52歳、冬の朝は体が重くて起きられない…うつ病?更年期?自己嫌悪を和らげ朝を元気に過ごす方法はありますか?【公認心理師監修:お悩み相談室】

更年期
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今回は、冬の寒さが本格化する中で朝身体が重くて起きられず、お弁当作りや出勤の遅れから「母親・社会人として最低」と激しい罪悪感に苛まれている50代女性からのご相談です。

明確な出来事がなくても冬の環境・ホルモン変動・疲労が重なって起きる「朝の動けなさ」を解説し、自分を責める必要がないことを提示。
婦人科(更年期外来)や心療内科への受診アプローチ、朝のお弁当作りを『冬・更年期モード』へ切り替えるアイデアなど、朝の苦しさを和らげる具体策について、公認心理師・臨床心理士の視点からお答えします。

52歳です。数年前から更年期と思われる体調の波はあったのですが、特に最近、朝起きることが難しくなりました。

冬に近づき、朝の寒さが本格的になってきた頃から、目覚まし時計が鳴っても頭と体が鉛のように重く、ベッドから出ることがとても億劫です。寒くなると布団が恋しいのは前からなのですが、以前なら気合で起きられていたのに、今はどうしても体が動かないんです。

そのせいで、毎朝の家族のお弁当作りが間に合わなかったり、自分の仕事の出勤時間にギリギリ遅れてしまったりすることが増えました。
家族の心配そうな顔、そして職場へ平謝りで滑り込むたびに、「母親としても社会人としても最低だ」「ただの甘えではないか」と激しい自己嫌悪と深い罪悪感に押しつぶされそうになります。

家族には「うつではないか」と心配されています。傷つきやすいタイプではありますし、ストレスもそりゃありますが、最近特に何か嫌なことがあったというわけではありません。
これはうつ病なのでしょうか?それとも更年期のせいなのでしょうか?
どうしたら以前のように「まだ寝てたいよねぇ」といいながら、笑って家族が起きてくるのをお弁当を作りながら迎えられるようになるでしょうか…。

(50代、女性、ハンドルネーム:こも、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

こもさんの苦しさは、朝起きられないことそのものだけではなく、その朝の遅れが「母親としても社会人としても最低だ」という自己否定に直結してしまうところにあるのですね。

以前なら、「まだ寝てたいよねぇ」と言いながらも起きられた。
寒い朝の布団の引力に文句を言いながら、台所に立ち、お弁当を作り、家族が起きてくるのを迎えられた。
その日常が、こもさんにとっては自分らしさの一部だったのかもしれません。

だから今、目覚ましが鳴っても体が動かず、お弁当が間に合わなかったり、職場に平謝りで滑り込んだりするたびに、「私は何をしているんだろう」と崩れてしまうのですね。
これは怠けている人の悩みではなく、ちゃんとやりたい人が、体に追いつけなくなっている苦しさです。

今の体調用に、朝の仕組みを組み替えることを目指して

「うつ病なのか、更年期なのか」という問いは、とても自然です。
ただ、実際にはきれいに二つに分けられないこともあります。

更年期には女性ホルモンの変化に伴って、睡眠の乱れ、朝のだるさ、気分の落ち込み、意欲低下が出ることがあります。

一方で、朝起きられない、何をするにもおっくう、自己否定が強い、仕事や生活に支障が出る状態が続く場合は、うつ状態としての評価も必要です。

最近何か大きな嫌なことがあったわけではない、という点も大事です。
心身の不調は、必ずしも「わかりやすい事件」があって起きるとは限りません。
冬に近づく寒さ、日の短さ、更年期の波、仕事と家庭の責任。
小さな負荷が重なって、朝だけ急に足場が抜けるように感じることがあります。

今必要なのは、「気合で起きる方法」を探すことではなく、朝の仕組みを一度、今の体調用に組み替えることです。

婦人科や心療内科への相談も選択肢のひとつ

まず、婦人科または更年期外来で、更年期症状としての睡眠や気分の変化を相談してよいと思います。

同時に、落ち込みや自己否定が強い、遅刻や家事への支障が続く、涙が出る、消えたい気持ちが出るような場合は、心療内科や精神科にも相談してください。
どちらか一方でなければならないわけではありません。

家事を「冬季・更年期モード」に運用変更する

家では、朝のお弁当を「通常営業」から「冬季・更年期モード」に切り替えてみてください。

前夜に詰められるものだけ詰める、
冷凍食品や買ったおかずを使う、
家族に一品だけ頼む、
週に何日かは買ってもらう。

これは、家庭の運用変更です。

こもさん一人の気合で朝を成立させる仕組みが、今の体調に合わなくなっているだけです。

朝の最初の目標を小さくしてみよう

朝起きた瞬間に「最低だ」と始める代わりに、最初の目標を小さくしてみましょう。

カーテンを少し開ける。
布団の中で足首を回す。
暖房のタイマーを使って、体が起きる前に部屋だけ先に起こしておく。

それでも起きられない日は、家族に「今は朝が本当につらい。少しだけ、ルーティーンを変えたいから協力してほしい」と話してみてください。

最後に

こもさんが取り戻したいのは、完璧な朝ではなく、家族と笑って始められる朝なのだと思います。
そのために、まずはご家族と一緒に、朝の仕組みにテコ入れしてみてくださいね。

この記事の回答者

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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