PMSで気分が落ち込む…不規則な生理でも症状を予測できる?【お悩み相談室】

生理・PMS
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生理前の気分の落ち込みやイライラに悩んでいませんか?
「これってPMS?」と気づいても、生理が不規則だと予測も難しいもの。
今回は、生理前、接客業で笑顔が作れないと落ち込む20代女性のお悩みです。
看護師が日常で取り入れられる工夫をお答えします。

ここ数ヶ月、生理前になると気分が落ち込んだり、イライラしたりして、「なんでこんなに不安定なんだろう?」と思ってました。ネットで検索してPMSという症状があることを知ってからは、生理が来てから「ああ、またPMSだったんだ」と気づく感じです。
アパレルで働いているんですが、接客のときに感情の浮き沈みがあると、うまく笑顔が作れなかったりで…。今はアルバイトで正社員になりたいんですが、「こんな事じゃダメなのに」と落ち込んでしまってます。
シフト制なので生活リズムを整えるのが難しいのと、生理が不規則なので予測を立てるのが難しいです。
PMSの症状って生理の何日前から出るものなのか、生理が不規則でも予測する方法があるのか、教えていただきたいです。

(20代、女性、ハンドルネーム:みずたま、職種:販売・サービス)


最初に

ここ数ヶ月、生理前になると気持ちが落ち込んだり、イライラしてしまうのですね。
接客のお仕事をされていると、笑顔をつくるのも大事だからこそ、その波に振り回されるのはとてもつらいと思います。

「なんでこんなに不安定なんだろう?」と自分を責めてしまったり、「正社員になりたいのに、このままじゃ…」と不安になる気持ちもよくわかります。

シフト制で生活リズムが整えにくく、生理周期も不規則となれば、先が読めずに余計に不安になってしまいますよね。


まずは、そんな中でも一生懸命に働いて、気持ちと向き合おうとしていること自体が立派なことだと思います。

周りからは見えにくいかもしれませんが、毎日をこなすだけでも大きな努力です
その頑張りをどうか軽く見ず、まずは「ここまでやれている」と認めてあげてくださいね

自分のパターンを見つける

PMSは、人によって出てくるタイミングや症状の強さが違います。
一般的には生理が始まる3日〜10日前くらいから出やすいとされていますが、「必ずこの日から」という決まりはなく、個人差が大きいのです。

ですので、「このくらい前から気をつけてみよう」と、自分のパターンを少しずつ知っていけると良いかもしれませんね。


生理が不規則で予測が難しい場合でも、体温や気分の変化をメモしておくと「そろそろかな」と目安がつけやすくなることがあります。

アプリを使う方も多いですし、手帳に簡単に残していくだけでも十分役に立ちます。
そうすると「突然来るつらさ」に振り回されず、少し心の準備ができるようになります。

さらに、日々の体調や気分を記録していくことで「この日は特に眠くなる」「肌の調子が悪くなる」など自分だけのサインが見えてくることもあります。
自分の体の声を少しずつ理解できるようになると、不安も和らぎ、次に備える工夫がしやすくなるでしょう

体温の変化から予測する

医学的にPMS(月経前症候群)は、生理前の黄体期と呼ばれる時期に、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が大きく変動することで起こるとされています(※1)。

この変化が脳内のセロトニンにも影響し、気分の落ち込みやイライラを感じやすくなるのです。
生理が始まると数日で症状が軽くなるのが特徴です。


生理不順があると、排卵日がずれてPMSの出るタイミングも毎回変わってしまいます。
そこで役立つのが『基礎体温の記録』です。

排卵後は体温が上がり、高温期に入ります。
この時期が「黄体期」で、PMSが出やすい期間です。
体温の変化を見ていくことで、自分の体調のリズムが少しずつつかめるようになります。

最近では、基礎体温と体調を入力すると排卵日や生理日を予測してくれるアプリもあり、
不規則な方でも自分のリズムを把握しやすくなっています

眠りの質を高める

また、シフト制のお仕事で生活が不規則になりやすい場合は、
眠りの質を大切にすることがポイントです。

寝る前にスマホを控えて照明を落とす、ラベンダーやカモミールなどリラックスできる香りを取り入れる温かい飲み物で体をゆるめるといった工夫が役立ちます。

軽いストレッチや深呼吸を取り入れると、自律神経のバランスも整いやすくなります。


さらに食事では、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウムを意識すると神経の安定につながります。

カフェインや甘いものを控えると眠りが深くなる方も多く、症状が軽くなる可能性があります。


それでもつらいときには、婦人科で相談してみるのがおすすめです。
低用量ピルでホルモンバランスを整える方法や、体質に合わせた漢方薬などがあります。
自分一人で耐えるのではなく、専門家に頼ることも大切です。

最後に

無理に「頑張らなきゃ」と思う必要はありません。
「今日はちょっと休もう」「できることを一つだけやろう」と思うだけで十分です。

PMSがあるからこそ、自分を大事にする時間を持つことが必要なのだと考えてみてください。

小さな工夫の積み重ねは、やがて「大丈夫」という安心感につながり、日々を少しずつ前向きに過ごせる力になってくれるはずです。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/※1

<本記事の回答者>

加藤早紀

看護師/体外受精コーデイネーター

所属:株式会社ファミワン

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を望む方に寄り添いサポートしています。看護師や体外受精コーディネーターとしての経験をもとに、治療の選択やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで総合的にご提案。あなたの妊活が前向きなものになるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。


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