「なんとかなるさ」で乗り切る!イラストレーター・オカチャンが語る、ニュージーランドでの妊娠、出産体験談【体験談インタビュー】

妊娠・出産
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オカチャン

2018年からニュージーランド南島で暮らす日本人ファミリー。11歳・8歳の姉妹と、現地で生まれた0歳の男の子の3児のママ。(2026年7月現在)

国が変わっても変わらない賑やかな日常を、クスッと笑える育児漫画にしてSNSで発信中。

今回は、2018年にニュージーランドへ移住し、現地での妊娠・出産を経験されたオカチャンさんにお話を伺いました。日本とは違うニュージーランドの医療制度や、マタニティライフ、産後ケアまでユーモアたっぷりに語っていただきました!

ホームシックを救ってくれたのは、飾らない「育児落書き」

――オカチャンさんがイラストを描き始めるきっかけを教えてください

本格的に描き始めたのは、1人目の子どもが生まれてからです。
もともと絵を描くのは好きで、学生時代も授業中に先生の似顔絵を落書きしたりしていました。1人目が生まれてから、ミルクの時間などをメモするノートの端に、写真には撮れない日常の瞬間をちょっとずつ描き始めたのがきっかけでした。

インスタでの発信を始めたのは、ニュージーランドに移住してからの心境の変化が大きかったです。当時、3歳と生後6か月の娘を連れて移住したのですが、夫の仕事についていく形だったこともあり、私自身、ひどいホームシックになってしまって……。
現地では日本の子ども向け番組を見ることもできず、おなじみのキャラクターグッズもありません。
本当に何もない!」と感じ、気持ちが落ち込んでしまいました。

そんな時にSNSを開くと、海外在住のママたちがみんなキラキラして見えたんです。
海外生活を楽しみ、自分から望んで移住した人ばかりのように思えて、「英語もできないし、海外生活をまったく楽しめていない私のような人は、ほかにはいないのかな?」と感じていました。
だからこそ、この「キラキラしていない日常」をちょっと面白おかしく描いてみたら、誰か同じような人に届くんじゃないかなと思い、インスタで投稿し始めました。

夫の海外挑戦と、日本とは大きく違うニュージーランドの医療制度

――どのようなきっかけでニュージーランドへ移住されたのでしょうか

鍼灸師である夫の挑戦に、家族でついていく形で移住しました。
夫には以前から、「海外という環境で、自分の鍼灸の技術を試してみたい」という強い思いがあったようです。私もその話を聞き、「それなら、家族でついて行ってみようか」と考え、ニュージーランドへの移住を決めました。

現地での鍼灸の認知度は、日本ほど高くはないものの、思っていた以上に多くの方が知っている印象です。ただ、そもそも鍼灸師自体が少ないため、「施術を受けてみたいけれど、施術してくれる人がいない」という場所に、夫が飛び込んでいったような形ですね。

――ニュージーランドの医療制度は、日本とかなり異なると聞きました

日本では、皮膚科や小児科など、症状に応じて受診したい医療機関を自分で選べますよね。ニュージーランドでは、まず「GP(General Practitioner)」と呼ばれる地域のかかりつけ医を受診します。そこで医師が専門的な診療の必要性を判断し、必要に応じて専門医を紹介してもらう仕組みです。

緊急性が高い場合はすぐに紹介してもらえますが、紹介を受けてから実際に専門医の診察を受けるまで、数か月待つこともあります。

検査なしの初診にびっくり!すべてを自分で手配する現地スタイル

――そんなニュージーランドで、第三子の妊娠が分かった当時の様子をお聞かせください

自宅で妊娠検査薬を使ったところ陽性だったので、まずは先ほどお話しした「GP」へ相談に行きました。日本であれば、すぐに産婦人科を受診して、エコー検査を受けるという流れになりますよね。でも、こちらのGPでは特に検査をするわけではなく、「そうなんだね。では、次はここに行ってね」と案内されるだけなんです(笑)。

その後は、自分で担当の助産師である「ミッドワイフ」を探し、直接連絡を取らなければなりません。担当のミッドワイフが決まってからは、妊娠や出産に関してGPを受診することはほとんどなくなります。

私の場合は、私達の鍼灸院に多くの妊婦さんが患者さんとして通ってくださっていたこともあり、現地のミッドワイフとのつながりがありました。そのご縁で、担当をお願いすることができました。
日本人の助産師さんもいらっしゃいましたが、「せっかくなら、ニュージーランドらしい妊娠・出産を100%体験してみよう!」と思い切って、現地の方にお願いすることにしました。

体重管理なしでストレスフリー!でもエコーが「最低2回」の不安も…

――海外でのマタニティライフはいかがでしたか

1人目と2人目は日本で出産しているので、ニュージーランドでの妊娠生活は本当に驚きの連続でした。

個人的にうれしかったのは、最初に一度だけ口頭で体重を伝えてから、出産まで体重測定がなかったことです。日本では健診のたびに体重計に乗り、毎回注意されていたので(笑)。
体重管理の大切さは分かりますが、体重を過度に気にせずに過ごせたことは、何よりもストレスが少なくてよかったですね。

一方で、エコー検査の回数がとても少ないことには、驚きと不安がありました。特に経過に問題がなければ、妊娠が確認されたときと、妊娠途中のスクリーニング検査の合計2回だけで終わる方もいるそうです。
私自身、胎動を感じるまでは不安が大きかったため、追加の検査を希望し最終的に4回ほどエコー検査を受けました。

全体を振り返ると、私にとっては過ごしやすかったなと感じます。妊娠初期から出産まで、同じミッドワイフさんがマンツーマンで伴走してくれることにも、大きな安心感がありました

ただ、初期のつわりは本当に大変でした!
現地のスーパーでは、自分が食べられるものを探すだけでも一苦労でした。私はうどんに醤油をかけてシンプルに食べたり、美味しい梅干しを作っている日本人の農家さんからお取り寄せをして何とか乗り切りました。日本の母親が送ってくれた「カリカリ梅」も、本当に救世主になりましたね。

オカチャンさんインスタグラム<ニュージーランドで妊娠・出産しました!【妊娠初期編】②>より引用

ちなみに、「現地の妊婦さんたちは、つわりのときに何を食べているの?」と聞いてみたことがあるんです。そうしたら、チキンナゲットのような揚げ物や、シリアルを食べているらしくて(笑)。
現地の方にとっては、それが一般的なようです。日本人の私としては、酸っぱいものや、昔からなじみのあるものが無性に食べたくなりましたね。

地元の小さな施設での心あたたまる出産体験と「まずはママのケアから」心に寄り添う産後サポート

――ご出産は、どのような環境で迎えられたのでしょうか

私が住んでいる町には、小さな出産施設があります。リスクのない自然分娩に対応している施設で、麻酔や緊急手術はできません。そのため、何かあった場合には、ヘリコプターで約30分の場所にある大病院へ搬送される仕組みになっています。

設備の整った大病院で産む選択肢もありましたが、自宅から車で3時間ほどかかるため、出産前から病院の近くで待機する必要がありました。上の子どもたちもいるため、家族の生活を考え、自宅近くの施設で出産することにしました。

出産当日は、ナースさんやミッドワイフさんに励ましてもらいながら、大きなトラブルもなく、無事に出産を終えることができました

赤ちゃんが生まれたあとは、すぐそばで一緒に過ごすことができました。夫が生まれたばかりの赤ちゃんを愛おしそうに抱いている姿を隣で見られたことも、心に残る経験になりました。

ただ、その施設には宿泊することができなかったため、朝7時に出産し、夕方6時頃には帰宅しました(笑)。ニュージーランドでの出産を通してさまざまな違いを経験していたので、その頃にはもう驚きもしませんでしたね。
それでも、周囲の方々に支えてもらいながら、スムーズでシンプルなお産を迎えられたことには、感謝の気持ちでいっぱいです。

オカチャンさんインスタグラム<ニュージーランドで妊娠・出産しました!【出産編】おわり>より引用

―育児指導や産後のケアも、日本とは異なるそうですね

産後の育児ケアも日本との違いを感じましたね。

日本では、授乳の間隔や体重の増え方を細かく確認していた記憶があります。ニュージーランドでは、私が「母乳は足りているのかな」と不安になっても、ミッドワイフさんからは「とにかく飲ませていれば大丈夫!」と言われるくらいで(笑)。授乳の間隔についても細かな指示はなく、最初は少し戸惑いました

私は3人目だったので、「そのうち育つでしょう」と比較的ゆったり構えられましたが、初めての出産だったら、不安を感じていたかもしれませんね。

産後は、ミッドワイフさんが自宅を訪問し、赤ちゃんの様子を確認してくれました。産後の身体で外出する必要がないため、母親にとって、とても負担の少ない仕組みだと感じました。

また、赤ちゃんの健康だけでなく、出産を終えた母親の心の状態も大切にしてくれたことが印象に残っています。私自身の気持ちを細やかに気遣ってもらえたことは、とても心強かったですね。

医療設備や細やかな管理という面では、日本ならではの安心感があると思います。一方、ニュージーランドでは、必要以上に制限されることなく、自分のペースを大切にしながら、自然体で出産や育児に向き合うことができたと感じています。

理想をガチガチに固めず「なんとかなるさ」の精神で

――これから出産を迎える方へメッセージをお願いします

理想のイメージを大切にしながらも、少しだけ心に余白を持っておくと、自分自身を楽にしてあげられるかもしれません」とお伝えしたいです。

例えば「絶対に自然分娩で産みたい」と強く思っていても、出産では緊急帝王切開など、予想していなかったことが起こる場合もあります。そんなとき、思い描いていた出産との違いに、気持ちが追いつかなくなってしまうこともあると思います。

もちろん、バースプランを立て、前向きなイメージを持って出産に臨むことは、とても素晴らしいことです。ただ、「必ずこうしたい」と理想を固めすぎず、「状況が変わっても、それで大丈夫」と思える余白を残しておくことも大切なのではないかと感じています。

お医者さんや助産師さん達を信じて、「なるようになるさ」と、そのときどきの状況を受け入れながら進んでいく。そうした気持ちでいることで、少し肩の力を抜いて出産に臨めるのではないでしょうか。
これから出産という大仕事を迎えるすべての妊婦さんに、少しでもリラックスして、その日を迎えていただけたらと思っています。

――最後にオカチャンさんのリフレッシュ方法を教えてください

「夜、その日に起こった子どもたちの絵を描いている時間」が、一番の最高のリフレッシュになっています。

3人の子育ては慌ただしくて大変なのですが、子どもたちを寝かしつけた後、その可愛い寝顔を隣で見ながら、1日のまとめを育児漫画としてタブレットで描く時間が癒しになっています。この「絵を描く時間」があるからこそ、私は次の日も笑顔で子どもたちと向き合えているのだと思います。

取材を終えて

海外でのホームシックという葛藤から始まり、ニュージーランドならではのお母さんのメンタルを第一に考える医療制度から産後ケアまで、ありのままをユーモアたっぷりに語ってくださったオカチャンさん。

「なるようになるさ」という力強い言葉の裏には、予期せぬ現実を柔軟に受け入れ、すべてを楽しいネタに変えていく、オカチャンさんらしい素敵なしなやかさと強さがありました。

理想の育児や周囲のキラキラした姿に縛られず、目の前の日常をクスッと笑いに変えていくこと。
オカチャンさんの「飾らないライフスタイル」は、毎日を一生懸命に駆け抜ける多くのママたちの心を軽くしてくれるはずです。

オカチャンさんのような前向きな姿を前にして、
自分にはこんな風にできないな……
と落ち込んだり、不安に思ったりしなくて大丈夫です。

初めての土地での孤独や、妊娠・出産にまつわる不安をひとりで抱え込んでしまうのは、それだけあなたが毎日を一生懸命に頑張っている証拠だから。

「なるようになるさ」と思えない日があっても、オカチャンさんのように周囲の手を借りたり、その時々の流れに身を任せたりしながら、少しずつ心と身体に余裕をつくっていきませんか。

知ってハレばれには、専門家が温かく答えてくれる「お悩み相談」や、ライフステージに寄り添う情報がたくさんあります。ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。

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#妊婦健診
#産後ケア

(取材:2026年7月)


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