お腹の出方で性別がわかる？妊娠中の“迷信”の真実【お悩み相談室】

妊娠中の「お腹の出方」で赤ちゃんの性別を言い当てるという話、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
妊婦健診では女の子と言われたものの、周囲から「男の子っぽい」と言われて混乱しているという30代女性からのご相談です。

今回は、妊娠中のお腹の形と赤ちゃんの性別の関係、そして性別に対する気持ちの揺れとの向き合い方について臨床心理士がアドバイスします。

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最初に

まずは、ご懐妊おめでとうございます。ご体調はいかがですか？

初めての妊娠は不安なことでいっぱいだと思います。
このお返事が、まさきさんのちょっとした息抜きや安心に繋がりますように。

「どちらの性別でも授かれたことは本当にうれしい」と言いながらも、「少しショックを受けてしまって、ごめんね」と自分を責めてしまう——その正直さが、とても人間らしくて正直な方だなと感じました。


妊娠中って、身体が変わるだけでなく、心の中にも“親になっていく新しい自分”が出現する時期なんですよね。
お腹の出方ひとつで「男の子？」「女の子？」と声をかけられ、そのたびに心が揺れるのも無理はありません。

スーパーで買い物していると知らない方からも声をかけられ、勝手に「性別あてクイズ大会」が始まるのも、妊婦あるあるですよね。
そしてそうやって声をかけてくる人は大抵、育児の達人を装った自信満々の非専門家。

彼らは多分、「おめでとう」の気持ちを表現する方法をよく知らないのです。
お腹の形や赤ちゃんの性別を話題にすることで、命が生まれる神秘と幸せに、あやかりたいのではないでしょうか。

お腹の出方は“赤ちゃんの位置”や“体型”で変わる

まず結論から言うと、お腹の出方で性別がわかるというのは迷信です。

亜型として、「妊婦さんの顔つきで赤ちゃんの性別がわかる」というものもありますね。これも迷信です。

妊婦さんのお腹の形は、胎児の大きさ、羊水の量、子宮の傾き、母体の体格、胎位といった要因に影響を受けます。
つまり、同じ「前に出ている」お腹でも、理由は千差万別。
だから「このお腹の出方は男の子っぽい」と言われても、医学的には「いや、それあなたの主観です」で終わりなんです。

未来のイメージを現実に合わせていく“心の準備期間”

まさきさんの「髪を結ってあげるのが夢だった」という気持ち、とても素敵です。
そこに“性別へのこだわり”ではなく、“我が子と過ごす未来への想像”があるのが伝わってきます。
つまり、まさきさんの中ではすでに“親心”がしっかり育っているということです。


心理学的には、「理想のイメージ」と「現実」との間にギャップを感じるのはごく自然な反応です。

性別に関する“ちょっとした残念感”は、誰にでも起こり得ること。
これは「性別選好」ではなく、思い描いていたシナリオと現実を調整するための感覚なのですよね。
頭の中の“未来の我が子像”を、少しずつ現実に合わせていく過程であり、親になる準備の一つです。

もし今、まさきさんの中で「男の子かもしれない」という気がかりがあるなら、それは「愛情が足りない」のではなく、「心の準備をしている最中」なのだと思います。

赤ちゃんが生まれて顔を見た瞬間、「ああ、この子だったんだ」と腑に落ちる方がほとんどです。
だから今は、“混乱中の優しいお母さん”でいて大丈夫です。

最後に

それにしても、お腹の出方で性別を当てる文化、そろそろアップデートの時期かもしれません。
占いの延長なら楽しいけれど、迷信が妊婦さんを惑わせるのはちょっと罪深い。

もし次に誰かに「そのお腹、男の子っぽいね」と言われたら、
笑顔でこう返してみてください。

「どちらの性別でも、会えるのが楽しみです」


どうか残りの妊娠期間、まさきさんが安心して過ごせますように。

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