妊娠31週、急な吐き気と嘔吐。後期つわりとの付き合い方【お悩み相談室】

今回は、妊娠31週に入り、急に強い吐き気や嘔吐が出て戸惑っている20代女性からのご相談です。妊娠初期はつわりがなかったため「なぜ今？」と不安になり、赤ちゃんへの影響も心配とのこと。

後期つわりの原因や生活の工夫、受診の目安について、助産師がアドバイスします。

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最初に

妊娠後期に入り、いよいよお産に向けて体も準備を始めている時期ですね。
その中で、急に強い吐き気や嘔吐が出てきたとのことで、とても戸惑っていらっしゃると思います。
妊娠初期にはつわりがなかったからこそ、「なんで今になって？」と不安になりますよね。

お仕事もあと少しで産休に入るとのことで、もう少し頑張りたいお気持ちがあるのに、吐き気が強くてコントロールが難しい状況は本当に大変だと感じます。
食事を工夫しても改善せず、「赤ちゃんに影響はないだろうか」「何か病気が隠れているのでは」と心配になるのも自然なことです。

ここまでお仕事と体調管理を続けてこられたこと、本当に頑張ってこられましたね。

妊娠後期に起こる「後期つわり」とは？

一般的に「後期つわり」と呼ばれるように、妊娠後期に入ってから吐き気や胃の不快感を訴える方は珍しくありません。

赤ちゃんが成長して子宮が大きくなり、胃を圧迫することが大きな原因のひとつです。
ですので、「赤ちゃんが大きくなった証拠なんだ」と受け止められると、少し気持ちが楽になるかもしれません。

ただし、妊娠高血圧症候群や肝機能の異常といった病気が吐き気の原因になることもあります。
「後期つわりだから大丈夫」と決めつけずに、必要に応じて医療機関で確認してもらうと安心できます。
検査で異常がないとわかるだけで、気持ちがずっと落ち着く方も多いですよ。

吐き気をやわらげる生活の工夫と食事のポイント

生活の工夫としては、1回の食事量を減らして回数を増やす、消化に良いものを選ぶといった工夫に加えて、姿勢を意識することもおすすめです。

・食後は背筋をまっすぐにして上体を起こす

・横になるときは左側を下にして休む

・よく噛んでから飲み込む

など胃への負担を和らげる方法があります。

「赤ちゃんに栄養が届いているか心配」という声もよく耳にしますが、水分が取れていて、体重が急激に減っていなければ、赤ちゃんに大きな影響が出ることはまずありません。
今は「いかにお母さんが少しでも快適に過ごせるか」が大切です。

後期つわりで起こる吐き気対策は？

妊娠初期に見られる強い吐き気や嘔吐は「妊娠悪阻」と呼ばれ、診断基準も明確にあります。
一方で妊娠後期に起こる吐き気や胃もたれは「妊娠悪阻」とは区別され、医学的には「子宮の増大に伴う胃の圧迫」「消化管機能の低下」と説明されることが多いです。
俗に「後期つわり」と呼ばれるのは、そうした状態をわかりやすく表現した言葉です。

症状を和らげるためには、

・一度に多く食べず、少量ずつ5〜6回に分けて食べる
・油っこい料理、甘いもの、香辛料の多いものは控える
・水分は冷たいものより常温や温かいものをゆっくり摂る
・食後すぐに横にならず、椅子に腰掛けるなどで上体を起こす

といった方法が有効と言われています。

それでも嘔吐が続いて水分も取れない場合や、頭痛・むくみ・視覚の異常・強いかゆみなど他の症状を伴う場合には、妊娠高血圧症候群や肝機能障害の可能性もあるため、早めに医療機関へ相談してくださいね。
点滴などで体をサポートしてもらえると、ぐっと楽になることもあります。

最後に

産休まであと少しとのこと、どうか無理をせず、ご自身をねぎらいながら過ごしてくださいね。
「ここまで本当によく頑張ってきた」と胸を張っていい時期だと思います。

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