PMSが急にひどくなりました。これって年齢のせい?【お悩み相談室】

生理・PMS
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生理前に寒気や頭痛、関節痛といった風邪のような症状が急に強く出るようになり、不安を感じておられる40代女性の方からのご相談です。加齢との関係も気になっているそう。

ホルモンバランスのゆらぎが起こりやすい年代に起きやすい体調変化や、セルフケアの方法について、助産師がアドバイスします。

急にPMSが悪化したような気がします。
先月の生理前日、蒸し暑いのに悪寒が止まらず、倦怠感・頭痛・関節痛が一気に出て発熱も疑いました。鉛のように体が重く震えながら入浴し早めに就寝すると、翌朝には症状が消えて生理開始。以前も生理前に風邪のような不調はありましたが、発症はもっと早く軽度でした。今月も同様の悪化を恐れていたところ、やはり生理直前の昨夜から偏頭痛が激化し寝込み中(寒気や関節痛は今のところ無し)。加齢によるホルモン変動など体からの警告かと不安です。40代後半という年齢は関係するのでしょうか

(40代、女性、ハンドルネーム:ハナハナ、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

ご相談ありがとうございます。
毎月の生理前に体調が崩れることはあっても、今回のように寒気や頭痛、関節痛が一気に出てきたのは初めてで、戸惑いや不安が大きかったのではないでしょうか。
今月も偏頭痛で寝込んでしまったとのこと、お体も心もお疲れのことと思います。

その体調不良、ホルモンのゆらぎかもしれません

40代後半という年齢は、女性ホルモンの分泌がゆらぎやすくなり、体調や気分にこれまでとは違った変化が出やすくなる時期です。

女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2つの種類があり、月経周期にあわせて分泌量が大きく変化します(※)。
この変化が、心や体の調子にも影響を及ぼすのです。

今感じている不調も、こうしたホルモンのリズムの乱れによるものかもしれません。
「おかしいな」と感じたときに無理をせず、自分の体の声に耳を傾けること
それが体を整える第一歩になると思います。

ホルモンの波でぶれない体づくりを

「ホルモンの波に揺さぶられない体」を目指してみませんか?

今のような症状は、PMS(月経前症候群)だけでなく、年齢に伴うホルモンバランスの変化が重なって出ている可能性があります。
ホルモンバランスの乱れは、ちょっとしたきっかけで心身に不調をもたらすことがあります。
生理前になると不安感が強くなったり、眠りが浅くなったりするのもその一例です。

でも、これを「年齢のせい」と決めつける必要はありません
まずはホルモンバランスのゆらぎを意識したケアを取り入れてみて、ご自身に合った方法で心と体を整えていけたら、それだけでも大きな前進になるのではないでしょうか。

たとえば、

  • ホルモンバランスを支えるような生活習慣を心がけること
  • 自律神経が乱れにくいよう、ストレスケアや睡眠を大切にすること
  • 体の冷えを防いで血流を良くすること

こういったことを意識していくことで、症状が軽くなる方もいらっしゃいます。
特別なことをする必要はありません。
小さな習慣を積み重ねることで、体は少しずつ応えてくれるものです。

「こういうことで変わるんだ」と気づけたとき、きっと気持ちも軽くなるはずです。

ホルモンを整えるためにできる具体的なセルフケア

女性ホルモンのバランスを整えるために、日常生活の中でできることを少しずつ取り入れてみましょう。

冷え対策をして血流アップ

冷えはホルモンバランスや自律神経の乱れにつながります。
夏でも首・お腹・足首を冷やさないように意識し、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのがおすすめです。
入浴時にアロマオイル(ゼラニウムやクラリセージなど)を使えば、リラックス効果も期待できます。

食生活の見直し

女性ホルモンの材料となる「脂質」や「たんぱく質」をしっかりとることが大切です。
大豆製品(納豆・豆乳・味噌など)に含まれるイソフラボンや、卵・魚・ナッツ類などを意識的に摂りましょう。
ビタミンB群やマグネシウムも、ホルモンや神経の働きを整えるために重要な栄養素です。

自律神経のケアを意識する

朝は太陽の光を浴びて体内時計を整え、夜はスマホを控えて睡眠の質を高めましょう
呼吸が浅くなっていると感じたら、深呼吸や軽いストレッチで体をゆるめてあげてください。

症状がつらいとき婦人科に相談

セルフケアだけではコントロールが難しいときや、「これって本当にPMS?」と不安なときは、迷わず婦人科を受診してみてください。
必要に応じてホルモンの状態を調べてもらったり、漢方薬などで整える選択肢もあります。

最後に

「年齢だから仕方ない」とがまんしすぎず、安心できる環境でサポートを受けることも、自分を大切にする一歩です。

ホルモンの波に左右されすぎず、自分らしく穏やかに過ごせる時間が増えていくといいですね。
体の声に耳を傾けながら、無理のないペースで整えていきましょう。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/roudoukyoku/content/contents/002047354.pdf

<本記事の回答者>

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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