産後の寝不足で限界な私に「俺も気にかけて」と言ってきます…寂しがる夫を家事・育児の戦力に変える伝え方は?【公認心理師監修:お悩み相談室】
今回は、初めての育児で心身ともに疲れを感じている中、旦那様から「俺のことも気にかけて」と寂しさを向けられている30代女性からのご相談です。
夜泣きや夜間授乳でフラフラな状態のなかで夫のケアまで手が回らず、怒りをぶつけてしまいそうな現状に葛藤していらっしゃいます。
関心が赤ちゃんへ移ったことで孤立感を抱きやすい産後の男性心理を解説。「今の私のキャパシティ」を明確に伝えるフレーズや、旦那様の寂しさを“夫婦時間の要求”から“具体的な家事・育児への参加”へとシフトさせる声かけのコツについて、公認心理師がアドバイスします。
子どもができて、私がかまいきりになり、夫はさみしいようです。
「最近、話す時間もないね」と言われて、ストレスがたまっているんだろうなと感じます。でも、私だって初めての育児で手いっぱい。夜間授乳や夜泣きでほとんど寝られず、頭も回らない。
「俺のことももっと気にかけて」と言われても、今は自分と赤ちゃんのことで精一杯。
本音を言ってくれたのはうれしいけれど、ふらふらの私にどうしろと?
…と末っ子長男の夫にズバッと言ってしまいたい衝動にかられています。
(30代、女性、ハンドルネーム:えれくとん、職種:主婦)
最初に
えれくとんさん、初めての育児、本当におつかれさまです。
夜間授乳や夜泣きで眠れず、昼間も赤ちゃんのお世話に追われ、頭も体もずっと非常事態モードなのですね。
そんな中でパートナーさんから「最近、話す時間もないね」「俺のことももっと気にかけて」と言われたら、「今それを私に言う?」と心の中でちゃぶ台をひっくり返したくなるのは無理もありません。
本音を言ってくれたこと自体は、関係をあきらめていないサインでもあります。
でも、ふらふらの状態で受け止めるには重たい言葉ですよね。
赤ちゃんのお世話だけで精いっぱいなのに、さらに“大きめの寂しがり屋さん”まで抱っこする余力はありません。
えれくとんさんが冷たいのではなく、今は心身のエネルギーが限界に近いのだと思います。
なぜ産後の夫は「寂しさ」を感じるのか
赤ちゃんが生まれたあと、パートナーさんが寂しさを感じる背景には、いくつかの心理が考えられます。
これまで自分に向いていた関心が一気に赤ちゃんへ向かい、「自分は後回しになった」と感じる人もいます。
また、母子の結びつきが強く見えるほど、自分だけ家族の輪の外側にいるような感覚になることもあります。
育児に関わりたい気持ちはあっても、授乳のように代われない役割があると、「自分は何をすればいいのか分からない」という無力感が、寂しさや不満として出てくる場合もあります。
また、パートナーさんがえれくとんさんの大変さをわかっていない、とは限りません。
頭では「今は赤ちゃんが最優先」「えれくとんさんも限界まで頑張っている」と理解しているのかもしれません。
それでも、自分の寂しさや置いていかれたような感覚をうまく処理できず、「俺のことも見てほしい」という言葉になって出てきている可能性があります。
大人でも、わかっていることと、感情がついていくことは別です。
理屈では「仕方ない」と思っていても、心の中では「でも寂しい」が暴れ回ることがあります。
夫の寂しさを「家族への参加行動」に変える
とはいえ、その寂しさをそのまま産後でふらふらのえれくとんさんに預けられると、受け取る側はたまりません。
パートナーさんに必要なのは、寂しさを我慢して黙ることだけではなく、その寂しさを「もっと構って」ではなく「自分も家族の一員として何ができるか」に変えていくことなのだと思います。
伝え方のたとえ
伝えるなら、
「寂しいと言ってくれたのはうれしい。
でも今の私は、赤ちゃんと自分を生かすだけで精いっぱい。
あなたを大切に思っていないわけではないから、まず私が少し休めるように一緒に考えてほしい」
といった形がよいかもしれません。
伝え方のポイント
ポイントは、「あなたが面倒くさい」と責めるのではなく、「今の私の余力はここまで」と境界線を伝えることです。
そして、パートナーさんの寂しさを“夫婦時間の要求”だけで終わらせず、“家族に参加する行動”へ変えてもらいましょう。
たとえば、
おむつ替え、寝かしつけ、食器洗い、買い物、夜間の見守りなど、
「これをしてくれると私は休める」と具体的に頼むことです。
えれくとんさんの余白が戻ってきて初めて、夫婦の会話や笑顔も戻りやすくなります。
最後に
産後しばらくは、夫婦の時間が減ることは珍しくありません。
これは愛情がなくなったのではなく、生活の優先順位が変わったために起きることです。
今は、完璧な母にも、優しい妻にもならなくて大丈夫です。
まずは倒れないこと。
えれくとんさんが少し眠れて、少し笑えるようになることが、赤ちゃんにもパートナーさんにもいちばん大切なことだと思いますよ。
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