妊娠中の保育園送迎、自転車はいつまで?2人目妊婦が安全に乗る注意点と妊娠後期からの送迎に悩んでいます【助産師監修:お悩み相談室】
今回は、第2子を妊娠中で、保育園の送迎に自転車を使い続けている30代女性からのご相談です。
遠方の両親からの「やめた方がいい」という指摘にモヤモヤしつつも、ご自身も自転車の利用に不安を抱いていらっしゃいます。
妊娠による重心の変化や電動自転車の取り回しの注意点など、安全に使い続けるポイントや、後期に向けた現実的な送迎プランの立て方、さらに周囲の正論に振り回されずに「今の最善」を選び取るための心の整え方を助産師がお伝えします。
現在2人目を妊娠しており、自転車の使用についてご相談があります。
保育園の送迎には自転車を使用していますが、それについて両親が辞めた方が良いと言ってきます。
もちろん心配してくれる気持ちは理解しています。ただ、こちらも仕事のスケジュールがある以上、現実的に代替案はありません。
そのうえ、親は遠方で実際のサポートができる訳でもないのに、口だけ出されると正直モヤッとします。
とはいえ、私自身も1人目の妊娠中は自転車に乗っていなかったので、多少の不安はあります。
現在妊娠15週で、後期はさすがに控えるつもりですが、それまでの自転車使用について、気をつけるポイントがあれば教えていただきたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:仕事大好き、職種:営業)
最初に
仕事大好きさん ご相談ありがとうございます。
妊娠中の自転車について、お仕事や保育園の送迎という現実的な事情がある中で、不安も抱えていらっしゃるのですね。
また、ご両親の「やめた方がいい」という言葉に対しても、心配してくれていることは分かる一方で、「代わりに送迎してくれるわけではないのに……」というモヤモヤしたお気持ちも、とても自然なものだと思います。
今回は妊娠中の自転車使用についてお伝えし、今抱えているモヤモヤが少しでも解消されれば幸いです。
「正論と現実」狭間の葛藤
妊娠中の女性は、「赤ちゃんを守らなければ」という思いで生活しています。
一方で、上のお子さんの育児、仕事、家事など、今まで通り回さなければならない日常もありますよね。
特に第二子以降の妊娠では、「理想的な妊婦生活」と「現実の生活」との間で葛藤を抱える方は少なくありません。
「危ないからやめた方がいい」という助言は、確かに愛情から出ているものなのでしょうが、その言葉だけでは解決しない現実があります。
「じゃあ、どうやって送迎するの?」
「仕事にはどうやって間に合わせるの?」
そうした具体的な問題を抱えているからこそ、単純に「やめよう」とは言えないのですよね。
妊娠中の自転車、乗って大丈夫?
妊娠中の自転車は「絶対禁止」とする医学的な基準はありません。
ただし、「転倒のリスクがあるため注意が必要」とされています。
妊娠15週頃は安定期に入りつつある時期ですが、お腹が少しずつ大きくなり、妊娠によるホルモンの影響で関節や靭帯が緩み始めます。
また、重心の変化により、妊娠前と同じ感覚で身体を動かしていても、バランスを崩しやすくなることがあります。
そのため、「乗ってはいけない」ではなく、乗るのであれば安全性をできるだけ高めることが大切になります。
安全に自転車を利用するための注意点
妊娠中に自転車を利用する際の注意点をお伝えします。
① 体調が少しでも優れない日は乗らない
- お腹の張り
- 腹痛
- 出血
- めまい
- 吐き気
- 強い疲労感
などがある日は、自転車は控えましょう。
「送迎しなきゃ」と我慢して無理をしがちですが、妊娠中は体からのサインを優先することが大切です。
② 急がない・時間に余裕を持つ
朝の送迎は時間との戦いになりやすいものです。
しかし、
- 急発進
- 急ブレーキ
- 信号ギリギリで渡る
- 人混みをすり抜ける
といった行動は転倒リスクを高めます。
今までよりも5~10分ほど余裕を持って出発し、「遅れないこと」より「安全に着くこと」を優先してくださいね。
③ 雨の日や路面状況が悪い日は別の方法を考える
濡れた道路、落ち葉、雪、凍結などは滑りやすくなります。
特に雨の日は視界も悪くなるため、
- タクシー
- 公共交通機関
- 一時的な徒歩送迎
- パートナーの協力
など、代替手段を検討できると安心です。天気予報をこまめにチェックして備えましょう。
④ 電動自転車は重心に注意
保育園送迎では電動アシスト付き自転車を利用されている方も多いでしょう。
便利な反面、
- 車体が重い
- 子どもの乗せ降ろし時にふらつく
- 駐輪時の取り回しが大変
という特徴があります。
乗せ降ろしは平らな場所で行い、焦らず一つひとつ確認することが大切です。
⑤ 妊婦健診で相談しておく
切迫流産・切迫早産の既往がある方、多胎妊娠、子宮頸管長の短縮などがある場合は、個別に制限が必要になることがあります。
次回の妊婦健診で、
「保育園の送迎で自転車を使っています。いつ頃までなら大丈夫そうでしょうか」
と具体的に相談してみると、ご自身の妊娠経過に合わせた助言を受けられます。
妊娠後期を見据えた「送迎プラン」の検討
ご相談の中で、「後期はさすがに控えるつもり」とありますが、この考え方はとても現実的だと感じました。
妊娠後期になると、
- お腹が大きくなる
- 重心がさらに変化する
- 息切れしやすい
- 疲れやすくなる
- 張りが増える
など、身体への負担が大きくなります。
その頃までに、
- ファミリーサポートの登録
- タクシー会社の確認
- パートナーとの送迎分担
- 保育園への相談
など、「後期以降の送迎プラン」を少しずつ考えておくと安心ですね。
あなたの生活に合った方法を選んで
妊娠中は、「赤ちゃんのために頑張らないと」と自分を追い込みやすい時期でもありますが、子育てや妊娠生活は、理想論だけでは回りません。
仕事を続けながら、上のお子さんを育て、家族の生活を支えている仕事大好きさんは、その時々で最善の選択を重ねている最中なのだと思います。
ご両親の言葉にモヤモヤするのは、「もっと具体的に助けてほしい」という切実な気持ちの裏返しでもあるのではないでしょうか。
だからこそ、「心配してくれてありがとう。でも今のところは安全に気をつけながら続ける予定だよ」と受け止めつつ、ご自身の生活に合った方法を選んでよいのです。
最後に
妊娠中に絶対にリスクゼロの生活はありません。
大切なのは、情報を得たうえで無理をせず、その時々の体調を見ながら柔軟に調整していくことです。
上のお子さんを育てながら新しい命を迎える準備をしている毎日は、それだけでも十分頑張っておられます。
ご自身の身体の声に耳を傾けながら、周囲に頼れるところは少しずつ頼りつつ、無事に出産の日を迎えられることを心から願っています。
<参考文献・出典>
厚生労働省
▶働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/assets_rn/data/pamphlet_2019_02.pdf
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