自律神経失調症は自然に治る?産後不調の悩み【お悩み相談室】
今回は、産後うつをきっかけに自律神経失調症と診断され、動悸やめまい、強い倦怠感などの不調が続く30代女性からのご相談です。
家事をこなすだけで精一杯の状態で、受診すべきか、自力で治せるのか悩んでいるようです。
症状の特徴や受診の必要性について助産師がお答えします。
自律神経失調症って自然に治りますか?
産後うつからの自律神経失調症になっていると診断されました。
肩こりや吐き気、頭に心臓があるみたいにドクドク動悸がしたり、目まいや倦怠感など、毎日ぐったりしています。
なんで私だけこんな辛い思いをしなければいけないんだろうと悲観的になることも多いです。
何をするにも億劫になってしまい、外出もしんどく感じます。
家事をするのが精一杯といった感じです。
夫は積極的に家事や育児に参加してくれますが、
こんな母親、こんな妻では…と自分がとても嫌になります。
専門医を紹介されましたが忙しくなかなか行けませんし、自力で治したいんですがどうしたらいいでしょうか?
やはりストレスを切り離して、ちゃんと食べて寝るしかないですか?
(30代、女性、ハンドルネーム:Ella、職種:クリエイティブ)
最初に
産後うつをきっかけに自律神経のバランスを崩し、肩こりや吐き気、動悸、めまい、強い倦怠感など、毎日とてもつらい状態で過ごしておられるのですね。
家事をするのが精一杯で、外へ出ることさえしんどく感じる日も多いとのこと。
かなりお辛い状況かと思います。
産後はどうしても心が揺れやすい時期ですし、いまの状態は、身体と心が精一杯頑張ってきた証にも感じます。
「少しでも楽な時間を増やすこと」を目指す
「自然に治るのか」という問いには、確かに良くなっていく方もいるのですが、産後の自律神経の乱れは、生活だけで立て直すには負担が大きいこともあるという認識の方がいいかもしれません。
ひとつの目標として、「全部を治そうと気負うのではなく、少しでも楽な時間が増えていくこと」を目指すのはどうでしょうか。
そのためには、
・医療の力を「頼る」選択肢として置いておくこと
・日常の負担を少しずつ減らし、体を回復のほうへ向かわせること
・ストレスを切り離すというよりは、刺激を弱めていくことに意識する
こうした柔らかい方向づけが役に立つと思います。
人に頼ることを覚えていく
そして、人は誰もが一人では生きていくことができず、頼れること、頼り方を覚えていくことを「自立」と言われたりもします。
産後という時期は、まさにその「自立」のための練習の時期でもあります。
自力だけで何とかしようとするほど、体が追いつかず、回復が遠のいてしまう場合もありますから、どうにか「人を頼ることが必要な力なんだ」とスキルを身につけるようなイメージで受け入れられると、道が開けやすくなるかもしません。
専門医への早め受診で回復スピードが上がる
自律神経失調症という状態は、
ホルモンの変動、寝不足、緊張、生活リズムの乱れ
など、多くが重なったときに現れやすいものです。
産後はそのすべてが起こりやすく、決して珍しいことではありませんし、
「性格」「気の持ちよう」で起きるものでもありません。
自然回復する可能性はありますが、産後の自律神経の乱れは、放っておくと長引きやすいといわれています。
早めにケアを始めたほうが、回復のスピードがぐっと上がる方が多いですよ。
専門医の受診は、薬をもらうためというより、
今の状態を整理し、回復しやすい環境を一緒に作る作業をするため
と考えてみるのもいいと思います。
オンライン診療や、予約の取りやすいメンタルヘルス科など、負担の少ない方法を選ぶこともできます。
やはりできるだけ早い段階で、受診するといいと思いますよ。
受診までのセルフケア
受診ができるようになるまでの間、ご自身でできることとしては、
まず「食べること・休むこと」の基本がとても大切です。
産後の体は疲れが重なりやすく、正直なところ“食べて寝るだけでスッと治る”という状態ではない方が多いのですが、それでも回復の土台として、この基本がしっかりあるほど体が整いやすくなります。
・ご飯をたべることを最優先にする
・細切れでも、横になる時間をしっかり確保する
・肩や首は温めたり、短い深呼吸をこまめに入れる
・外出は無理のない範囲で
・家事は、できるだけパートナーや外部に任せる
やらないで済むことを減らす、という工夫は、回復力を引き出す大きな助けになると思いますよ。
「申し訳ない」という気持ちは、自律神経の不調があるとさらに強くなりがちですが、これは家族を大切に思っているという証であって、責められる理由にはなりません。
どうか、いまは「回復のための時間」だと自分に許可を出してみてくださいね。
最後に
少しずつでいいので、心地よく感じられる時間が増えていくよう、必要なサポートを頼りながら、回復していくことを願っています。
<参考文献・出典>
公益社団法人日本産婦人科医会
▶「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル」:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/mentalhealth2021_L_s.pdf
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