
痛くなる前に先回りして飲むほうが薬の効果が効きやすいと聞いてからはそのようにしていますが、まだ痛くない段階で毎月このように薬を飲んでしまっても、体に依存性や副作用などの問題はないのかと少し不安です。

また、生理中で体調がひどい時はとにかく食欲がありません。
薬のパッケージにある「空腹時を避けて」を守るため、いつも牛乳や栄養補給ゼリーなどを少し口にしてから飲むようにしているのですが、一体どれくらいの量を食べればきちんと胃を守れていることになるのでしょうか?

食欲がないとき、口にできるものならアイスクリームなど何でもいいのか、あるいは逆に避けるべき食べ物があるのかも気になっています。

(30代、女性、ハンドルネーム:香、職種:クリエイティブ)


最初に

片頭痛に加えて、生理痛まで重なってしまうと本当につらいですよね。
毎月のことだからこそ、「痛みがひどくなる前に何とかしたい」と思って、お薬を早めに飲むようにされているのだと思います。
一方で、「まだ痛くないうちから毎月飲んでも大丈夫なのかな」「このまま続けていて体に負担はないのかな」と気になるお気持ちもよく分かります。

また、生理中は食欲が落ちてしまうことも少なくありません。
「空腹時は避けて」と書かれていても、食べられない日はどうしたらいいのか、牛乳やゼリーだけでもいいのかと迷ってしまいますよね。

お薬との付き合い方について

今回のご相談では、お薬を我慢することではなく、ご自身の症状に合ったタイミングで無理なく使えることが大切だと感じました。

また、生理のたびに頭痛が起こるのであれば、その頭痛が月経に関連した片頭痛なのかを知ることで、今よりご自身に合った治療法が見つかるかもしれません。
食欲がない日も、「どのくらい食べればいいのだろう」と悩みすぎず、胃への負担を減らしながら安心して服用できる方法を知っておくと、毎月のお薬との付き合い方も少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

前兆の出始めに飲むお薬と予防薬は違うモノ

プロピオン酸系NSAIDs(イブプロフェンやロキソプロフェンなど)は、生理痛や片頭痛によく使われるお薬です。

「痛くなる前に飲むと効きやすい」と聞いたことがあるかもしれませんが、これは何も症状がないうちから毎月予防的に服用するという意味ではありません。
頭痛が出始めたタイミングや、前兆(キラキラした光が見えるなど)がある方では前兆が現れたタイミングで服用すると、より効果が期待できる場合があります。

一方で、市販のプロピオン酸系NSAIDsを毎月症状が出る前から予防目的で飲み続けることは、一般的にはあまり勧められていません。
また、鎮痛薬の使用が月15日以上になると、薬の使い過ぎによって起こる「薬物乱用頭痛」のリスクが高まることも知られています。

片頭痛が月4回以上ある場合や、
日常生活に支障が出るほど症状が強い場合、
鎮痛薬を使う回数が増えてきた場合には、
頭痛が起きた時だけに使うお薬だけでなく、予防薬が選択肢になることもあります。

月経関連片頭痛の可能性

また、生理の数日前から月経中にかけて毎回決まったタイミングで片頭痛が起こる場合は、「月経関連片頭痛」の可能性があります。

このような場合には、トリプタン製剤による治療や、月経の時期に合わせて短期間だけ予防的に服用する治療が検討されることもあります。

毎月同じようなタイミングでつらい頭痛を繰り返しているようであれば、一度婦人科や頭痛外来などで相談してみるのもよいでしょう。

「空腹時を避けて」どれくらい食べれば胃を守れる? 

また、「空腹時を避けて」と記載されているのは、プロピオン酸系NSAIDsが胃の粘膜を守る働きのあるプロスタグランジンの産生も抑えるため、空腹時は胃への刺激が強くなり、胃痛や胃もたれなどを起こしやすくなるからです。

ただし、「これくらい食べれば大丈夫」という決まった量はありません。
食欲がない日は、牛乳やヨーグルト、栄養補給ゼリー、プリンなど、ご自身が口にしやすいものを少しでも摂ってから、コップ1杯程度のお水で服用するとよいでしょう。
アイスクリームも食べられるようであれば問題ありません。

最後に

今回のような場合は、症状がないうちから毎月市販薬を飲み続けるのではなく、頭痛が出始めたタイミングで服用することを意識してみてください。

また、食欲がない日は無理に食事をとろうとせず、口にできるものを少しでも摂ってから服用できれば十分です。

それでも鎮痛薬を使う回数が増えてきたり、生理のたびに生活へ支障が出るほどつらい頭痛が続いたりする場合は、ご自身に合った治療法を選択できるよう、一度医療機関で相談してみてくださいね。

<参考文献・出典>

一般社団法人 日本頭痛学会
▶頭痛の診療ガイドライン2021:https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf

一般社団法人 日本頭痛学会
▶月経時片頭痛の診断と治療:https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/2/2-2-15.htm

この記事の回答者

北里大学薬学部卒業後、総合病院産科病棟で勤務した経験をもとに、主に妊活~授乳期にかけての薬の飲み合わせやお子さんの予防接種についてのご相談を専門にしています。私たちの日常のそばにある薬だからこそ、正しく使っていただきたい、そんな思いで回答しております。薬について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


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