つわりがつらくて上の子にしっかり関わってあげられない【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は第2子を妊娠された30代の方から、つわりがひどく、仕事も家事も難しく、上の子のお世話もできず自分が情けなく思ってしまったり、上の子に申し訳ない気持ちでいっぱいというお悩みをいただきました。

つわりとの付き合い方について、相談経験豊富な心認心理士・臨床心理士がお答えします。

今、第2子を妊娠しています。第1子の妊娠時よりもつわりがひどく、休職し家事もままならない状況です。第1子はまだ2歳で手がかかる時期です。夫が仕事の日はできる限り母や義母にきてもらいお世話をお願いしていますが、まだまだママに甘えたい盛りで私でないとダメなことも多いです。甘えさせてあげたいのですが、体調が悪すぎて遊んであげることもできません。だっこもつらくて、しっかり関わってあげたいのにできない自分が情けなく上の子にも申し訳ないです。私がもう少し頑張ったらいいのだと思いますが、頑張ることができませんもう少しでつわりも終わるだろうと思っていますが今回は上の子のときよりも長いです。育児をしている方はつわりとどう向き合っているのでしょうか。

(30代、女性、ハンドルネーム:スウィーツ食べたい、職種:金融・不動産)


完璧にやらなければいけないという気持ちを少しずつ手放す

ご懐妊おめでとうございます。妊娠・育児・仕事の両立に奮闘するなかで、つわりの症状と向き合いながら頑張っていることは、当たり前にできることではありません。「もう少し頑張れたら」と思うお気持ちが伝わってきましたが、今はお身体を最優先にしても大丈夫ですからね。

臨床心理学の視点から、つわり中の育児との向き合い方についてお話ししていきますね。

つわりが重い中で育児を続けるのは非常に大変です。まずは、「完璧にやらなければいけない」という気持ちを少しずつ手放すことが大切です。

1. 甘えを受け入れることも成長の一環

2歳児が「ママでなければダメ」と感じるのは、愛着形成がしっかりできている証拠です。この時期の甘えは、今後の自己肯定感や安心感につながります今は十分に抱っこできなくても、「ママはちゃんとここにいるよ」という安心感を与えることが大切です。

2. これから赤ちゃんが生まれることを伝える

2歳のお子さんにとって、突然ママの体調が悪くなるのは不安なことです。そのため、「もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだよ」ということを少しずつ伝えていくことが大切です。

– 「ママのお腹には赤ちゃんがいるんだよ」

– 「赤ちゃんが生まれると、あなたはお姉ちゃんになるんだね」

– 「赤ちゃんが生まれたら、ママと一緒にお世話しようね」

このように、前向きに話してあげることで、お子さんも赤ちゃんの存在を受け入れやすくなります

3. つわりがあるのは自然なこと

つわりによってママの体調が悪くなることを、子どもにも分かりやすい言葉で伝えてみましょう

– 「赤ちゃんがママのお腹で元気に育つために、ママはちょっと疲れやすくなってるんだよ」

– 「だからママはたくさん休まないといけないの」

– 「でも、ずっとじゃないよ。赤ちゃんが大きくなってくると、ママも元気になるからね」

このように伝えることで、お子さんも「ママが頑張っているんだ」と理解しやすくなります

4. スキンシップの工夫

体調が悪くても、スキンシップはできます

-一緒にゴロゴロする:布団やソファで一緒に横になりながら、手をつないだり、お話をする。

-歌や絵本を活用する:歌を歌ってあげたり、絵本を読んであげるだけでも、子どもは安心します。

-「ママができること」を伝える:「抱っこはできないけど、おててをつなぐのはできるよ」など、できる範囲で関わる。

5. 夫や周囲のサポートを増やす

夫や母・義母の協力を受けることは、決して甘えではありません。子どもが他の人と触れ合う機会を持つことも大切な成長の一環です。

– お世話を細分化する:お風呂は夫、食事は義母など、役割分担を明確にする。

– 「特別なお世話係」として関わらせる:祖父母や夫が「○○係」となり、楽しみながら育児に関わると、子どもも受け入れやすくなります。

まずはママの心と身体を大切に

つわりが続くなかで、「もう少し頑張らなきゃ」と思う気持ちは自然ですが、まずはご自身の心と体を大切にしてください。

-小さな休憩を取る:家事の負担を減らし、短時間でも休めるよう工夫する。

-食べられるものを優先する:つわりがあると食事が難しくなりますが、「これなら食べられる」というものを見つけて摂取する。

-楽しめる時間を作る:できれば1時間に1回は深呼吸をして、「今できることをすれば十分」と自分に言い聞かせる。

今はできることをするだけで十分

妊娠中に上の子のお世話が十分にできないことで、罪悪感を感じるのは親心として当然のことです。しかし、今は「できることをする」だけで十分です。子どもは、ママの温かさや声だけでも安心できます

また、これから赤ちゃんが生まれることや、つわりがある理由を伝えることで、お子さん自身の心の成長にもつながります。

周囲の助けを借りながら、ご自身の体を大切にしてくださいね。つわりの期間は永遠ではありません。無理をせず、できる範囲で過ごしていきましょう。

回答者:公認心理師・臨床心理士

自治体の子育て相談窓口でお仕事をさせていただいています。キンダーカウンセラーやスクールカウンセラーとしての経験も長いです。子育て中は悩みが尽きないですよね。年齢や個性に応じた親子のコミュニケーションでお困りなら、ご相談ください。不登校、ひきこもり、家庭内暴力や虐待などのカウンセリングも得意としております。


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