産後ワンオペが不安…頼れる人がいないときの対策とは?【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は産後、里帰りやパートナーの育休がなく、いきなりワンオペ育児が始まる不安を抱えている30代女性からのお悩みです。出産が近づくにつれ、不安が大きくなってきているようです。

産後の身体や支援者がいない中での育児について、助産師がお答えします。

現在妊娠後期の妊婦です。里帰りなし、夫の育休なしで産後いきなりのワンオペをすることになりました。両家の実家は遠く飛行機でないと行けません。繁忙期で育休を取ることができない夫は、里帰りをすると子どもに会いにこれなさそうです。新生児期のたった1カ月しかない貴重な時期を夫にも一緒に過ごしてほしいので、里帰りは諦めました。両家の両親も仕事をしているため来てもらうことも難しいです。最初は何とかなるだろうと思っていましたが、出産予定日が近づくにつれ、産後いきなりワンオペは厳しいかも…と思うようになり、とても不安です。何かいい方法があったら教えてほしいです。

(20代、女性、ハンドルネーム:コーヒー、職種:事務・オフィスワーク)


産後すぐの身体は、心も身体もとてもデリケート

妊娠後期に入り、産後のワンオペ育児について不安を感じているのですね。最初は「何とかなる」と思っていても、いざ出産が近づいてくると現実的な問題が見えてきて、どうしたらいいのか悩んでしまうのはとても自然なことです。特に初めてのことだと、想像がしづらいですよね。

まず、新生児期の育児は想像以上に負担が大きいものと捉えて、準備しておくことが大切です。特に産後すぐの体は回復途中で、心も体もとてもデリケートな状態になります。その中で一人で育児・家事をこなすのは、かなりの負担になると思っていて間違いはないと思います。

だからこそ、今からできる準備をして、少しでも負担を軽くする方法を考えていきましょう。今から準備をしておけば、きっと大丈夫ですよ。

社会資源を十分に活用する

1. 宅配サービスを利用する

買い物は意外と負担になります。特に新生児を連れての買い物は大変ですし、産後すぐは体を休める時間を確保することが大切です。生協(コープ)やネットスーパーの宅配サービスを活用すると、必要なものを自宅に届けてもらえるのでとても便利です。

産後から、と言わず、妊娠中の今から登録し、使い方に慣れておくと、産後スムーズに利用できるので、ぜひおすすめします。料理が負担になる場合は、ミールキットの宅配や冷凍食品の活用もおすすめです。生協などは赤ちゃん用品や離乳食の時期にも役立つ商品が多いので、長く活用できるメリットがあります

2. 家事代行サービスの活用

産後の数か月だけでも、家事代行サービスを取り入れるのも一つの手です。特に掃除や洗濯といった家事は、意外と時間と体力を奪います。誰かが家にきて、家のことをしてもらうのにはまだまだ理解が少ない部分もあるかもしれませんが、海外では当たり前に行われています。プロの手を存分に借りることは、大切です。

家事代行サービスは、1回数千円〜で利用できるものもありますし、産後プランを用意しているところもあります。事前に予算を決めて、数回でも頼めるよう準備しておくと安心ですし、もし「出産祝い」として何が欲しいか聞かれる機会がある場合には、そういうサービスを依頼するのもいいと思いますよ。

3. 自治体の産後ケアサービスを活用する

産後、一度は必ず助産師や保健師が訪問することになっています。こちらの訪問を、できるだけ早く来てもらうように市に依頼をしたり、宿泊型・通所型の施設で休養を取ったりということもいいと思います。その他にも、お住まいの自治体には、産後ケアサービスがあるかもしれません。

自治体によって内容は異なるので、事前に調べておくといいですね。市区町村のホームページで確認するか、現在通っている産院のスタッフや保健師に相談すると、具体的な情報を得られるかと思いますよ。

夫との協力体制を整える

パートナーが育休を取れないということで、一緒にいる時間が限られてしまうのが不安ですね。でも、育休が取れなくてもできることはたくさんあります。

1. 育児の基本を事前に学ぶ

新生児のケアは、慣れるまでが大変です。おむつ替え、授乳のサポート、寝かしつけなど、パートナーと一緒に学んでおくと、限られた時間でも育児に参加しやすくなります

特に、夜間のミルク対応やおむつ替えをお願いできると、あなたの負担も減ります。可能であれば、週末にまとめて育児を担当してもらうのもいいですね。

2. 仕事が終わった後や休日にサポートしてもらう

平日は難しくても、仕事が終わった後や休日はできるだけサポートしてもらいましょう。ここでいうサポートとは、必ずしも育児に限りません。パートナーは赤ちゃんと過ごす時間が母親よりも少なくなるので、必然的に育児技術などに差がでてきます。そのことが、父親としての自信を無くしてしまうこともありますが、大切なのは赤ちゃんのお世話などの育児だけではありません。


赤ちゃんのお世話をする、というよりも、妻であるあなたのことをサポートする視点を大切にしてみてもらってください。母親にとって、1番の理解者がパートナーであることは、何よりの安心感を得られます。

ママ自身の体調を最優先にする

産後の体は、思っている以上にダメージを受けています。しっかり休める時間を確保することが、結果的に赤ちゃんのお世話にもつながります。

1. 「手を抜くこと」を意識する

完璧にやろうとしないことが大切です。

  • 掃除は毎日しなくても大丈夫
  • 食事は簡単なもの、宅配を活用
  • 赤ちゃんのお世話を優先し、無理しない

「この時期は休むのが仕事」と割り切ることで、気持ちも楽になります

2. SNSを見すぎない

SNSには「完璧な育児」をしているように見える投稿が多いですが、現実とは違うことが多いです。他の人と比べず、「自分のペースでいい」と思えるように環境を整えましょう

さいごに

ワンオペ育児は、どうしても孤独になりがちです。地域の子育て支援センターやオンラインのママコミュニティなど、他のママたちと情報交換できる場を見つけておくと、気持ちが楽になると思います。何より、「一人じゃない」と思えることが、産後の大きな支えになります。


すべてを一人で抱え込むのではなく、社会資源を活用し、パートナーとも話し合いながら、少しでも楽に過ごせる方法を見つけていきましょうね。

大変な時期になるとは思いますが、その分、赤ちゃんとの時間はとても貴重なものになります。焦らず、できる範囲で準備を進めていってくださいね。

回答者:看護師

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を希望する方をサポートしています。看護師としての経験と体外受精コーディネーターの資格を活かし、一人ひとりに寄り添ったアドバイスを提供。不妊治療の選択肢やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで、総合的にサポートします。あなたの妊活が少しでも前向きなものになるよう、専門的な視点でお手伝いします。


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