40代後半からの生理痛。更年期を少しでも楽に過ごすには【お悩み相談室】

更年期
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今回は、40代後半に入り、急に生理痛が強くなったと悩む女性からのご相談です。検査では異常なしと言われたものの、ロキソニンも効かず、薬に頼らない方法を探しているとのこと。

更年期に生理痛が強まる理由や、体に優しいセルフケアの工夫、受診の目安について助産師がやさしくアドバイスします。

40代後半に入り、生理痛がとてもつらくなってきました。婦人科でエコーや血液検査を受けましたが特に異常は見つからず、更年期によるホルモンバランスの乱れが原因かもしれないと言われました。これまでそれほどひどくなかったのに、最近は日常生活にも支障が出るほどの痛みです。ロキソニンを処方されましたが、できれば薬に頼らず和らげる方法が知りたいです。というのもロキソニンを飲んでも痛みが全然緩和されないんです…これまで生理痛も経験したことがなかったので、もうすぐ生理が終わるのにここにきて生理痛に悩むとは思っていなくて、つらいです。更年期に入ってから生理痛に悩む方っていらっしゃいますか。皆さん更年期をどう乗り越えたのか教えていただきたいです。

(40代、女性、ハンドルネーム:mi-na、職種:医療・介護・福祉)


最初に

40代後半になってから、生理痛が急に強くなってしまったのですね。
婦人科での検査では特に異常はなく、更年期によるホルモンバランスの乱れが関係しているかもしれないと言われたものの、これまで経験のなかった強い痛みが日常生活にも影響してしまっているとのことで、その辛さは本当に大きいことと思います。
さらに、ロキソニンも効果が感じられず、薬に頼らずに和らげる方法を探しておられるのですね。

更年期に入ってからの変化に戸惑いや不安を感じつつ、「もうすぐ閉経かもしれないのに、なぜ今こんなに…」というやるせなさも重なっておられるのだと思います。

同じような経験をしている方がいるのか、どうやって乗り越えているのか知りたいというお気持ちも、とても自然なことだと思います。

痛みと向き合うために大切な二つのアプローチ

まずは「この痛みの正体を理解すること」と「少しでも生活の質を保てる工夫を見つけること」の二本立てで考えるとよいかもしれません。

原因が更年期によるホルモン変動であっても、痛みの背景には子宮や骨盤周囲の血流の変化、筋肉や神経の過敏さが関係していることもありますので、その仕組みを知ることで不安が少し軽くなることもあるかもしれません。


そして、お薬は困った時のとても心強い存在ではありますが、それだけに頼らず、温め方、運動、食事、生活リズムなど、体に優しく働きかける方法を試す方向も考えるといいかもしれませんね。
同じような症状を経験している方々の工夫や乗り越え方を知ることは、安心感にもつながりますし、「自分だけではない」という心の支えにもなるかと思います。

更年期に生理痛が強まるのはホルモンの影響

更年期は卵巣の働きが徐々に低下し、エストロゲンが大きく変動します。
このホルモンの変化は、子宮内膜の反応やプロスタグランジンという痛みを引き起こす物質の産生にも影響します。

そのため、今まで生理痛がなかった方でも、更年期に入って急に痛みが強くなることは実は珍しいことではありません

薬に頼らず痛みをやわらげる生活習慣のヒント

薬以外で和らげる方法として、東洋医学の考え方の「体をしっかり温めることが大切」というものがあります。


下腹部や腰にカイロを当てる足湯やぬるめのお風呂で全身を温めることで、骨盤内の血流が改善し、痛みが軽くなることがあります。

また、ストレッチや軽いウォーキングで筋肉の緊張をほぐすことも有効です。
特に骨盤周囲や太ももの付け根を柔らかく保つ動きは、血流改善につながることも期待できます。

食事面では、抗炎症作用が期待できる青魚のEPA・DHA、ナッツ類、緑黄色野菜を取り入れることが勧められています

カフェインや冷たい飲み物、糖分の多い食品は体を冷やしたり炎症を助長することがあるため、できれば控えると良いとも言われることがありますよ。

また、呼吸を意識的にゆっくりすることなどで、自律神経を整え、痛みの感じ方をやわらげる効果があります。

症状が続くときは医師に相談し新たな方法を探そう

以上の工夫を試していく中でも、もし今後、痛みがさらに強くなる、経血量が急に増える、出血が不規則に長く続くといった変化があれば、早めに医療機関を受診して再度評価を受けると安心です。
子宮筋腫や腺筋症といった病気の有無を確認してもらえることもありますし、痛み止め以外にも体質に合わせた漢方薬などの選択肢が提案されることもあります。

ロキソニンで痛みが和らがないことを率直に伝えることで、別の方法を勧めてもらえる場合もありますので、遠慮せずに相談されてみてください

最後に

ご自身に合った対処法が見つかるまでには時間がかかることもありますが、決して我慢しすぎずに工夫を重ねていけば、必ず楽になる道が見つかっていきます。
どうか「今は通過点」と思いながら、ご自分の体と無理なく付き合っていただければと思います。

<参考文献・出典>

公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/

女性の健康増進「ヘルスケアラボ(厚生労働省事業)」
▶更年期に多い症状と病気:https://w-health.jp/
▶月経困難症:https://w-health.jp/monthly/dysmenorrhea/

<本記事の回答者>

助産師として大学病院や自治体など多様な現場で経験を積み、妊娠・出産・育児から更年期まで、女性のライフステージ全体をサポートしています。誰にも相談しづらいお悩みも、どうぞお気軽にご相談ください。


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