微熱と火照りが続く原因と、更年期との関係【お悩み相談室】
今回は、微熱のような火照りが続き、更年期の症状なのか病気なのか判断できず不安を抱える50代女性からのご相談です。
夕方に体温が上がりだるさも強まる日々の中で、受診するなら内科か婦人科か迷っているようです。
こうした微熱の捉え方や受診の目安について、助産師がお答えします。
ここ最近、微熱のような体の火照りが続いています。測ると37度前後のことが多く、熱っぽいのに風邪のような咳や喉の痛みはなく、更年期の症状なのか病気なのか分からず不安です。
特に夕方から夜にかけて体温が上がりやすく、だるさや集中力の低下もあって仕事に支障が出ることもあります。市販の解熱剤を飲むほどではないのですが、毎日続くと気持ちが落ち着きません。
更年期で微熱が出ることはよくあることでしょうか?
また受診するなら内科なのか、婦人科なのかどちらの方がいいでしょうか、教えていただけますと嬉しいです。
(50代、女性、ハンドルネーム:ひかり舟、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
ひかり舟さん ご相談ありがとうございます。
咳や喉の痛みなど風邪症状は他にないものの、37℃前後の微熱や体のほてりが続いているのですね。
だるさや集中力の低下も起こっていて仕事に支障をきたすこともあり、気持ち的にも落ち着かない、とのこと。
今回は微熱が続く原因についてお伝えし、ひかり舟さんがご自身の状態によって受診する診療科を選択できるようになれば幸いです。
更年期と微熱の関係
微熱が続いている場合、
全身の倦怠感や頭痛・頭重感、筋肉痛、関節痛、食欲不振、軽い悪寒
などの不調も起こる場合があります。
風邪のひき始めなどにみられる発熱は、体内で免疫システムが病原体と闘っている際に起こる正常な反応です。
しかし、一時的な微熱ではなく、また感染症として他の症状もなく微熱が続いている場合は、何らかの異常が起きているサインかもしれません。
女性の場合は、女性ホルモンのバランスの変動によって、体温も変動しやすく、妊娠初期や更年期症状として微熱が続くことがあります。
更年期では、卵巣で作られる女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下すると、からだの活動・機能を調整する自律神経の機能が乱れ、血管を収縮させたり拡張させたりして血液の流れを調節する血管運動が適切にコントロールできなくなります。
その結果として微熱、ほてり、のぼせ、汗かきなどいわゆる「ホットフラッシュ」が起こります。
また、更年期は甲状腺疾患の好発年齢であり、閉経後の女性の2.4%が治療の必要な甲状腺疾患を有すると報告されています。
とくに甲状腺機能異常症では、
亢進症・低下症ともに月経異常、血管運動神経症状、精神神経症状など
更年期障害と類似した症状が多く、更年期症状と思って放置してしまうと、甲状腺機能異常症が悪化してから病院受診し診断されることもあり、注意が必要です。
まずは産婦人科を受診して甲状腺ホルモンも含め、更年期症状なのか、甲状腺機能に異常はないのか、という点を必要に応じて調べてもらいましょう。
更年期症状や甲状腺疾患以外にも自己免疫疾患、悪性腫瘍などでも微熱が続く場合があるので、状態を確認するのは大切なことだと思います。
更年期症状からくる微熱へのケア
その上で、ひかり舟さんが感じておられる微熱が更年期症状としてのものであれば、暖房をつける時期ではありますが、室温を少し低めに設定したり、上半身とくに顔に暖房の風が当たらないようにして、足元を温めるようにしましょう。
冷却シートを活用することで、ほてり感が和らぐ場合もありますので、試してみてください。
お仕事も大変だとは思いますが、しんどい時は無理せず可能な範囲でセーブ気味にするのも1つの対策です。
更年期症状や自律神経症状を緩和するためには、
・規則正しい生活
・バランスのとれた食事
・適度な運動
・質の良い睡眠
・ストレスを溜めないこと
が推奨されます。
しんどい時はゆっくりと休み、ご自分を労わってあげてくださいね。
最後に
もちろん、産婦人科ではホルモン補充療法(HRT:Hormone replacement therapy)や漢方薬・症状に応じた処方、カウンセリングなど症状や希望に応じた治療の提案も受けられます。
ひかり舟さんが今後どう過ごしていけたら良いのか、という希望を元に、今よりも過ごしやすくなるよう一緒に考えてもらえると思います。遠慮なくご相談くださいね。
少しでも症状が和らぎ、過ごしやすくなることを私も願っています。
<参考文献・出典>
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2023:https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf
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