妊娠12週目、理解されないつわりの苦しさと孤独【お悩み相談室】

妊娠12週でもつわりが治まらず、腹痛もある中で立ち仕事を続けている20代女性からのご相談です。義両親や夫から、「この時期なら軽くなる」「どうしてあげればいいかわからない」と言われ、理解されずに孤独を感じているようです。
周囲との関わり方や妊娠中のストレス発散方法ついて、助産師がアドバイスします。
妊娠12週ですが、つわりがまだひどく、腹痛もあってとてもつらいです。立ち仕事で重い物も多い職場なので休みがちになり、出勤しても重い作業は避けていると「来ても意味ないよ」と言われてしまいました。義両親や病院には「この時期なら軽くなる人が多い」と言われ、夫にも「気持ちはわかるけど俺にはどうしてあげられるかわからない」と言われて、孤独感で涙が止まりません。同じように重いつわりを経験された方、どうやって気持ちを保っていましたか?また、体に負担をかけずにできるストレス発散法などあれば教えてください。心が限界に近づいていて怖いです。
(20代、女性、ハンドルネーム:れいな、職種:運輸・物流)
最初に
れいなさん ご相談ありがとうございます。
現在妊娠12週で、つわりと腹痛に悩まされているのですね。
また運輸・物流関係のお仕事ということで、身体への負担も多く、職場の理解も得られず、身体も心もおツラい様子がうかがえました。
今回は、しんどい中でご相談下さったれいなさんが、ご自身のしんどさに対する理解が得られない方とどのように関わるのか、また、身体に負担をかけずに気分転換する方法などをお伝えし、今後の妊娠生活が少しでも心穏やかに過ごすためのきっかけになれば幸いです。
妊娠中のつらさは人それぞれ、比べなくて大丈夫
まず、つわりやお腹の張りを含め、妊娠・出産などに伴う症状やその程度、また持続期間は人それぞれ違いますし、また個人でも妊娠毎に違いますので、人と比べる必要はありませんし、義理のご両親や職場の方に何か言われたとしても「私は長いようです」とサラッと答えると良いと思います。
色々な考えの方がおられるので、全ての人から理解を得るのは難しい場合があります。
けれど、現在れいなさんがしんどいのは事実なので、そのことを伝えることは良いと思います。
そして、れいなさんはご主人がどんなことを言ってくれたら、どんなことをしてくれたら嬉しいですか?
男性であるご主人は、れいなさんのことは心配だけれど、もしかしたら何をしてあげたら良いのか、わからないだけかもしれません。
れいなさんがして欲しいことを、ご主人に具体的に伝えていてはいかがでしょうか?
妊娠中の職場で、無理なく働くための工夫
現在の腹痛についてですが、かかりつけの産婦人科医の先生からは、仕事を継続しても良いと言われているでしょうか?
子宮の入り口となる子宮頸管が短くなっている場合は、切迫流産につながる可能性もありますので、様子見で良いのかどうかは指示を仰いだ方が良いと思います。
そして、仮に切迫流産の症状が出ている場合は、安静や業務負担の軽減など医師から指示がでると思いますので、その指導内容を事業主へ的確に伝えられるようにするため親子(母子)手帳の『母性健康管理指導事項連絡カード』の利用をお勧めします。
仕事をもつ妊産婦の方からこの『母性健康管理指導事項連絡カード』が提出された場合は、事業主の方は記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があります。
職場によっては、医師の診断書の提出を求められることもありますが、ひとまずご自身の体調と職場での状況を医師へ伝え、『母性健康管理指導事項連絡カード』の記載を依頼してみて下さい。
業務の内容や休憩時間のとり方など、指示をもらえるのではないかと思います。
妊娠中のストレス、みんなはこうやって発散!
ストレス発散については、人それぞれ合う方法が違うので、実際にどんな方法が良いのかは難しいですが、
カラオケのように大声を出すことが発散になる方もおられますし、映画やドラマに没頭するのが良い方もおられます。
また、何かに当たりたい衝動がある場合は、不要な紙をビリビリに破いたり、ぐしゃぐしゃに丸める、そしてそれらをする際に自分の心に溜まっている気持ちを吐き出しながらやるなどもお勧めです。
れいなさんの好きなことは何ですか?
何をしていると集中できたり、リラックスできますか?
発散する、と言われると、アクティブな行動をイメージするかもしれませんが、ご自分の好きなことをすることが1番かと思います。
最後に
今、れいなさんは理解者がいない、と孤独に感じておられますが、今回のようにぜひ助産師を頼ってください。
れいなさんの状況をしっかりと伺って、現在のれいなさんの体調も踏まえた上で、アドバイスをもらえると思いますし、喜んでれいなさんのサポーターとなってくれると思います。
妊娠・出産・育児は十人十色です。
だからこそ、理解されない・できない部分もありますし、人と比べて落ち込むこともあると思います。
でも、違って当然なのです。
周りに理解されないのはしんどいことですが、れいなさんにとって大切な人が理解してくれるように伝え、サポーターになってもらえたら、今よりもれいなさんが心身穏やかに日々を過ごせるようになるのではないかと思います。
しんどい中でこちらにご相談くださり、ありがとうございました。
かかりつけの産婦人科スタッフはもちろん、私たちもれいなさんを応援していますので、しんどくなる前に、遠慮なくご相談くださいね。
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