PMSで別人のようになる妻…心療内科をすすめる前に知っておきたいこと【お悩み相談室】

生理・PMS
記事をシェア

今回は、生理前になると感情の波が大きくなり、怒りや涙が強く出る妻を前に、どう関わればよいのか悩んでいる30代男性からのご相談です。
PMSの可能性を感じつつも、自分の気持ちも限界に近づいており、心療内科をすすめるべきか迷っているとのこと。

パートナーの気持ちを傷つけずに状況を改善するための考え方や、夫としてできる関わり方について、公認心理師がアドバイスします。

ここ数年、妻の感情の波に振り回される日々が続いています。
特に生理前になると、怒りっぽくなったり、涙もろくなったり、まるで別人のようです。
普段はとても穏やかで優しい人なのですが、PMSなのかな…と思っています。

ただ、こちらも気持ちが折れそうになることもあり、最近「心療内科をすすめたほうがいいのでは」と考えるようになりました。
でも、どう切り出せばいいのかわかりませんし、そもそもそれが正解なのかも自信がありません。
妻の気持ちを傷つけずに、この状況を少しでも改善するにはどうしたらいいでしょうか

(30代、男性、ハンドルネーム:yoshi、職種:専門職)


最初に

ここ数年、パートナーさんの感情の波に翻弄される日々…本当にお疲れさまです。

Yesと言っても怒る、Noと言っても泣く。
「じゃあどうしろって言うんだい!?」と“お手上げ状態”になることもしばしばあるのでは?


怒ったり泣いたりを繰り返す姿を前に、「いつもの穏やかな彼女はどこへ行ってしまったんだろう」と戸惑いますよね。


頭では「PMSなのかも」と理解しようとしても、心が折れそうになる瞬間が沢山あると思います。

受診をすすめたいと思うのは誠実なSOS

現状の中で「心療内科をすすめた方がいいのでは」と考えるのは、ごく自然な発想です。

何とか助けたいし、自分も限界を感じている——それは冷たさではなく、誠実なSOSだと思います。


ただ、悩ましいのは、「どう切り出せばいいかわからない」というところ。


少し言い方を間違えると、


「私を病気扱いするの?」

「自分じゃ手に負えないから受診して一人でどうにかしろってこと?」


と受け止められてしまうかもしれません。


PMSの渦中にあるとき、人は自分の情緒の乱れを自覚していることが多いからこそ、他人から指摘されると余計に傷つきやすいのです。

相手を傷つけない伝え方のポイント

もし伝えるなら、「受診してほしい」ではなく「一緒に作戦を立てたい」というメッセージとして届けるのが良いかもしれません。

たとえば、

「最近、波があるみたいでつらそうに見える。僕もどう支えたらいいか迷ってて…一緒に相談できる場所があると安心かもね」といった伝え方です。

「僕も困っているけど、あなたのせいではない」というスタンスをはっきりさせることで、パートナーさんは“責められている”ではなく“理解されている”と感じやすくなります

また、本人が「病院なんて大げさ」と抵抗を示す場合は、

「PMSの相談って婦人科や助産師さんのオンライン相談でもできるらしいよ」と、ハードルを下げるのも一つの方法です。

そして何より大切なのは、「あなたのために」ではなく「僕たちの関係を守るために」という視点
これは“見放す”行動ではなく、“チームで取り組む”行動です。
共通の問題に、一緒に取り組むのです。

PMSはホルモン変化という生理現象

PMS(月経前症候群)は、排卵後に増えるプロゲステロンというホルモンの変化によって、脳内のセロトニンのバランスが崩れ、気分の安定が崩れることが原因かもしれない…と言われています。

でも、詳しいことはまだまだ研究の途中で、わからないことも多いのです。


わかっているのは、怒りっぽくなったり涙もろくなったりするのは“性格”ではなく“生理現象”だということです。

とはいえ、周囲の人にとっては嵐のように感じられるもの。

解決提示よりも『安全な避難所役』を

パートナーとしてできることは、「無理に話をまとめない」こと

PMS期は、解決よりも“安全な避難所”のような存在が求められます


何を言っても逆効果になりそうなら、
「今日は荒れ模様だから、いったん避難所(=別室・カフェ・散歩)に退避!」くらいのノリで構いません。

避けるのではなく、嵐が過ぎるのを待つ作戦です。



また、PMSが長引く・強い場合は、
婦人科での診断や治療(低用量ピル、漢方薬、生活習慣改善など)で軽減することもあります。
その際、「自分も一緒に聞いてみたい」と同行するのも、信頼を深めるチャンスです。

最後に

PMSの正体は、二人の関係を壊す悪者ではなく、「協力関係を試してくる月イチのテスト」なのかもしれません
完璧な答えを出す必要はありません。

yoshiさんが「投げ出さず、どうすればいいか考えよう」としていることが伝わったら、パートナーさんにとってとても心強いと思いますよ


きっと二人にしか築けない協力の形が見えてくるはずです。応援しています。


<参考文献・出典>

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf


<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 生理・PMS > PMSで別人のようになる妻…心療内科をすすめる前に知っておきたいこと【お悩み相談室】