出生前検査を受けるか決めきれない…【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、妊娠が分かってから、出生前検査(NIPT)を受けるか迷い続けている30代女性からのご相談です。
検査結果への不安や決断の重さに気持ちが沈み、妊娠生活をどう過ごせばよいのか悩んでいるようです。

不安との向き合い方について助産師がお答えします。

妊娠が分かってから、赤ちゃんがダウン症かどうかが心配で、頭から離れません。高齢出産に入る年齢でもあり、親や友人から「検査は受けたの?」と聞かれるたびに不安が増していきます。
産院から新型出生前診断(NIPT)の資料をもらい、検査を受けるかどうか考えていますが、考えるだけで気分が沈んでしまうんです。検査は安くない費用ですし、結果が「染色体異常あり」と出たときに、中絶という重い選択を自分ができるのか…。逆に「おろさない」と決めたとしても、残りの妊娠期間ずっと心配を抱えたまま過ごす覚悟が自分にあるのか…。

考えても答えが出ず、気持ちが行き場をなくしています。こういうとき、検査を受けた方や受けなかった方がどう決断したのかどんな気持ちで妊娠生活を送ったのかを知りたくて相談しました。

(30代、女性、ハンドルネーム:藍乃つき、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

ご相談ありがとうございます。
妊娠が分かってから、赤ちゃんのことを思う気持ちが強くなる一方で、
「もしも」という不安が繰り返し頭に浮かび、気持ちが休まらない状態が続いているのですね

年齢のことも重なり、周囲から出生前検査について聞かれるたびに、
自分でも整理しきれていない不安を突きつけられるような感覚になっているのではないでしょうか。

検査の資料を見れば見るほど、知りたい気持ちと、知ることで背負うかもしれない重さの両方が押し寄せてきて、考えるだけで気分が沈んでしまう。
その中で、もし結果が思わしくなかった場合に、自分はどんな選択ができるのか、あるいは選べないのではないかと想像して、立ち止まってしまうのも無理のないことだと思います

それでも、「他の人はどう考え、どんな気持ちで妊娠期間を過ごしたのか」を知りたいと感じられたのは、答えの出ない不安の中でも、ご自身なりに納得できる道を探そうとしているからこそだと感じました。赤ちゃんを大切に思う気持ちの裏返しでもあると思います。

少し先自分の心の状態を想像してみる

今は「検査を受けるか、受けないか」という選択を迫られているように感じて、
心が苦しくなっている段階かもしれませんね。
ただ、出生前検査は、受けることが正解でも、受けないことが間違いでもありません
結果を知ることで安心できる方もいれば、結果に左右されず、
目の前の妊娠生活を大切にしたいと感じる方もいます。
どちらが合うかは、その人の感じ方や支えとなる環境によって変わります

もし結果を知ったら、自分の気持ちはどうなりそうか
知らないまま過ごすと、どんな不安を抱え続けそうか」と、

少し先の自分の心の状態を想像してみることが、判断のヒントになることもあります。
他の人の体験は参考にはなりますが、同じ決断をする必要はありません
ご自身が、あとから振り返ったときに「これでよかった」と思えそうな方向を探していけるといいのだと思います。
こうして命のことに向き合い、悩み続けていること自体が、とても大切なプロセスなのだと感じます。

新型出生前診断(NIPT)とは

新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液から胎児由来のDNAを調べ、
21トリソミー(ダウン症)など特定の染色体異常の可能性を評価する検査です。
お腹に針を刺さないため流産のリスクはありませんが、確定診断ではなく、
「可能性」を示す検査である点は知っておいていただきたいところです。
陽性となった場合には、羊水検査などで確定診断を行う流れになります。

年齢とともに21トリソミーの頻度が高くなることは医学的に知られていますが、それでも多くの赤ちゃんは染色体異常を持たずに生まれてきます。
数字として示されるリスクと、実際に感じる不安の大きさが、必ずしも一致しないことも少なくありません


検査を受けた方の中には、結果を知ることで心の準備ができたと感じる方もいますし、
受けなかった方の中には、不確かな情報に振り回されずに妊娠期間を過ごせたと話す方もいます。
どの選択にも、その人なりの葛藤と意味があると思います。

最後に

可能であれば、医師や遺伝カウンセリングの場で、
検査の限界や、結果が出たあとの選択肢について落ち着いて話を聞いてみるのも一つの方法です。
今は迷っていて当然です。
その迷いの時間も含めて、赤ちゃんと向き合っている大切な過程なのだと思います。
どうか、ご自身を責めすぎずに過ごしてくださいね。




<参考文献・出典>

出生前検査認証制度等運営委員会
▶検査を受けた人 受けなかった人の声:https://jams-prenatal.jp/voices/

<本記事の回答者>

助産師として大学病院や自治体など多様な現場で経験を積み、妊娠・出産・育児から更年期まで、女性のライフステージ全体をサポートしています。誰にも相談しづらいお悩みも、どうぞお気軽にご相談ください。


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