妊娠中に夫が39度の高熱!うつった時の為に市販薬を買っておくべき?【お悩み相談室】
今回は「妊娠初期に夫が39度の高熱を出し、感染や薬の影響が心配」という30代女性からのご相談です。
妊娠中は免疫力が下がり、使える薬も限られるため、不安になる方も多いでしょう。
夫を看病しながらお腹の赤ちゃんを守るための感染対策と、妊娠中に注意すべき薬の選び方について薬剤師が解説します。
この度初めて妊娠したのですが、夫が39度の高熱を出しました!コロナやインフルエンザではありませんでした。高熱に加え頭痛・関節痛でつらそうです。夫のことも心配ではあるものの、やはり心配なのはお腹の赤ちゃん・・・。うつったらどうしようと心配しています。
妊娠中って飲んではいけない市販薬が多いイメージがあります。超初期症状でたまに頭痛もあったりするのですが、どんなことに注意して購入したらいいか、教えてほしいです!
(30代、女性、ハンドルネーム:サトちゃん、職種:金融・不動産)
目次
最初に
この度はご懐妊おめでとうございます。
めての妊娠とのことで、日々体調の変化を感じながら過ごしておられることと思います。
そんな中で、ご主人が突然39度の高熱を出してしまったのですね。
しかもコロナやインフルエンザではないとのこと…。
高熱に加えて頭痛や関節痛もあるとのことで、見ているだけでもとてもつらそうで、心配でたまらないですよね。
一方で、一番気になるのは「自分にうつってしまったらどうしよう」「お腹の赤ちゃんに影響はないだろうか」という点かと思います。
妊娠中は使える薬が限られている印象もあって、不安が募るのも自然なことです。
今は「夫を看病したい」「でもお腹の赤ちゃんも守らなきゃ」という2つの思いの間で、きっととても気を張っていらっしゃるのではないでしょうか。
ご主人の体調ももちろん大切ですが、まずはご自身の体調と赤ちゃんを第一に、無理のない範囲で対応していけるように一緒に考えていきましょうね。
妊娠中に家族が発熱したときに感じる“3つの不安”とは
今回のような状況では、「うつらないか心配」「赤ちゃんへの影響が不安」「薬を飲めるのか分からない」という3つの不安が混ざりやすいです。
ですので、次のような状態を目指せると、少し安心につながるかもしれません。
・ご主人を看病しつつも、ご自身は感染予防をきちんと取れているという安心感がある
・万が一体調が崩れても、妊娠中にどう対応すればよいか分かっているという自信がある
・不調が出たときに、どのタイミングで受診するか・どの薬が使えるかを把握している
また、「どこまで近づいてお世話して大丈夫?」「どんな症状が出たら病院に行くべき?」といった具体的な判断基準が分かると、気持ちの負担も軽くなるかもしれませんね。
では次に、医療的な観点から具体的な感染対策や薬の扱い、妊娠中の体調管理について詳しくお伝えしますね。
妊娠中の看病で気をつけたい感染症対策の基本
以下に、妊娠中に日常で意識すると安心な感染症対策をまとめます。
①看病時の感染予防
妊娠中は免疫力がやや低下し、感染症にかかりやすい傾向があります。
風邪や発熱などのウイルス感染は飛沫感染や接触感染で広がるため、以下の点に注意しましょう。
・ご主人と同室で長時間過ごさず、可能なら寝室を分ける
・マスクを着用し、使用後は手を洗って新しいものに交換
・手洗い・アルコール消毒をこまめに行う
・使用したタオル・食器・歯ブラシは共有せず、洗浄・消毒を徹底
・ご主人に咳や鼻水がある場合はティッシュをすぐ廃棄し、手洗いを徹底してもらう
・室内は1時間に1回程度換気し、空気を入れ替える
身近にいると「つい素手で看病してしまう」こともありますが、「お世話した後は必ず手洗い」というルールを決めておくと安心です。
②妊婦さん自身が風邪症状になった場合の対応
妊娠初期〜中期は「普通の風邪」であれば赤ちゃんに直接悪影響を与えることはほとんどありません。
まずは過度に不安にならず、以下のように過ごしてみてください。
<軽症なら自宅で休養と水分補給>
水・麦茶・経口補水液・スポーツドリンクなどでこまめに水分をとり、煮込みうどんやおかゆなど消化の良いものを
<受診の目安>
・38度以上の高熱が続く
・水分や食事がとれない
・強い咳・息苦しさ・胸の痛み
・強い頭痛・全身倦怠感
こうした症状があるときは早めに医療機関を受診してください
③薬・うがい薬の注意点
・市販薬は自己判断で服用しない
市販の風邪薬には複数の成分が含まれており、胎児に影響する可能性がある成分が含まれている場合があります。
・薬は必ず医師・薬剤師に相談して処方を受ける
産科に相談すると、妊娠週数に応じた安全な薬を選んでもらえます。
・ポビドンヨード含有のうがい薬は多用しない
過剰摂取でヨウ素が胎盤を通して赤ちゃんの甲状腺に蓄積し、甲状腺機能低下を引き起こす可能性が指摘されています。
使用方法を守っての使用なら問題ありませんが、基本は水や食塩水でのうがいがおすすめです。
④胎動の確認(中期以降)
妊娠中期以降であれば、風邪をひいたときでも胎動がいつも通り感じられているかを確認すると安心材料になります。
胎動が極端に減った、感じられないなどのときは念のため受診してください。
最後に
ご主人の看病とご自身の体調管理、どちらも大切だからこそ不安になって当然です。
まずは自分と赤ちゃんを守ることを最優先に、無理のない範囲で対応してみてくださいね。
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