妊娠12週、眠気で何もできない…怠けてる?と責めてしまいます【お悩み相談室】

今回は、妊娠12週で強い眠気に悩む30代女性からのご相談です。休みの日は長く昼寝をしてしまい、仕事中も眠くて意識が飛びそうになり、怠けているわけではないと分かっていても、気持ちが沈んでしまうとのこと。
妊娠初期に眠気が強まる理由や、日常でできる工夫、受診の目安について助産師がお伝えします。
現在、妊娠12週目ですが、毎日眠気がひどくてつらいです。休みの日はほぼ必ず2~3時間程度昼寝してしまい、仕事中も眠くて意識が飛びそうになることもあります。つわりの気持ち悪さが落ち着いてきたので、これまでできなかったやりたいことはたくさんあるのに、体が思うように動かず、何もできない自分に落ち込む日々です。怠けているわけじゃないと分かっていても、気持ちが沈んでしまいます。妊娠中はこういうものなのでしょうか?自分にできることがあったら知りたいです。このまま出産まで眠気があるのなら上手く付き合いたいと思っています。
(30代、女性、ハンドルネーム:いれぶん、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
妊娠12週目、つわりのつらさがやっと落ち着いてきた矢先に、今度は強い眠気に悩まされているのですね。
休みの日には2~3時間も昼寝をしてしまったり、仕事中も意識が飛びそうになるほどで、やりたいことが思うようにできず「怠けているのでは」と自分を責めてしまう…。
以前の自分と全く変わってしまって、戸惑う部分もあるのではないでしょうか。
妊娠生活は「少し落ち着いた」と思った頃にまた新しい不調が出てきて、気持ちが沈んでしまうことも多いですよね。
「妊娠中はこういうものなのか」と疑問に思うのも自然なことですし、「どうにか付き合えるようになりたい」と前向きに考えている姿勢がとてもすてきだと思います。
妊娠初期の眠気は自然なこと。自分を責めないで
まず安心していただきたいのは、妊娠初期に強い眠気を感じるのは決して珍しいことではなく、多くの妊婦さんが経験しているということです。
怠けているのではなく、身体が赤ちゃんを守るために「休んでね」とサインを出しているのだと考えてみてくださいね。
「こうなれたらいいかも」という方向性でいえば、
眠気を無理に押しのけるのではなく、短い昼寝や休憩を上手に取り入れながら生活のリズムを崩さずに過ごせると良いかもしれません。
例えば、昼寝を1時間以内にとどめてみたり、できるだけ午後3時までに横になるようにすると夜の眠りにも影響しにくくなるかもしれません。
また、眠気があっても「妊娠中期に入るころには和らいでくる人が多い」という見通しを知っておくだけでも気持ちが楽になるかもしれませんね。
妊娠中の眠気に影響する体の仕組みと日常の工夫
妊娠初期に眠気が強くなる背景には、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響があります。
このホルモンは妊娠を維持するために欠かせないもので、体温を高めたり、筋肉を緩めたりと、からだを「休息モード」に導く働きがあります。
そのため、普段よりも強い眠気を感じやすくなると言われています。
これは人の意思の弱さではなく、自然な体の変化だといえます。
工夫としては、昼寝の時間を調整することに加え、仕事中に強い眠気を感じるときは、短い休憩を挟んだり、軽く体を動かすのがいいかもしれません。
職場に事情を伝えて、こまめに休める環境を整えるのも大切です。
眠気を軽くするために、朝の光をしっかり浴びて体内時計を整えることや、食事のとり方を工夫するのも有効と言われます。
糖分の多い間食を控えて、鉄分やたんぱく質をしっかり摂ることでエネルギーが安定しやすくなるかもしれません。
「ただの眠気」ではないサインを見逃さないために
もし眠気が異常に強く「日常生活に支障が大きい」「倦怠感が続く」といった場合には、鉄欠乏性貧血や甲状腺機能の異常などが関わっていないか、医師に相談してみると安心です。
妊婦健診の血液検査でもチェックされることが多いので、気になるときは遠慮なく伝えてください。
最後に
眠気は妊娠初期によく見られる自然な変化で、多くの方は中期以降に落ち着いていきます。
今は「休むことも赤ちゃんを育てる大切な仕事」と考えて、どうかご自身を責めずに過ごしてくださいね。
<参考文献・出典>
厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」
▶女性と睡眠障害:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-005.html
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