妊活中の「勃たない」プレッシャーをどう防いだら?夫を責めてしまいました【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は、排卵日を意識するあまりパートナーがプレッシャーを感じてしまい、うまく行為に及べないことに悩んでいる30代女性からのご相談です。
「今日こそは」という期待が落胆に変わるたび、相手を責めたり自己嫌悪に陥ったりと、夫婦の空気が重くなってしまうとのこと。

男性の体が緊張下で“省エネモード”に入ってしまう心理的メカニズムを解説し、「成功・失敗」の二択から離れるためのコミュニケーションや、シリンジ法・お薬などの具体的な選択肢について、臨床心理士がお答えします。

妊活を続けているのですが、夫がうまく勃たないことが増えて悩んでいます。
排卵日を狙ってタイミングを取ろうとすると、プレッシャーになってしまうみたいで、うまくいかない日が何度もありました。

私も「今日こそは」と期待してしまい、できなかったときに落ち込んだり、つい責めるような態度になってしまうことがあります。夫婦仲が悪いわけではないのに、妊活のことになると空気が重くなるのがつらいです。

これまでに雰囲気を変えてみたり、排卵検査薬を一緒に確認しないようにしたり工夫しましたが、夫のプレッシャーは変わらないようです。
どうしたらいいのでしょうか。。。

(30代、女性、ハンドルネーム:まどかすみ、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

妊活を続ける中で、パートナーさんがうまく勃たないことが増え、まどかすみさん自身も落ち込んだり、つい責めてしまったりするのですね。

夫婦仲が悪いわけではないのに、妊活の話題になると空気が重くなるとのこと。
そのギャップが、余計に心を消耗させているのではないかと感じました。
この状況を変えるために、まどかすみさんは様々な努力や工夫をしてこられたとのこと。
よく頑張ってこられましたね。

排卵日を意識すればするほど、「今日こそは」という期待が膨らみますよね。
期待が大きいほど、うまくいかなかったときの落胆も大きくなる
これは、まどかすみさんが真剣に妊活に向き合っているからこそ起きている、心の反応なのだと思います。

そして、できなかったときに責めるような態度になってしまう自分を、後から責めてしまう
その自己嫌悪を抱え続けるのは、本当に苦しいことだと思います

優しい夫ほど陥りやすい「妊活プレッシャー」

パートナーさんは、まどかすみさんの気持ちや、子どもがいる将来を、とても大切に思っておられるのではないでしょうか

「失敗したらどうしよう」「期待に応えなきゃ」というプレッシャーが強いほど、体はブレーキを踏みます
男性の体はとても正直でデリケート。
緊張すると一瞬で“省エネモード”に入ってしまうんです。

排卵日がそろそろ来るぞ、という時期からプレッシャーを感じ始め、突然「明日が本番」とわかるわけです。
いわば、抜き打ちテストのような状態ですよね。これは誰でも固まります

プレッシャーを減らすコミュニケーションとは

たとえ排卵日付近にタイミングを取っていても、100%確実に妊娠するわけではありません
ですから、上手くいかなかったことに振り回されないコミュニケーションを作ることが大切です。

たとえば、

できなくても今日は一緒にゴロゴロしよう
今日は妊活のためではないスキンシップを楽しもう
と、結果を求めない姿勢でいること。

また、それをお互いに言葉にしてみてください

これだけで、プレッシャーはかなり下がるかもしれません。

また、「妊活の話はこの時間だけ」と枠を決め、それ以外の時間は妊活を話題にしないのも有効です。

勃たない日のために、心の保険を

医学的にも、男性には心因性の勃起障害が起こりやすいことが知られています。
特に、排卵日を強く意識するタイミング法では、「成功・失敗」が明確になりやすく、心理的負担が大きくなります

この場合、「気合」や「慣れ」で解決しようとすると、かえって悪循環に陥りがちです。

具体的な対策としては、

妊活と性行為を切り離して考える

性交渉以外の方法(シリンジ法など)を“保険”として持つ

できなかった日は原因分析をしない


といった工夫があります。
特に「代替手段がある」とわかるだけで、心はぐっと軽くなります。

ED治療薬という選択肢について

また、日本性機能学会の「ED診療ガイドライン第3版」(※)では、心因性の勃起障害には、PDE5阻害薬と呼ばれるお薬(バイアグラ、シアリス、レビトラなど)と心理療法の併用療法が有効であると示されています。
PDE5阻害薬と心理療法の併用療法は、性的満足度に対する効果も認められています。

PDE5阻害薬のみでも、ある程度の勃起障害の改善は見込めますから、選択肢の一つに入れてみるのも良いかもしれません。

「また責めちゃった」と落ち込むあなたへ

そして大切なのは、まどかすみさん自身が「責めない自分」を目指さなくていい、ということです。

パートナーさんを責めてしまったと感じた時は、
また責めちゃったな。今月もそれだけ必死だったんだな」と、少し距離を取って眺めてみてください。

そして、気持ちが落ち着いたら、
さっきはごめんね」「ちょっと嫌味っぽい反応をしちゃってごめんね」と、あなたの正直な気持ちを伝えてみてください

妊活は、愛情とプレッシャーが紙一重になりやすい時間です。
うまくいかない日があっても、それは夫婦関係の失敗ではありません。

そして、妊活とは関係なく、日ごろからお互いの好きなところ、してもらってうれしかったことなど、ポジティブな言葉かけを意識して増やしてみてください

そうすることで、ベースの夫婦関係が今以上に強まり、妊活のちょっとしたモヤモヤや傷つきを相手に見せやすくなります

最後に

まどかすみさんとパートナーさんが、ふたりで一緒に妊活というイベントを乗り越えていけますように。

心から応援しています。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

一般社団法人 日本性機能学会
▶ED診療ガイドライン第3版:https://www.jssm.info/guideline/files/EDguideine03_s.pdf

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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