4歳児娘の「理想のクリスマス」準備がしんどい。何もしたくない自分に自己嫌悪です【保育士監修:お悩み相談室】
今回は、仕事の疲れと4歳児の強いこだわり・ダメ出しに挟まれ、「理想のクリスマス演出」へのプレッシャーから「何もしたくない」と自己嫌悪に陥っている30代女性からのご相談です。
大人の気を引くためにあえて否定的な言葉を出す4歳頃の発達心理を提示。
ピザやケーキの選択を子どもに任せる『〇〇係』、100円ショップのシールや折り紙を活用した飾り付けの簡略化、苦手なことは既製品を頼る方法など、無理のないクリスマスの過ごし方について、保育士の視点からお答えします。
現在37歳で、4歳の女の子の母親です。12月に入り、街もSNSもクリスマス一色になってきましたが、私自身は心身ともに仕事で疲れ果てており、「クリスマスなんて来なければいいのに」「正直、何もしたくない」と憂鬱な気持ちでいっぱいです。
世間やSNSを見渡せば、手作りの豪華なご馳走やおしゃれなケーキ、映える部屋の飾り付け、そして夜中に子どもに悟られないよう完璧にセッティングされるプレゼント……。そうした「理想のクリスマス」の演出を目にするたびに、強烈なプレッシャーを感じて息が詰まりそうになります。
何より、おませになって希望とちがうと純粋にダメ出しするようになってきた4歳児の期待がしんどいです。
それだけ楽しみにしているのに、ごめんね、と自己嫌悪も感じます。
子どものためにイベントを楽しませてあげたい気持ちもあるのですが、、
飾りつけも一緒にしたいというけど、これは嫌、もっとこうして欲しいとこだわりが強く、余裕のない私にとってはやらねばならない仕事の延長線上のようで全然楽しくありません。
本当はキャッキャ言いながら娘とクリスマス準備から当日まで楽しみたいのですが、どうしたら気持ちを切り替えられるんでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:すずか、職種:専門職)
最初に
クリスマスのイベントは、準備することも当日のこともたくさんあって、本当に大変ですよね。
お仕事や家事、日々の子育てを頑張る中で、「子どもに楽しいクリスマスを過ごさせてあげたい」「できるだけ希望を叶えてあげたい」と考えていらっしゃることが、とても伝わってきました。
だからこそ、一生懸命準備したものに対して、4歳のお子さんから「思っていたのと違う」「こうじゃない」などと言われてしまうと、お母さんも傷つきますよね。
やるせない気持ちになってしまうこともあるのではないでしょうか。
「申し訳ない」「もっとしてあげたいのにできない」と思うことで、さらにご自身を責めてしまっているのかなと感じました。
大人の反応を確かめるために「違う」と反応することも
4歳頃になると、「これは嫌」「こうしたい」という自分の気持ちがはっきりしてくるお子さんも多くなります。
一方で、これまで保育士として子どもたちと関わってきた中では、子どもは大人が思っている以上に、お母さんや周りの大人の表情や雰囲気をよく見ているなと感じることもたくさんありました。
もしかすると、お子さんは「お母さんが大変そう」「何か無理をしているのかな」ということを敏感に感じ取っていたり、そこからお母さんの気を引きたくて、あえて「嫌」「違う」と否定するような言葉が出ていたりするということも考えられるのかもしれません。
もちろん、お子さんが何を感じているのかを大人がすべて理解することはできません。
ただ、子どもたちを見ていると、本当はやりたいのに「やらない」と言ってみたり、大人の反応を確かめるように否定してみたりする姿もあります。
クリスマスは「あなたの家族にあった形」でいい
クリスマスは「お子さんに楽しんでもらうこと」ももちろん大切ですが、お母さん自身も無理をしすぎず、家族に合った形で楽しめることも、とても大切なのではないでしょうか。
今はSNSなどで、手作りの華やかな料理やケーキ、素敵な飾り付け、完璧に準備されたプレゼントなど、たくさんの「理想のクリスマス」を目にする機会がありますよね。
それを見ると、「これくらいしてあげるのが普通なのかな」「私はできていないな」と、つい他のご家庭と比べてしまうこともあると思います。
でも、ご家庭によって使える時間も体力も、お仕事の状況も違います。
手作りだから愛情が大きい、買ったものだから愛情が少ない、ということではないのではないでしょうか。
例えば、
ピザやケーキをお母さんが全部決めて用意するのではなく、チラシやネットを一緒に見ながら、
「ピザ係とケーキ係は○○ちゃんね。好きなのを選んでね。ママが買ってくるね」
と、お子さんに役割をお願いしてみることも一つの方法です。
「自分で選んだものをみんなで食べる」という経験は、お子さんにとっても嬉しいものになるのではないでしょうか。
飾り付けも、100円ショップで折り紙や簡単に貼れる飾りを選んでもらったり、壁に貼れるシールなどを使って、
「今日は○○ちゃんがお部屋の飾り付け係ね。できたら写真を撮ろうか」
とお願いしてみるのもいいかもしれません。
お母さんが全部準備してあげるのではなく、親子で一緒にクリスマスを作っていくという形にすることで、お母さんの負担も少し減り、お子さん自身の「自分もクリスマスを作った」という楽しさにもつながるのではないかなと思います。
お子さんにとって大切なこととは?
今回のクリスマスという一つの出来事に目を向けると、「できていないこと」がたくさん見えてしまうかもしれません。
でも、少し視点を変えて、365日の子育てを振り返ってみていただきたいなと思います。
一日一日の中に、お子さんのためにしていることが、きっとたくさんあるのではないでしょうか。
「できなかったこと」や「苦手なこと」が目についてしまい、ご自身を低く評価してしまうこともあるのかもしれません。
でも、クリスマスの一日だけで、お母さんの愛情が決まるわけではありません。
お子さんにとって大切なのは、豪華な料理や完璧な飾り付けだけではなく、
「お母さんと一緒に食べた」
「お母さんと一緒に選んだ」
「自分のために用意してくれた」
「お母さんと一緒に笑った」
そんな一つひとつの時間なのではないでしょうか。
今年のクリスマスは、「理想のクリスマスをしてあげる」ではなく、お母さんもお子さんも、無理のない範囲で一緒に楽しめるクリスマスを目指してみてもいいのではないかなと思います。
そして、クリスマスのこととは別に、どうかお母さん自身のことも少し大切にしてあげてください。
ほんの少しでも、自分のために休む時間があっていいと思います。
今回こうしてご相談くださったということは、「なんとかしたい」「娘さんに楽しく過ごしてほしい」という思いがあるからこそなのだと思います。
そのお気持ちそのものが、すでに娘さんへの大きな愛情なのではないでしょうか。
最後に
相談者さんのお話を聞いて私自身思い出した話があります。
私は保育士ですが、手先がとても不器用で制作や作り物が大の苦手でした。
発表会前の衣装作りや壁面制作などでは、人よりも時間がかかってしまい、何時間も何日も制作をして、徹夜したまま仕事に行ったこともありました。
そんなあるとき、制作がとても上手な先生とペアを組むことになり、思い切って「衣装作りをお願いしてもいいですか」と分担することにしました。
その先生が作ってくれた衣装はとても可愛くて、私自身も嬉しかったですし、もちろん子どもたちも大喜びでした。
そして何より大きかったのは、私自身に心の余裕ができたことでした。
当日までに心の余裕を持つことができたことで、子どもたちにも穏やかに関わることができ、子どもたち自身も落ち着いた気持ちで本番を迎えられたように感じました。
その先生に、「いつも負担をかけてごめんね。本当に助かってる」と伝えたところ、その先生から、「先生には先生の得意なことがあって、私も助けてもらっているよ」と言ってもらいました。
私はそれまで、「自分は制作ができないから、この人に迷惑をかけている」と思っていました。でも、その言葉を聞いて、「私は私のできることで、この先生を支えていたんだ」
と初めて気づくことができました。
大人でも、人にはそれぞれ得意なことと苦手なことがあります。
それは、お母さんになったからといって変わるものではないのではないでしょうか。
「お母さんになったのだから、料理も手作り、飾り付けも手作り、子どものために何でも丁寧に完璧にできなければいけない」ということではないと思います。
私自身も、すべてを完璧にこなすことはできません。
苦手なことは誰かに頼ったり、買ったものを上手に利用したり、
「これは苦手だから、今回はこっちの方法にしてみよう」と工夫したりすることも、家族を大切にするための一つの方法なのではないでしょうか。
もちろん、人生の中では「頑張らなければならないこと」「自分でやらなければならないこと」もあると思います。
だからこそ、すべてを人に任せるのではなく、自分が頑張れるところと、頼っていいところを上手に調整していくことも大切なのではないかなと感じます。
お母さんを応援する保育士として、今回のアドバイスが、少しでもお母さんの心をほっとさせるものになりましたら幸いです。
どうか「できなかったこと」ではなく、今までお子さんのために「できてきたこと」にも、たくさん目を向けてあげてくださいね。
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。



