PMSと避妊用のピルって別?ピルは保険適用になる?【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、PMSの症状に悩み、市販薬や漢方でも効果を感じずピルを検討している20代女性からのご相談です。
「ピルは保険適用されるの?費用は?避妊効果もある?」と、治療を始めるにあたっての疑問を抱えていらっしゃいます。

この記事では、ピルの保険適用の条件や費用、避妊効果、通院ポイントなどについて、薬剤師がお答えします。

PMSが毎月つらくて、気分のムラとか頭痛、腹痛に振り回されてます…。市販の薬とか漢方も試してるんですけど、あんまり効いてる感じがしなくて、そろそろ婦人科でピルをもらおうかなって思ってます。でも、「ピルは保険適用されないよ」って人と「私は保険で処方してもらえたよ」って人がいて、どっちがホントなのかよくわかりません。保険がきく場合ときかない場合って何が違うんでしょうか?お金もどれくらいかかるか教えて欲しいです。あと、ピルって避妊にも使えるイメージなんですけど、処方されたピルで避妊効果もあるんでしょうか?土曜も仕事ですし、お休みを取らないと婦人科に行けないので、通う回数が少なくなるよう色々教えて欲しいです。

(20代、女性、ハンドルネーム:ぺぺっち、職種:飲食)


最初に

「毎月のPMSがつらい」という気持ち、本当にお疲れさまです。
気分の波に翻弄されるだけでなく、頭痛や腹痛といった体の症状もあると、仕事や家のこと、人付き合いすらも思うようにいかなくて、しんどい日が続いてしまいますよね。

しかもそれが毎月繰り返されるとなると、どこかで「もう我慢するのは限界かも」と感じるのも自然なことだと思います。

市販薬や漢方を試しても「これといった効果を感じない」となると、いよいよ婦人科に行ってみようかな…という気持ちになるのも、まさにご自身の体と丁寧に向き合っている証拠だと感じました。

でも、いざ病院に行こうと思ったときに「ピルって保険適用になるの?」「どれくらいお金がかかるの?」といった疑問が出てくるのもすごくよくわかります。
周りから聞く情報もバラバラだと、余計に迷ってしまいますよね

そして土曜もお仕事とのこと。
何度も通うのは難しいからこそ、事前に必要な情報をしっかり知って、スムーズに治療を始めたいと思うのも当然のことだと思います。

治療を始める前に不安を整理してみよう

PMSのつらさが毎月やってくるとなると、「どうすればもっとラクに過ごせるのか」「治療を始めるとどんな変化があるのか」という点が気になりますよね。

たとえば、「PMSの症状が軽くなって、気分の波や体の痛みに振り回されない日が増える」と、それだけで毎日の過ごしやすさはぐっと変わってくるのではないでしょうか。

また、「自分の生活リズムに合った治療の選択肢がある」と知っておくと、無理なく続けられそうかどうかも判断しやすくなります。


保険がきくかどうか、費用がどれくらいかかるか、避妊の効果はあるのか、通院はどれくらい必要なのか…そのあたりを先に把握できると、不安が少し和らいで「やってみようかな」と前向きに考えられるかもしれませんね。

そしてピルという選択肢も「避妊だけが目的の薬」というよりは、PMSをはじめとした女性特有のつらさをやわらげる治療のひとつとして、もっと安心して相談できるような情報があれば心強いのではないかと思います。

ピルは保険適用される?費用や効果を解説

ピルにはさまざまな種類がありますが、PMSや生理痛など月経に関連する不調を治療する目的で処方される場合、基本的には保険適用となります。

医師の診察で症状を伝えると、月経困難症やPMSなどの診断がつき、その治療の一環としてピルを処方してもらうことが可能です。
この場合3割負担での受診・処方が可能で、薬代も1ヶ月あたり1000円前後からとなることが多いです。

一方で、避妊だけを目的に処方されるピルは自由診療扱いとなり、全額自己負担になります。
金額としては1ヶ月あたり2000〜3000円前後が相場です。


ただし、治療目的で処方されるピルにも避妊効果はあります
つまり、PMSの治療としてピルを使いながら、避妊の効果も同時に得られるということになります。

忙しい人に嬉しいオンライン診療

通院については、初回は婦人科での診察を受けるのが安心ですが、継続的に処方してもらう段階ではオンライン診療という選択肢もあります。

夜間診療に対応しているところもあり、土曜勤務の方にも便利です。


ただし、オンライン診療では詳しい検査や処置ができないため、症状が重い場合や初めての方は対面診察が推奨されます。
また、薬は基本的に配送になるため、即日ではなく翌日以降の受け取りになります。

最後に

体調と生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
まずは一歩踏み出して、自分の体をラクにする方法を見つけていきましょう。
きっと、今より少し、過ごしやすい毎日が見えてくるはずです。

<参考文献・出典>

低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤のガイドライン作成小委員会
▶低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案) :https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf

<本記事の回答者>

北里大学薬学部卒業後、総合病院産科病棟で勤務した経験をもとに、主に妊活~授乳期にかけての薬の飲み合わせやお子さんの予防接種についてのご相談を専門にしています。私たちの日常のそばにある薬だからこそ、正しく使っていただきたい、そんな思いで回答しております。薬について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


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