妊娠中にチーズを食べても大丈夫?注意したい種類と安全な食べ方【お悩み相談室】
チーズが大好きな妊婦さんからのご相談です。
「妊娠中に食べても大丈夫?」「赤ちゃんに影響はない?」と心配になる方も多いですよね。
今回は、妊娠中にチーズを食べるときの注意点や、安全に楽しむための種類の見分け方、食中毒予防のポイントを管理栄養士がわかりやすくお伝えします。
チーズ好きなのですが、妊娠中はチーズを食べない方がいいのか教えてください。ピザやパスタにのっている加熱されたチーズは安心と聞いたのですが、カマンベールやブルーチーズのようなナチュラルチーズは避けた方がいいと耳にして、戸惑ってます。
妊娠中ずっと我慢できる気がしていません。
妊娠中でも安心して食べられるチーズの種類や、注意した方がいいものの区別を知りたいです。食べ方やどれくらいの量ならOKかなど、教えてください。
(30代、女性、ハンドルネーム:クワトロフォルマッジ最強、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
ご質問ありがとうございます。妊娠おめでとうございます。
チーズがお好きな妊婦さんからのお悩みですね。
妊娠中は食べてはいけないものなど、いつも以上に敏感になり戸惑ってしまうお気持ちよくわかります。
出産までの「とつきとおか」、お好きなものを我慢し続けるなんてつらすぎますよね。
出産までのお腹の中にいる赤ちゃんとお母さんが一緒にいれるその貴重なひとときをできるだけ心穏やかにそして安心して過ごせる時間にして欲しいと願います。
チーズには妊娠中に摂ってほしい栄養素も含まれていますのでむしろとっていただくことをおすすめします。
ただ体に良いものでも食べ過ぎてしまうといけないことと、
妊娠中でも安心して食べられるチーズの種類や注意した方がいいものの区別、
また食べ方やどれくらいの量を食べてもよいのかとのご希望にお応えしていきたいと思います。
チーズには妊婦さんにうれしい栄養がいっぱい
チーズには赤ちゃんの骨や歯を作るためのカルシウムが豊富に含まれています。
また脂質代謝をサポートするビタミンB2も豊富なので赤ちゃんの細胞の再生や成長には不可欠です。
妊婦さんが気をつけたい「リステリア食中毒」って?
ですが、チーズについては気をつけないといけない「リステリア食中毒」があります。
これは、生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテなど加熱していない食材に潜んでいる可能性がある細菌で、妊娠中にかかってしまうと「⺟体が重篤な症状になることはまれですが、胎児・新生児に感染による影響が出ることがあります」。と厚生労働省で注意喚起がされています。(※1)
これからクリスマスシーズンに食卓に並ぶ可能性がある食材なので、気を付けてほしいです。
安心してチーズを楽しむために
“ナチュラルチーズ”と製品のパッケージに記載されているものは加熱されておらずリステリア食中毒のリスクがあります。
“プロセスチーズ”と記載があれば一度加熱され加工されたチーズになるので安心して食べていただけます。
このようにパッケージを見て容易に判断ができると思います。
また、リステリア食中毒にかからないように以下の点を工夫してみてください。
① 期限内に食べきるようにし、開封後は期限に関わらずなるべく早く消費しましょう。
②冷蔵庫を過信せず、保存する場合は冷凍庫やチルド室を活用してください。
③リステリアは他の食中毒菌と同様に加熱することで予防できます。
食べすぎは妊娠高血圧症候群のリスクに
またチーズを食べ過ぎてしまうと体重増加や塩分の摂り過ぎになり、肥満やむくみだけではなく妊娠高血圧症候群のリスクとなります。
1日1~2個程度(18g~36g)にしましょう。
最後に
妊娠中に気をつけないといけない食材はありますが、
過度に避けてしまうと赤ちゃんとお母さんに必要な栄養素が不足してしまい、
からだにとってはむしろ悪影響となってしまうこともあります。
そしてお食事は栄養素をただとるためだけではなく、おいしいものを食べてこころもからだも喜ぶという機能もあります。
「出産までは我慢!」しなくていいんですよ。
正しい栄養の知識を学んで、お腹の中にいる赤ちゃんと一緒にいれるおだやかで愛しい時間を大切に過ごしてくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
厚生労働省
▶これからママになるあなたへ食べ物について知っていて欲しいこと:https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf※1
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