登園前のドタバタに毎朝怒鳴ってしまう私…もっと心に余裕を持ちたい【お悩み相談室】

今回は、朝の保育園準備で息子に怒鳴る日々が続き、自己嫌悪を感じているお母さんからご相談をいただきました。
息子さんに寄り添いながら、スムーズに準備を進める工夫や、忙しい朝でも心に余裕を持つためのアドバイスを公認心理師がお伝えします。
今、5歳で年長クラスの息子がいます。いつも保育園に行く前にドタバタするのがストレスです。息子はのんびりした性格で、朝ごはんもテレビを見ながらゆっくり食べますし、「早く着替えてね!」と言ってもテレビに夢中で手が止まってしまいます。テレビを消すとふてくされて岩のように動きません(泣)「早く!」「いそいでっ!」「何やってるの!」と毎日叫んでいます。仕事前のバタバタも、保育園に『遅れます』の連絡を毎回入れるのも、もうやめたいです。そして何より、息子に怒鳴ってばかりの自分が嫌になっています。息子にも嫌な気持ちにさせているし、私もよくないと思っているのですがどうしたらいいかわかりません。どうしたら気持ちに余裕をもって息子を待ってあげられるのか、息子が素直に言う事を聞いてくれるようになってくれるのか悩んでいます。
(30代、女性、ハンドルネーム:ぬれおかき、職種:営業)
目次
頑張っている自分を褒めてあげて
ぬれおかきさん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。まずは、毎朝の忙しい中で一生懸命頑張っているあなた自身に、大きな拍手を送りたいと思います。
保育園に遅れないようにと焦る気持ち、息子さんにうまく伝わらないもどかしさ、そしてその中で湧いてくる自己嫌悪。
これらを抱えながらも「もっと良い方法を探したい」と考えているあなたは、本当に素晴らしいお母さんです。
毎日、親としての役割を果たしながら仕事もこなすのは簡単なことではありません。どうか「頑張っている自分」を認めてあげてくださいね。
朝の準備をスムーズにする5つの工夫。もし思い通りにいかなくても自然なこと
いくつかのご提案をさせてください。すでに取り組んでいることもあるかもしれませんが、参考になれば嬉しいです。
1. 朝のリズムを整える
朝の準備をスムーズに進めるためには、ルーティンを整えることが大切です。
・タイムスケジュールを視覚化する
5歳のお子さんは、発達段階で言えば視覚的な情報が理解しやすい年齢です。例えば、時計の絵と簡単なイラストを使って「朝ごはん」「着替え」「歯磨き」といったスケジュールをボードや紙に描いて貼ってみましょう。
時間が来たら次のステップに進むのがわかりやすくなります。「タイムタイマー」といって、残り時間がわかりやすく表示されるアナログ時計もありますよ。
2. お子さんを巻き込む工夫
お子さんが主体的に動けるようになると、親子の負担が軽くなります。
・ゲーム感覚で進める
着替えや準備を「競争」や「チャレンジ」にしてみてはいかがでしょうか。「よーいドン!でお着替えできるかな?」や「着替えタイムを記録して、昨日より早かったらシールを貼る」といった形で、楽しい要素を取り入れてみましょう。
・役割を与える
「保育園に行く前にお母さんを助けてほしいな」とお願いして、具体的な役割を与えるのも効果的です。「今日はお箸をテーブルに置いてくれる?」「時計を見て教えてくれる?」など、簡単なタスクで構いません。
3. テレビとの付き合い方を見直す
テレビが準備を妨げているようであれば、使い方を少し工夫する必要があるかもしれません。
・朝のテレビルールを決める
例えば、「準備が全部終わったら5分だけ見られる」というルールを作るのはいかがでしょうか。これにより、テレビがご褒美のような存在になり、準備へのモチベーションが高まるかもしれません。
・テレビの代わりに音楽を活用する
テレビを消すと「岩のように動かなくなる」とのことですが、代わりに朝にぴったりな音楽を流してみるのも一案です。
楽しい音楽が流れると、気分が変わりやすくなります。保育園でお着替えやお片付けの時に必ず流している曲などがあれば、合図の代わりにその音楽を使ってみるのも良いかもしれませんね。
4. 自分の気持ちに余裕を持つ
忙しい朝にイライラするのは当然のことです。まずは、ご自身の気持ちを整えることも大切です。
・深呼吸やストレッチを取り入れる
朝の準備の合間に、数秒でも深呼吸をしたり、軽くストレッチをすることで、心の余裕が生まれます。
・ポジティブなフレーズを用意する
朝に自分を応援する言葉を用意してみてください。例えば、「今日もいい日にしよう!」「今日は穏やかに過ごせる」といった一言を心の中で唱えるだけでも効果があります。家族でそのフレーズを言い合ってみるのも良いですね。
5. アドバイス通りに行かないこともある
どれだけ工夫をしても、子どもは思い通りに動かないこともあります。これはごく自然なことですし、決して「自分がダメだから」と親として責める必要はありません。
お子さんにも、その日の気分やコンディションがあることを理解しながら、少しずつ前進していきましょう。
「今日はうまくいかなかったな」と感じたら、「じゃあ明日はどうしよう?」と軽く次に向けた工夫を考えることで、気持ちが楽になることもあります。
どんな日も親子で一緒に過ごせる時間は大切
「早くして!」と怒鳴ってしまう日々が続くと、自分に嫌気がさすこともありますよね。でも、その中で「もっと良い方法を探したい」と考えているあなたは、本当に素敵なお母さんです。
どんな日も親子で一緒に過ごせる時間は大切なものです。少しずつ工夫を重ねながら、息子さんのペースに寄り添える日が増えることを応援しています。そして、毎日頑張るあなた自身を忘れずに労わってくださいね。
回答者:公認心理師・臨床心理士
自治体の子育て相談窓口でお仕事をさせていただいています。キンダーカウンセラーやスクールカウンセラーとしての経験も長いです。子育て中は悩みが尽きないですよね。年齢や個性に応じた親子のコミュニケーションでお困りなら、ご相談ください。不登校、ひきこもり、家庭内暴力や虐待などのカウンセリングも得意としております。
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