里帰り出産で親と揉めるのが不安…10年ぶりの実家同居を穏やかに過ごすための産前準備と話し合いのポイントを教えて【公認心理師監修:お悩み相談室】
今回は、約10年ぶりに実家へ長期滞在する里帰り出産を前に、親との衝突や育児への口出しに不安を感じている20代女性からのご相談です。
「お世話になる立場として意見を強く言えないかもしれない」というジレンマを抱え、事前に何を話しておくべきか知りたいと願っていらっしゃいます。
里帰りを穏やかに過ごすコツとして、生活リズム・育児方針・手伝ってほしいこと等の具体的なすり合わせ方や、夜間の話し合いを避ける「避難ルール」、さらには「途中で帰ってもいい」という選択肢についても、公認心理師がお答えします。
妊娠して里帰り出産の予定なのですが、最近「里帰り中に親と揉めて、途中で切り上げて帰ってきた」という話を友人から聞き、不安になっています。
大学進学を機に家を出ているので、両親と1か月以上一緒に過ごすのは約10年ぶりです。確かに今は仲が良くても、久しぶりの同居で戸惑うこともあるのかも…と少し心配です。
友人は、生活リズムの違いや子育てに口出しされて喧嘩になることが多かったようです。
確かに私も意見されると気になるかもしれませんが、里帰りでお世話になっている立場を思うと強く言えない気もして、そこがまた不安です。里帰りを穏やかに過ごすために、事前に両親と話しておくことがあれば教えていただきたいです。
(20代、女性、ハンドルネーム:もちごめ、職種:教育・保育・カルチャー)
最初に
もちごめさん、ご相談ありがとうございます。
里帰り出産を控える中で、ご友人の「親と揉めて途中で帰ってきた」という話を聞いたら、不安になってしまいますよね。
大学進学を機に家を出てから約10年。10年も経てば、お互いに価値観も家族観も変わっています。
今はご両親と仲が良くても、1か月以上一緒に暮らすとなると、話は少し変わってきますよね。
「帰省」と「里帰り同居」の大きな違い
帰省と同居は、似ているようで別物です。
帰省は“お客さんモード”で済みますが、里帰りは生活そのもの。
冷蔵庫の使い方から寝る時間、洗濯物の干し方まで、急に「懐かしの実家ルール」と再開したり、「そんなルールいつできたの?」ということだって起きます。
さらに産後は、寝不足、ホルモン変化、体の痛み、赤ちゃんのお世話が重なります。
普段なら流せる一言も、胸に刺さることがあります。
「お世話になっているから強く言えない」と思うほど、我慢が積もって爆発しやすくなることもあります。
もちごめさんが今から心配しているのは、
産前産後を穏やかに過ごしたい、ご両親を困らせたくないと、真剣に考えているからではないでしょうか。
とても大切な準備だと思います。
里帰りを穏やかに過ごすコツ
4つの揉めやすいポイントを事前相談する
里帰りを穏やかにするコツは、揉めやすいポイントを先に整理しておくことです。
特に話しておきたいのは、生活リズム、育児方針、手伝ってほしいこと、手を出さず見守ってほしいことの4つです。
たとえば、ご両親にこんなふうに伝えてみるのはいかがでしょうか。
-「産後は私も余裕がなくなると思うから、先に相談しておきたいんだけど」
-「赤ちゃんのお世話について、今と昔で違うこともあるみたいだから、病院で言われた方法を優先したいな」
-「すごく助けてもらうことになると思うんだけど、授乳や寝かしつけは私も練習したいから、困ったときに声をかけさせてね」
-「家事は甘えたいけど、赤ちゃんのことはまず私たち夫婦で決めたいと思ってる」
ポイントは、「口出ししないで」ではなく、「こうしてもらえると助かる」と伝えることです。
親御さんも、悪気なく“経験者としての助言”をしたくなるかもしれません。
そこに「昔と今は違うんだよ!」と正面衝突すると、実家リビングが格闘リングになりかねません。
先に「助言がほしいときはこちらから聞くね」と伝えておくと、境界線が少し引きやすくなります。
産後の支援では、「何でも代わりにやってもらう」よりも、「母親が休みながら、自分のペースで赤ちゃんに慣れていける環境」が大切です。
里帰り中は、ご両親に家事や食事の面で支えてもらいながら、赤ちゃんの基本的なお世話については、もちごめさんとパートナーさんが主役でいられる形を作れると安心ですよね。
もし揉めてしまった時のための「避難ルール」 を作る
また、揉めたときの避難ルールも事前に決めておくと安心です。
たとえば、
「しんどくなったら一度部屋に戻る」
「話し合いは夜ではなく昼にする」
「お母さんに言いにくいことはお父さんから伝えてもらう」などです。
産後の夜は、誰もが理性を失いやすい時間帯です。
夜中の話し合いは、だいたい議題が増えて解決が遠のきます。
さらに、里帰りを“絶対に最後まで続けるもの”と決めすぎないことも大切です。
合わなければ早めに帰る、予定を短くする、自治体の産後ケアや家事支援を使う。
そうした選択肢を持っておくことは、親不孝ではありません。
もちごめさんと赤ちゃんが安心して過ごすために必要な調整となる場合があります。
最後に
里帰りは、ご両親に甘える時間であると同時に、新しい家族の形を作っていく時間でもあります。
事前に少し話しておくだけで、衝突はかなり減らせるかと思います。
どうか「揉めたらどうしよう」だけでなく、「一緒に赤ちゃんを迎える準備をしている」と考えて、できるところから言葉にしてみてくださいね。
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