妊娠を喜んでいた夫が突然無関心に…どう向き合うべき?【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回はパートナーの態度が変わってしまい、どう関わっていいか悩まれている20代女性からのご相談です。つわりが終わってから夫の態度が変わってしまったそうです。

パートナーさんとの関わり方について生殖心理カウンセラーがお答えします。

夫のことで相談があります。妊娠を伝えた時はとても喜んでくれました。つわりで苦しんでいるときも食べられそうなものを用意してくれたり、家事もすべて担当してくれて「パパになるために頑張る」と張り切っていました。それなのに、つわりが終わってから夫の態度が急に変わり、育児用品を買いにいこうと声をかけても「行ってくれば?」の一言。また初めての出産に不安もあり、近くにいてほしいと立ち会いをお願いしたのですが「絶対無理」だそうで…。以前、買い物中に夫の同僚に会ったとき、赤ちゃん楽しみですねと声をかけてもらいましたが夫は「全然。準備もあるし大変だよ。」と…。とてもショックです突然態度が変わってしまったので私もどうしていいのかわかりません。夫の気持ちに寄り添いつつ、子どもを迎える楽しみを夫婦で一緒に感じたいのですが、何か方法はありますでしょうか。


(20代、女性、ハンドルネーム:カフェモカ、職種:事務・オフィスワーク)


妊娠は夫婦にとってとても大きな変化

妊娠が分かったときは喜んでくれて、つわりの時期には食事のサポートや家事をすべてこなしてくれていたパートナーさん。しかし、つわりが終わった途端、急に態度が変わり、育児用品の買い物にも関心を示さず、立ち会い出産も「絶対無理」と拒否。さらには、同僚の前で「全然楽しみじゃない」と言われた——。

この変化に戸惑い、悲しみ、どうしていいのか分からなくなってしまうお気持ちなのですね。この状況の中で不安やショックを感じながらも、「夫の気持ちに寄り添いたい」と思われているあなたの優しさが伝わってきました。


妊娠は、あなたにとってもパートナーさんにとっても、大きな変化です。では、パートナーさんの今の状態をどのように理解し、二人で赤ちゃんを迎える楽しみを分かち合うために何ができるのか、一緒に考えていきましょう。

2人で赤ちゃんを迎える楽しみを分かち合うためにできること

1. 夫の気持ちが変わった理由を考える

パートナーさんの態度の変化には、いくつかの可能性が考えられます。

<「自分の役目は終わった」と思っている可能性

  つわりの時期は目に見えてあなたが辛そうだったため、「自分が支えなければ」と頑張っていたのかもしれません。しかし、つわりが落ち着いたことで「もう大丈夫」と安心し、自分の出番が終わったように感じている可能性もあります

「父親になること」の実感がまだ湧かない

  お腹の中に赤ちゃんがいるあなたにとっては、妊娠は日々の変化として感じられますが、パートナーさんにとっては「まだ目に見えない未来の出来事」として捉えられているかもしれません。出産が近づくにつれ、少しずつ実感が湧いてくる方も多いです。

<出産や育児へのプレッシャーを感じている

  「準備が大変」と口にしたことから、パートナーさん自身が「父親としての責任」に対して不安を抱いている可能性もあります男性は周囲から「お前も父親になるんだから頑張れよ」と声をかけられることも多く、それがプレッシャーとなったり、「イヤイヤ俺はもう十分がんばっているのに」と苦痛に感じたりします。プレッシャーを感じているとき、人は無意識に距離を取ることがあります。

どれが当てはまるかは分かりませんが、パートナーさん自身も「なぜこんな気持ちになるのか」を整理しきれていないこともあるかもしれません

2. 夫婦で「気持ち」を話せる場を作る

パートナーさんの態度が変わってしまったことにショックを受けるのは当然のことです。でも、まずは「どうしてそう感じているのか」を知ることが大切ですし、あなたもパートナーさんの想いを知りたいですよね。

「最近あまり赤ちゃんの話をしなくなったけれど、何か気になることがある?」と優しく尋ねる

  責めるのではなく、パートナーさんの本音を聞くことを目的にしましょう。

<「私自身初めてのことで不安なこともあるけれど、あなたと一緒に準備していきたいな」と伝える

  このように伝えることで、「赤ちゃんを迎えることは夫婦の共同作業なんだ」と意識してもらえるかもしれません。

「一緒に」という言葉を意識的に使うと、プレッシャーではなく「夫婦のチームワーク」として捉えてもらいやすくなります

3. 立ち会い出産の考え方をすり合わせる

「絶対無理」と言われると、「そんなに嫌なの?」とショックを受けるかもしれません。でも、「立ち会い出産が怖い」と感じる男性は少なくありません

<「立ち会いが無理な理由」を聞く

血を見るのが苦手、痛がる姿を見たくない、どう振る舞えばいいのか分からない——こうした理由なら、「出産が終わった後にすぐ会いに来てほしい」とお願いするのも一つの方法です。

<無理強いはせず、できることを考える

「出産時は無理でも、産後すぐに来てもらえるだけで心強いな」など、できる範囲で関わってもらう選択肢を探してみましょう

4. 出産や育児と関係のない話題を大切にする

妊娠すると、会話の中心が出産や産後の子育て、育休をどうするか、といった話題でいっぱいになります。おふたりが赤ちゃんに会いたくてたまらない気持ちの時は、そんな会話もワクワクできて楽しく幸せなものです。

しかし、それ以外の会話が減っている感じがしませんか?今までのようなその日の他愛ない出来事で笑い合ったり、「職場でこんなことがあってさ」と愚痴をこぼしたり、一緒に笑える動画を見たりする時間は取れていますか?

ふたりで過ごせる時間はあとわずかです。今の時間を一緒に楽しんでみてください。

焦らずに対話をして赤ちゃんを迎える喜びを一緒に感じてほしい

パートナーさんの態度が変わったことにショックを受けるのは、ごく自然なことです。でも、それは「赤ちゃんを迎えたくない」という気持ちではなく、むしろ「どう関わればいいのか分からない」「責任を感じている」などの心の動きが影響しているのかもしれません

だからこそ、夫婦で気持ちを話し合い、「あなたは一人じゃない」と伝えることでパートナーさんを安心させてあげられるかもしれません

少しずつ、パートナーさんも「自分なりの関わり方」を見つけていけるよう、焦らずに対話を続けてみてくださいね。あなたとパートナーさんが、赤ちゃんを迎える喜びを一緒に感じられるよう、心から応援しています。

回答者:生殖心理カウンセラー

都内不妊治療専門クリニックに勤務。性や不妊治療、カップル関係が専門で、カップル・家族の心理支援を行っています。カウンセリングではユーモラスな会話と、「話してみて良かった」と少しでも感じてもらえることがモットー。未来のために一緒に作戦会議をしましょう!


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