妊娠初期のつわりがつらい。男性中心の職場で妊娠報告と業務相談をどう伝える?【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、妊娠初期のつわりと仕事の両立に悩む初マタニティの20代女性からのご相談です。
男性が多い職場で相談相手もおらず、安定期前のデリケートな時期ゆえに「誰にどこまで話すべきか」と一人で抱え込んでいらっしゃいます。

自分と赤ちゃんを守るための考え方を元に、職場への妊娠報告のタイミングや伝え方、無理のない立ち回り方について公認心理師がアドバイスします。

初マタです。妊娠初期でつわりがつらいのですが、職場にはまだ伝えられていません。
業務量が多く、体調が悪い日も無理をして働いてしまい、周りに迷惑をかけてしまうのではと不安になります。
ただ、まだ安定期に入っていないため公に話すのもためらわれますし、上司が男性で普段からあまりコミュニケーションを取れていないことに加え、職場自体も男性が多く妊娠経験を共有できる人がいません

そのため誰にどう相談すればよいのか分からず、気を張りながら仕事を続ける毎日で心身ともに疲れてしまいます。
妊娠中に職場でうまく立ち回るための工夫や、伝えるタイミングの目安があれば知りたいです。

(20代、女性、ハンドルネーム:カホ、職種:IT・エンジニア)


最初に

初めての妊娠、しかもまだ妊娠初期。
つわりで体がつらい中、職場では何もなかった顔で仕事を続けている毎日なのですね。

「迷惑をかけてはいけない」「まだ言う時期じゃない」「でもこのまま無理を続けて大丈夫かな」

そんな思いが頭の中をぐるぐるして、心も体も休まる暇がないのだと思います。

安定期に入っていないこと、男性が多い職場であること、上司との距離感、どれも「相談しにくさ」を積み重ねる要素です
しかもIT・エンジニアのお仕事は、集中力や体力を使う場面も多いですよね。

本当は助けがほしいのに、「まだ言えない自分」「無理をしてしまう自分」を責めてしまう気持ちもあるかもしれません
ここまで一人で踏ん張ってきたこと、あなたががんばってきたこと、すごく伝わってきました

安心して働くために「働き続けるための相談スタンスで」

「安定期に入るまで誰にも言わない」以外にも、実はたくさんの選択肢があります。
妊娠を“公表する”かどうかと、“配慮を求める”かどうかは、必ずしもセットではありません。

目指してほしい状態は、「職場で完璧に理解されること」ではなく、「カホさんが少し安全に、少し楽に働けること」
そのために、情報は最小限でいいのです

たとえば、
「妊娠初期で体調に波があるため、一時的に業務の調整をお願いしたい」という伝え方であれば、詳細な週数や今後の予定まで話す必要はありません。

また、「上司が男性で話しづらい」という点も、とても悩ましいところですよね。
ここで大切なのは、“わかってもらおう”としすぎないこと
共感を期待すると苦しくなりますが、「業務上の調整が必要な事実」として伝えるだけで十分な場合も多いのです。

「申し訳なさ」よりも、「今後も働き続けるための相談」というスタンスで臨めると、少し気持ちが楽になります

職場への妊娠報告のタイミングと伝え方

具体的な工夫とタイミングの目安をお伝えしますね。

伝えるタイミング

妊娠初期であっても、つわりなどで業務に支障が出ている場合は、「体調がつらくなってから」ではなく「つらくなりそうな兆しが出た時点」で、上司や人事に相談して構いません
法律上も、妊娠初期から母体保護のための配慮を受けることは認められています(※1)。

伝え方の一例

実は妊娠初期で、体調にかなり波があります。まだ安定期ではないため公表は控えたいのですが、業務量や働き方について一時的にご相談できないでしょうか

このように、“公表はしないが配慮は必要”という線引きを言葉にしてしまうのがおすすめです。

妊娠中に職場でうまく立ち回るための工夫

次に、職場での立ち回りの工夫です。

体調が比較的安定している時間帯に重要な作業を寄せる

・無理な日は「今日はパフォーマンスが落ちています」と早めに共有する

在宅勤務や時差出勤など、使える制度を洗い出しておく

これらは「甘え」ではなく、仕事を続けるための相談スキルです。

今のカホさんの仕事は、「成果を最大化すること」ではなく、「自分と赤ちゃんを守りながら生活すること」です。

つわりの中で働くというのは、それだけで十分すぎるほど大仕事。
周囲に迷惑をかけないようにと無理を重ねるより、
倒れずに出勤できた」「今日はここまでできた」と、小さな達成を自分で認めてあげてください

最後に

妊娠初期は、先が見えない分、気持ちも揺れやすい時期です。

一人で抱えきれなくなったら、産科での相談や、会社の産業医・人事窓口を頼るのも大事な選択肢です。

カホさんが、少しでも安心してこの時期を乗り越えられますように。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省
▶母性健康管理指導事項連絡カードの活用について:https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm※1

 

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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