生理のたびに血の塊が…これって異常？受診の目安は？【お悩み相談室】

今回は、生理の出血量が多く、血の塊が出ることに不安を感じている女性からのご相談です。特に体調不良はないものの、婦人科を受診すべきか迷っているとのこと。

血の塊が出るのは異常なのか、貧血や婦人科系疾患のリスクはあるのかなど、受診の目安について助産師が詳しく解説します。

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血塊は病気であるとは限らないが、過多月経が疑われるかも

ご相談ありがとうございます。

月経中に血の塊（血塊）以外に自覚症状はないものの、貧血や何らかの婦人科系の病気かも…と不安に思われているのですね。

血塊が出るからといって、必ずしも何らかの病気であるとは限りません。

月経血には、経血とともにはがれ落ちた子宮内膜も含まれていますが、酵素の働きによってサラサラになって排泄されます。排泄されるまでに時間がかかる場合は１～２cm程度に固まって血塊となってしまうことがありますが、それ以外にも月経血量が多いと、酵素がサラサラにしきれず、レバーのような血塊が排泄されます。

そのため、血塊が頻繁にでる場合や、数センチ以上の大きな血の塊がでる場合、月経血量が150ml以上ありそうな場合は、過多月経(※)が疑われます。

過多月経は月経血量が多い場合をさしますが、以下に当てはまる項目がないかをご確認ください。

・月経血量　150ml以上

・血塊　頻回もしくは数cm以上のものがでる

・出血持続期間　８日以上

・日中でも夜用ナプキンを２～３時間おきに変える必要があるほどの経血量

・めまいや立ち眩み、動機、息切れなど貧血症状がある

過多月経の原因とは

また、過多月経の原因には、機能性（原因となる疾患がない）、器質性（何らかの疾患によるもの）、内科系疾患などがあります。

●機能性過多月経

　思春期～20代前半や更年期に近い40代前後の方に観られることが多く、ホルモンバランスの乱れや、排卵が起こらず子宮内膜の増殖が続き、維持できなくなり出血する（破綻出血）場合に、結果として出血量が多くなる場合があります。

●器質性過多月経

　子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症や子宮腺筋症などが代表的な疾患で、内診、超音波検査、MRIなどで診断します。

　しかし、他にも子宮頸がんや子宮体がんによっても月経血量が増えることがあります。

●内科系疾患

　血液が固まりにくくなるような血液疾患などがあり、過多月経をきっかけに疾患がわかる場合もあります。

　器質性過多月経の場合は、病状の進行に従い出血量も多くなる可能性があり、月経血量が以前より増えてきた場合や、『気になる』という場合、3ヶ月ほど血塊が多いのが続く場合などは、病院受診を検討いただければと思います。

安心するためにも病院受診を検討してみて

何らかの病気の可能性があるから受診する、というのはもちろん大切ですが、気になっていることが疾患によるものではないことを確認し、安心するためにも病院受診を検討いただければと思います。

月経に関することは、人と比べにくく、また症状も様々ですが、日本人女性の7～８割ほどの方が、何らかの月経に付随する症状を抱えていると報告されています(※)。

生理のたびに毎回不安になっていることが、現在の状況が病気ではないと安心できれば、今よりも月経を迎えることが気に病まなくなるのではないかと思いますし、今よりも血塊が増えた場合や貧血や月経痛など何らかの症状が出た場合には、再度病院受診を考えるご自身の中での基準にもなるかと思います。

産婦人科では、がん検診も行っていますので、何らかの病気の疑いがなくても、ご自分の健康管理のために女性の身近なヘルスサポーターとして捉えて、気軽に受診いただければと思います。

＜参考文献・出典＞※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産婦人科医会
▶正常な月経の目安：https://www.jaog.or.jp/qa/youth/qashishunki5/

厚生労働省
▶働く女性の健康課題とその対策：https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001233454.pdf

一般社団法人 日本女性心身医学会
▶過多月経：https://www.jspog.com/general/details_68.html

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