立ち上がるとズキッ…妊娠中の坐骨神経痛は受診すべき?【お悩み相談室】
今回は、妊娠中期にお尻から太ももへズキッと走る痛みに悩む30代女性からのご相談です。
家事や育児で休めない中、坐骨神経痛かもしれないという不安や、受診のタイミングに迷いがあるようです。
妊娠中の脚の痛みとの向き合い方について、助産師がお答えします。
妊娠中期に入ったころから、お尻から太ももの裏にかけてズキッと走る痛みが出るようになりました。
調べてみると坐骨神経痛かもしれないと思うのですが、立ち上がるときや長時間歩いたあとに特に強くなり、つい動くのが怖くなってしまいます。
横になると少し楽になるのですが、家事や上の子の世話をしているとまたすぐ痛みが出て、なかなか休めません。
妊娠中だから仕方ないのか、それとも整形外科や産婦人科で相談したほうがいいのか迷っています。
これまでに抱き枕を使ったり、軽くストレッチをしたりしていますが、痛みは完全にはなくなりません。
妊娠中の坐骨神経痛はどう対処すればいいのか、受診の目安や工夫を知りたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:風花リリー、職種:主婦)
最初に
風花リリーさん ご相談ありがとうございます。
妊娠中期頃からお尻から太ももの裏にかけてズキッとした痛みが走るようになり、動くのが怖くなるほどなのですね。
抱き枕やストレッチなどで痛みが和らぐよう取り組まれているものの、痛みがなくなることはなく、どう対処すれば良いのか悩まれているのですね。
今回は妊娠中の坐骨神経痛についてお伝えし、風花リリーさんが生活上での工夫や受診の目安について理解を得られればと思います。
妊娠と坐骨神経痛の関係
妊娠中期から後期にかけて坐骨神経痛で悩まれる妊婦さんは多くいらっしゃいます。
坐骨神経は体内で最も太く長い神経で、からだの左右でそれぞれ脊椎の下部から出て、股関節の後ろを通り、お尻から膝の裏側へと続いています。
坐骨神経痛は、通常は左右どちらか一方に起こり、お尻から太もも、ふくらはぎにかけて電気が走るような痛みやしびれを感じたり、うずくような痛みを感じます。
この痛みは、歩いたり、走ったり、階段を上ったり、足を伸ばすと悪化し、朝起きたときや同じ姿勢で長時間過ごすと、より痛みが強くなりますが、背中を曲げたり、座ると和らぐことがあります。
妊娠中は、赤ちゃんが成長するに伴い子宮も重くなり、子宮が後ろに傾くようになり、坐骨神経が圧迫されること。
そして、お母さん自身の体重増加によって、腰や骨盤への負担が徐々に増加したり、骨盤の開き、姿勢の変化、ホルモンバランスの変化など妊娠特有の要因が複雑に絡み合って痛みが発生すると考えられます。
坐骨神経痛の特徴
妊娠中によく訴えのある腰痛と坐骨神経痛との判断で迷われる方もいらっしゃいますが、坐骨神経痛では、
・お尻から太ももの裏側やふくらはぎにかけて電気がはしるような痛み
・しびれを伴うことが多い
・特定の動作で痛みが強くなる
といった特徴があります。
お腹が大きくなると、バランスを取るために反り腰になる方が多いのですが、反り腰になると、坐骨神経の近くにある梨状筋が引っ張られ坐骨神経を圧迫し、お尻の痛みや痺れを生じる場合があります。
無意識に反り腰になりやすいため、正しい姿勢を意識することも重要です。
骨盤ベルトの着用は、骨盤の安定性が増し、坐骨神経への負担が軽減できる可能性があります。
着用位置がポイントになりますので、着用を希望される場合は、妊婦健診の際に助産師にご相談いただければと思います。
自宅でできるケア
1.簡単なストレッチ
仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せ、10秒ほどキープする
この姿勢では、腰が丸まり、脊柱管が広がり、坐骨神経への圧迫を軽減する効果が期待できます。
お腹の大きさによっては両膝を同時に抱えるのが難しい場合もあると思います。
その場合は、片膝を引き寄せ、もう片方の足は伸ばしておくようにしましょう。
無理のない範囲で、ゆっくりと呼吸しながら5回ほど行ってみてください。
ただし、いずれもお腹が張ったり苦しければ、すぐに中止してくださいね。
2.筋肉の緊張を和らげるためにマッサージ
有効ですが、お腹が大きくなると、バランスを取りにくくなったり、自分でお尻や足をマッサージすることも難しくなってきますよね。
そういう時は、
壁の前に立ち、マッサージボールやテニスボールを壁と背中の間に挟み、圧迫するように左右や上下に身体を揺らす
自分で強さを調整しながら、心地よい刺激を得ることができます。
また、
床にボールを置いて、その上にお尻や太もも裏をのせて、ゆっくりと動く
筋肉をほぐすことができます。
最後に
家事や上のお子さんの子育ては毎日のことなので、休んでばかりもいられないのがツラいところですよね。
1度整形外科を受診して、骨盤ベルトなどサポーターについて相談されたり、状態に合ったストレッチ方法やマッサージなどケアについて教えてもらうのも良いと思います。
妊娠に伴う症状だから仕方がない…ではなく、悪化を防ぎ、少しでも痛みが和らぐことを願っています。
<参考文献・出典>
日本整形外科学会
▶坐骨神経痛:https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_029.pdf
日本臨床整形外科学会
▶坐骨神経痛:https://jcoa.gr.jp/%E5%9D%90%E9%AA%A8%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%97%9B/
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