お盆の帰省が不安です。妊娠中の長距離移動、体への負担を考えて断りたいのですが… どう伝えればいいでしょうか?【お悩み相談室】
今回は、妊娠5か月を迎え、毎年恒例となっているお盆の義実家への長距離帰省に強い不安とストレスを感じている20代女性からのご相談です。
初めての妊娠による不安・疲れやすさもあり、角を立てずに穏便に断る方法を模索していらっしゃいます。
医学的な安全性も含めて、妊婦本人の「安心感」という視点が大切な点をお伝えし、「行きたくない」を「不安が大きい」に変換してパートナーに伝えるコツや、義父母へ好印象を残したまま帰省を辞退するスマートな代替え案の出し方について、助産師がお答えします。
はじめまして、妊娠5ヶ月の初マタです。
義実家への帰省をどう断ればよいか相談させてください。
毎年、お盆は夫の実家へ新幹線で数時間かけて帰省するのですが、今年は長距離移動による体への負担が心配で、正直なところ行きたくないんです。
最近はお腹も張ることが増え、疲れやすくなってる気がします。
慣れない場所で気を遣いながら過ごすことを想像するだけでストレスです。いつも帰ると、ご飯づくりの手伝い、食べた後の食器洗いをさせてもらってるのですが、「妊婦さんはゆっくりしててね」とのお義母さんの優しさに、かえって手持ち無沙汰でソワソワしてしまい、居ずらさが募る未来がみえます。
義父母は孫に会えるのを心待ちにしてますし、夫も「無理しなくていいよ」と言いつつ、どこか当たり前に行くものだと思ってるようで、なかなか「断りたい」と言い出せない状況です。
妊婦健診でも「順調だし、準備をして気を付けていけばいいよ」とお墨付き。ネットでも「安定期だから大丈夫」と見かけます。
とはいっても、私にとっては初めての経験で不安なんです。8月のカレンダーを見ては憂鬱な気分になっています。
角を立てずに穏便に済ませる伝え方はないでしょうか?
(20代、女性、ハンドルネーム:ぷらだ、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
ぷらださん ご相談ありがとうございます。
初めての妊娠で最近はお腹が張ることも増え、疲れやすさもあって、長距離移動を伴う義実家への帰省に不安を抱えていらっしゃるのですね。
また、断りたいけれど、なかなかご主人に相談できずにいるのですね。
初めての経験の中で、お腹の張りや移動も、どのくらいなら大丈夫で、これ以上ならやめておく、という線引きも難しいと思います。
踏み切れないのは当然のことだと思います。
今回は、妊娠に伴う心身の変化や負担、角を立てずに自分の意向を伝えるポイントをお伝えし、少しでも気を楽に夏を迎えていただければと思います。
「安定期だから大丈夫」という誤解
妊娠5か月という時期は、一般的には「安定期」と呼ばれます。
しかし、安定期とは「流産のリスクが比較的低くなる時期」という意味であって、「何をしても大丈夫な時期」ではありません。
お腹が大きくなり始め、体の重心も変わり、疲れやすさや眠気、腰痛、お腹の張りなどを感じる方も少なくありません。
特に初めての妊娠では、自分の体に起こる変化一つひとつが未知の経験で、不安を感じるのはとても自然なことです。
妊娠中の「気を遣うストレス」への対応
ご相談文からは、「移動が心配」という身体的な不安だけでなく、「義実家で気を遣うことへの精神的な負担」も大きいことが伝わってきました。
実は妊娠中のストレスについて相談される方の中には、「体調そのものより、人に気を遣い続けることがしんどい」という方が少なくありません。
義母さまが優しく接してくださることはありがたいことですが、「何もしなくていいよ」と言われることで、逆に居場所がなく感じたり、申し訳なさを抱えたりすることもありますよね。
妊婦さんの安心感や心の負担を大切に
妊娠中は体だけでなく心も大きく変化します。
普段なら気にならないことが負担に感じられたり、人に気を遣うだけでどっと疲れてしまったりすることもあります。
ですから、ぷらださんが感じている「帰省が憂うつ」という気持ちは、決して甘えではありません。
人は「やりたくないことを我慢し続ける」と、その出来事が近づくたびに不安やストレスが強くなります。
すでに8月のカレンダーを見るだけで憂うつになっている、ということなので、それは心が「今は無理をしたくない」とサインを送っている状態かもしれません。
もちろん、妊婦健診で順調と言われていることは安心材料です。
しかし、医師や助産師が「行ってもよい」と判断することと、ご本人が「安心して行ける」と感じることは別の問題です。
妊娠中の行動を決める際には、医学的な安全性だけでなく、本人の安心感や心の負担も大切にしていただければと思います。
帰省のお断り、どう伝える?
では、どのように伝えれば角が立たないのでしょうか。
まずおすすめしたいのは、ご主人に率直な気持ちを伝えることです。
-「体調が悪いわけではないけれど、長距離移動や慣れない環境に不安を感じている」
-「初めての妊娠で、自分でも思っていた以上に疲れやすいし、最近よくお腹も張っている」
-「お盆が近づくたびに気持ちが重くなっている」
というように、「行きたくない」ではなく、「不安が大きい」「身体のしんどさを感じている」という形で伝えてみてください。
その上で、ご主人から義父母さまへ
-「今年は移動による負担も心配なので、出産後に落ち着いてから改めて顔を見せたい」
と伝えてもらうのが最も自然だと思います。
妊娠中の帰省を見送ることは決して珍しいことではありません。
むしろ義父母さまも、お孫さんの誕生を楽しみにされているのであれば、お嫁さんと赤ちゃんが無理をすることを望んではいないのではないでしょうか。
もし申し訳なさを感じるのであれば、
-「赤ちゃんが生まれたらぜひ会いに来てください」
-「落ち着いたらこちらから伺います」
という言葉を添えるだけでも印象は大きく変わりますよ。
最後に
今は赤ちゃんを迎えるために心と体を整える大切な時期です。
周囲の期待に応えることよりも、「自分が安心して過ごせるかどうか」を優先してよいのです。
母親になると、これから先もさまざまな場面で「自分と子どもを守るための選択」をする機会があります。
今回の帰省についても、その練習のひとつかもしれません。
どうか無理をして周囲に合わせるのではなく、「今の私はどうしたいのか」という気持ちを大切にしてくださいね。
ぷらださんとお腹の赤ちゃんが、穏やかな気持ちで夏を過ごせることを心から願っています。
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