「母親だから」と諦めない!子連れで世界一周した漫画家・harusameさん流「自分の人生」の楽しみ方【体験談インタビュー】
今回は、編集者としてフルタイムで働きながら、3人のお子さんの育児や旅行の漫画で人気を集めるharusameさんのインタビューです。多忙な日々の中で、いかにして「自分らしさ」を取り戻し、人生を楽しんでいるのかお聞きしました。
目次
タブレットPCひとつで手軽に。閉塞感の中で見つけた自己表現の場
――harusameさんが漫画を描き始めるきっかけは何でしたか?
2020年、3人目の子の育休とコロナ禍が重なったタイミングで描き始めたのがきっかけです。
当時は生まれたばかりの赤ちゃんを抱え、コロナ禍で外出もままならない日々。大好きな旅行にまったく行けないという閉塞感の中にいました。
もともと絵を描くことは好きで、「いつか漫画を描いてみたい」という思いがあったため、この機会にやってみようと手持ちのタブレットPCで描き始めました。昔のように専門の道具を揃えなくても、思い立ったらすぐに始められる手軽さが育児中の私にとってちょうどよかったのかもしれません。
自分が面白いと感じた経験を自分の中だけに留めておくのはもったいないという思いが強く、「子どもとの思い出を忘れないように残したい」「誰かにこの気持ちをシェアしたい」という一心で発信を始めました。今では多くの方からいただく「共感」の声が嬉しく、楽しく描き続ける原動力になっています。
――harusameさんが漫画を描き始めるきっかけは何でしたか?
2つのエピソードに大きな反響がありました。
ひとつは「子どもと一緒に世界一周をした話」、もうひとつは「自宅の一室を民泊として海外の方に提供した話」です。
特に「民泊」のエピソードには非常に大きな反響があり、フォロワーさんが一気に1000人ほど増えました 。
私が民泊を始めた理由は、私自身が子連れ海外旅行をした際、現地の一般家庭に宿泊させてもらった経験が原点にあります。現地のリアルな子育てや生活様式に触れた経験が素晴らしく、「今度は自分が誰かに還元したい」と思いました。
当時はマンションに住んでいたのですが、規約で民泊が難しかったため、思い切って民泊ができる広さの家を買いました。その後、夫と別居していた時期があり(詳しくは harusameの別居、はじめました。(kodomoe web))、子どもたちが私だけを見て育つのは少し不安だったことも背中を押しました。
「いろんな世界の大人たちが家に来てくれる環境は、きっと子どもたちのためにもなるのではないか」と思ったのが始まりです。


harusameさんインスタグラム<自宅で民泊やってみた1>より引用
これまでに18カ国から100人以上のゲストが来てくれました。
最初は学校から帰ってくると知らない外国人がリビングにいるという状況に戸惑っていた子どもたちも、今では日常的に世界中の人たちと関わる環境を当たり前のように楽しんでいます。
この刺激的な環境は、多様な価値観に触れ、肌で「世界」を感じる素晴らしい経験になっていると感じます。
「私らしさ」を取り戻すための挑戦。思い切って踏み出した生後7ヶ月でのバリ島旅行
――生後7ヶ月のお子さんを連れて「ワンオペで海外旅行」されたエピソードには驚きました。当時の心境を教えてください
「諦めたことや出来なかったことを、これから先も誰かのせいにしたくない」という強い思いから、状況を変えようと必死でした。
26歳で第一子を出産した時、「お母さん」という新しい役割にものすごく戸惑いました。
子育てがこれほどまでに自分の時間を奪うものだとはまったく想像もしていませんでした。以前は3日休みがあれば海外へ飛んでいくほど旅が好きだったので、急に「私」としての自由が消えてしまったようで、周囲の自由な姿が羨ましくて仕方がありませんでしたね。
子育てはどこにいても続けなければならないのなら、いっそこの状態で移動してはどうだろうと考え、思い切って行動することを決意しました。
最初は母や友人など周囲の人に一緒に行ってもらえないかと声をかけましたが、仕事の都合や強い反対にあい、同行を断られてしまいました。
でも、「誰かが何かをしてくれないから自分のしたいことができなかった」と諦めていたら、一生言い訳をしながら生きていきそうな気がして。それなら2人で行こうと決意し、色々と準備を進め、生後7ヶ月の時にインドネシアのバリ島へ行きました。




harusameさんインスタグラム<生後7カ月の赤ちゃんと!初めてワンオペ海外子連れ旅2>より引用
――決意して実行するまで、大変なこともあったかと思います
周りの人に反対されたり、準備の多さに挫折しかけた時もありましたが、憧れの作家さんの生き方と、夫の理解が大きな支えになりました。
大好きな作家さんの作品を通じて「多数派ではないけれど、自分らしい生き方をしている人もいるんだ」と知っていたのが、一歩を踏み出すエネルギーになりました。
やりたいことは実現できるという考えが頭の片隅にあったからこそ、実行に移せたのだと思います。
また夫は、私が「やると思ったら突き進む」という性格をよく理解しており、子どもと海外旅行に行くことも反対せずに送り出してくれました。
日頃から、自分がどういう人間で、何を考えていてどう生きていきたいかを暑苦しいぐらいに伝えているので、突然「海外に行きたい」と言っても驚かれることはなかったですね。
自分の思いや覚悟を言葉にして周囲に伝えることは、相手の理解や協力を得るためだけでなく、自分自身の腹を決めるためにもすごく大事だと思っています。
――旅先で気づいたことや、ご自身の変化はありましたか?
「育児はこうあらねばならない」という自分の狭い価値観が壊れ、心がすっと軽くなりました。
日本では「人に迷惑をかけてはいけない」という文化・習慣があり、電車で子どもが泣いたらどうしようと、私自身すごく気にしていました。
でも海外に行くと、子どもが泣いても「そんなものだよね」と受け入れてくれて、子どもが好きだと表現することが当たり前の文化があることに気づきました。

harusameさんインスタグラム<生後7カ月の赤ちゃんと!初めてワンオペ海外子連れ旅3>より引用
また、別の旅先のコンビニで、店員さんが床の段ボールに赤ちゃんを寝かせ、足でトントンとあやしながら働いている姿を見たんです。
当時、育児と仕事の両立で悩んでいましたが、この光景を見て、自分の悩みが少し馬鹿馬鹿しくなりました。枠から外れても、人は育つし幸せそうに見えました。
結果として元気に過ごせたから言えることかもしれませんが、海外旅行は自分の世界観を広げ、考え方を変える大切な機会になりました。
「子どものせい」にしない。自分が楽しむことが家族の笑顔につながる
――好きなことをしたいと躊躇しているママたちへメッセージをお願いします
「自分のやりたいことをやる」ことは、わがままに思えるかもしれませんが、巡り巡って家族みんなの幸せに繋がるのだと思います。
「家族のために」と我慢しすぎたり、自分を犠牲にしすぎると、心に余裕がなくなってしまいますよね。
自分が我慢していると、夫が飲みに行くだけでイライラしたり、いつか子どもに「あなたのために諦めたのよ」なんて言ってしまうかもしれません。
それは自分にとっても家族にとっても、あまりにも悲しいことです。
最初は自分の趣味を優先することが、家族を犠牲にしているように感じて葛藤することもあるかと思います。でも、やらなければいけない家事や育児を少し手抜きしてでも、自分の心が満たされる時間を持つべきだと思います。
自分が満たされて優しくなれれば、夫が好きなことをするのも心から応援できますよね。
家族を維持するために誰かが犠牲になるのではなく、「みんなが少しずつ好きなことをしていく」ということを家族の共通認識にする。そうすることで、長い目で見た時に家族全員が笑顔で過ごせるようになるのではないでしょうか。
40歳で飛び込んだダンススタジオ。他人の目は気にしなくていい
――harusameさんのリフレッシュ方法を教えてください
K-POPのコピーダンスを踊ることです!
ずっと踊れる人に憧れがあり、40歳の時に思い切ってスタジオに通い始めました。
周りは中高生など自分の子ども世代ばかりで、最初は気恥ずかしさもありました。しかし今は「他人の目」よりも「自分が楽しいかどうか」を大切にしています。
大人になって、学生時代のように先生に注意されたり、上手く踊れなくて悔しい思いをしたりするのも、すごく新鮮です。
心から楽しみながら、自分の人生に集中できている感覚が、最高のリフレッシュになっています。
取材を終えて
harusameさんの底知れぬバイタリティと実行力、本当にかっこいいですよね!
お話を直接伺いながら、私もそのエネルギーにすっかり圧倒されてしまいました。
でも、この記事を読んでくださったママの中には、「すごいとは思うけど、私には到底無理だな…」と、どこか遠い世界のお話のように感じた方もいらっしゃるかもしれません。
毎日目の前の家事や育児で精一杯だと、そう思ってしまうのも当然ですよね。
ただ、そんなharusameさんでさえ、最初は「お母さん」という新しい役割に戸惑い、ご自身の時間が奪われてしまうことに深く悩んでいたそうです。
ワンオペでの海外旅行を決意したときも、周囲の理解を得られず挫折しかけたことがあったとお話しされていました。
いきなり大きな挑戦をする必要はありません。
まずは、「同じように悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と気づくことが、前を向くための大切な第一歩になると思います。
知ってハレばれには、「子育てで自由がなくなってしまった気がする…」と、同じようなモヤモヤを抱えるママたちの声がたくさん集まっています。ぜひ、声に耳を傾けてみてください。
ほんの少し、心が軽くなるかもしれません。
# 子育てのモヤモヤ
# 育児ストレス
(取材:2026年1月)
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