50代の不整脈は更年期のせい?脈が飛ぶ・乱れる不快感の原因と、受診すべきサイン【お悩み相談室】

更年期
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今回は、ここ数か月、不規則に打つ脈の不快感に悩んでいる50代の女性からのご相談です。
更年期に入ってからは頻回になり、健康診断の検査では捉えきれなかった不安を抱えていらっしゃいます。

更年期による自律神経の乱れが脈に与える影響を解説しつつ、隠れた病気を見逃さないための受診の目安について保健師がアドバイスします。

ここ数か月ほど、脈が乱れるような不整脈が不定期に続いています。これまでも生理前などに脈が飛ぶような感覚は時々ありましたが、最近は一日中ずっとトコトコと不規則に打つ感じで、不快さが強いです。

胸の痛みや強い苦しさはなく、普段通り仕事もできてはいます。ただ、この状態が長引いているのが心配で、放置していいものか迷っています。
健康診断のときには症状が出ず、私もその時はそこまで意識していませんでした。
最近は症状が出ることが多くなり、「あの時、たまたま検査に引っかからなかっただけでは?」と心配が消えません。更年期の影響なのか、それとも心臓の病気が隠れているのか…。やはり受診した方がいいでしょうか。

(50代、女性、ハンドルネーム:月のうさぎ、職種:その他)


最初に

月のうさぎさん ご相談ありがとうございます。
普段通り仕事ができているものの、ここ数か月ほど脈が乱れるような不整脈を感じておられるのですね。
以前は生理前ぐらいだった頻度が、最近は頻回になり、健康診断では引っ掛からなかったものの、このまま放置して良いのか不安になられているのですね。

今回は、更年期と不整脈の関連について説明し、月のうさぎさんが今後どうすべきかを考えるきっかけになれば幸いです

更年期の原因であるエストロゲンの役割とは

女性の場合、更年期になると、卵巣機能の低下により女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下します。

このエストロゲンは、お肌や毛髪・膣の潤いなど女性らしさに関わるだけでなく、実は自律神経の働きを安定させたり、血管や骨の健康維持、気分の安定など重要な役割を果たしています。
そのため、更年期では、自律神経のバランスが乱れ、ホットフラッシュや抑うつ気分など様々な症状が起こる可能性があります。

動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状も更年期症状の1つですが、誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります

更年期にでる不整脈の症状とは

更年期における不整脈の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった動悸の不快感として現れ、
日々の生活の中で突然出現し、数秒から数分で自然に治まる場合が多いのが特徴です。

また、仕事をしているときや家事をしているときなど、何かに集中しているときには感じず安静時や夜間に動悸や脈が飛ぶ症状を自覚される中高年の女性は多いようです。

更年期に不整脈が起こる背景

自律神経には、活動するときに働く交感神経(車でいうアクセルの役割)と休息やリラックスするときに働く副交感神経(ブレーキの役割)の2種類があり、この2つが交互に働くことでからだを調整しています。

エストロゲンの減少により交感神経の緊張が高まることで、緊張した時や運動時のように脈が速くなる状態の洞性頻脈や脈が飛ぶ状態の期外収縮などが起こりやすい傾向があります。

また、交感神経が優位になると、心拍数が上がり、血圧も上がるため、「脈が速い」「胸がドキドキする」など動悸の症状につながります。

このように、更年期では自律神経のバランスが不安定になり、それによって心臓に問題がなくても動悸や不整脈が生じる場合があります

更年期症状の1つとして、動悸や不整脈が現れている場合、ホットフラッシュや抑うつ気分、イライラなど他の更年期症状を併発することも多く、

そのような場合は、過度に心配しすぎず、規則正しい生活・バランスのとれた食事・適度な運動・十分な睡眠など生活の見直しやストレスを溜め込まないようにすることも大切です。

安心のために、受診をして更年期症状か否かの確認を

しかし、不整脈の中には、心房の筋肉が小刻み・不規則に震えた状態になる心房細動もあります

心房細動は加齢に伴い増加しますが、血液の流れが滞り、血栓ができやすくなり脳梗塞などの原因となることがあります。

今感じておられる症状は更年期症状の一つだろうと安易に捉えず、一度循環器内科での正確な診断を受けることをお勧めします

特に以下のような症状がある場合は、早めに受診してください。

・安静にしていても100回/分以上の頻脈で、リズムが不規則

・胸の圧迫感や痛み、息切れを伴う

・50回/分未満と脈が極端に遅く、めまいや失神が起こる

・不整脈が頻繁に起こる、もしくは長時間続く

・心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患などの持病がある

・家族に心臓病の人がいる

最後に

受診することを躊躇する何らかの理由があるかもしれませんが、
もし更年期以外の原因があった場合でも早期発見・早期治療につながり、
更年期によるものであれば、今よりは不安が和らぎ、楽にやり過ごすことができるようになるのではないかと思います。

月のうさぎさんの心配が今よりも小さくなることを願っています。


<参考文献・出典>

一般社団法人 日本循環器学会
▶2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン:https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Takase.pdf

一般社団法人 日本女性医学学会
▶動悸・息切れ:https://www.jmwh.jp/n-yokuaru13-douki.html

 

<本記事の回答者>

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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